2011年11月23日

教育改革、実戦力、自発創造、選手主導

[サッカーはゲーム(遊び)だ!]
 最近、海外で日本サッカーに対する評価が高くなってきたが、振り返ると、1936年、ベルリン五輪でスウェーデンを破って世界を驚かせたものの、第二次世界大戦で中断し戦後再開した頃はひどかった。1960年、来日したクラマーコーチは、日本のコーチは石器時代だと酷評。欧州遠征では、欧州では子供の頃サッカーで遊んで上手くなるのに、日本選手は皆同じで型どおり、教育臭が強いと異端視され、ブラジルに至っては、サッカーに先生要らない、教えて上手くなるものではない、と放言した。
 本場の欧米から見ると、半世紀前、戦後の日本は極東の田舎者で体よくバカにされたわけだが、改めて見直すと彼らはサッカーと教育の本質を的確についていた。
 日本には独特の事情もあった。球技は格闘技などの闘争スポーツと違って完全なゲーム(遊び)だ。無論ふざけたわむれる類いではない。欧州で民間の遊びから発展したサッカーは、勝利を目指し智能を傾けスキルを発揮して真剣にプレーするゲームで、世界各国に伝わり面白いのでたちまち民間に普及して根付いた。だが日本だけは違ったのである。

[スポーツ文化と教育文化]
 何しろ日本は文明開化の明治時代までまげに和服の古来スポーツと無縁の国であった。渡来したサッカーは初めて見る人々の目にどう写ったのだろう?ともあれ、やがて学校教育に組み入れて(明治37年、1904以降)、体育と運動部活動にしたので全国に広まった。ところが教育に遊びは禁忌だ。当然、渡来した本家欧州サッカーから本質であるゲーム(遊び)性が無視されて無くなってしまった。そして和魂洋才的に日本化されて武道の伝統に染まり、教え込んで鍛える学校サッカーという欧州サッカーとは異質で独自の日本式教育サッカーが順調に定着していったのである。
 戦後、欧州のクラブに似た社会体育の少年サッカークラブが追加されたが、主力はやはり野球同様、各地の中学高校から大学に至る学校サッカーである。いまだに何かにつけて文武両道という決まり文句が誇らしげに出てくるのを見ても、野球、サッカーなど日本の少年スポーツが教育文化であって、欧米的な楽しむスポーツ文化でない事がわかる。

[なぜ遊びのサッカーから好選手が育つのか?]
 学生時代、私は蹴球部で練習量の割に上達しないように感じていたが、少年サッカー教育を始める事になって(1969年)、改めて考えてみると、かつて欧米で上記のように言われたのも尤もであった。
 本来、何事でも教育された者は遊び育ちよりも優れていないとおかしい。当時の日本のように充分教育された選手の方が劣るとなると、教え方や内容、本質に誤りがあるか、教えられない事が多いのか、遊びに利点があるか、教育に欠陥があるに違いないのである。
 その点、私が少し足技が出来たのは8歳からサッカーで遊んだお陰で、母校神戸三中では昼休みに皆サッカーで遊び相当上手い素人が何人もいて、後に大学サッカーで有名選手になったのもいたから、欧米の遊びで上達するという話は間違いなく本当であった。
 よく言われるが、勉強はさせられるのでなく、自分からするのでないと駄目だ。サッカーも同じで、遊びのサッカーは面白いので皆自分から進んでやる。幸いサッカーは遊びで身につけたものが本物のサッカーでも通用する。大好きになり熱中して工夫するから、好きこそものの上手なれで上達して好選手が育つ。教育者は遊びを不真面目と嫌うが、皮肉にも教育者が望む本人自らの意思による自主自発自得は遊びの大きな利点なのである!
 それに、欧米サッカーがTVでも見られるようになると、日本よりも上手いし真剣に戦っていても堅苦しくない。自由にプレーしていて面白い。という事はサッカーは本場でやっているようにもっと自由で面白いものの筈だ!これから同じ育てるなら子供たちをあんな面白いサッカーが出来る選手に、怒ってしごくのでなく楽しく育てたいと思った。
 でも肝心の遊びのサッカーはないし、そんな事は従来の日本の教育ではとても無理だから、これ迄の教育をすべて白紙に戻して、練習法などを自分で考案して育てるしかない。
 それには以前から思っていた事だが、サッカーは試合(ゲーム)なのだから、もっと敵と戦う試合の一部や試合に近いミニゲームとか実戦的な練習を数多くしないといけない。そうすれば子供たちは遊びのサッカーのように面白いので、必ず熱中し自分で考え工夫し自然に自立して向上するに違いないと考えて、ゲーム的実戦的練習、いわばサッカーそのものをトレーニングの主体にした。これは日本では全く異端の教育で、サッカーの本質である自立創造性を育成する初めての試みであった。

[時間は短くても試合中のような練習を!]
 来日したクラマーさんは、どこでも連日同じ基本練習を繰り返しているのを見て、ドイツの子はすぐ飽きるのに日本の子は真面目に続けると驚いた。だが、練習法が悪いので肝心の試合で上手くいかない。
 例えば、前から来るボールのトラップ練習しかしないものだから、試合でいろんな方向から様々な速さ高さのボールが前後左右に来るのをうまく処理できないのだ。
 そこで試合中のようにいろんなボールが来るのを処理して次のプレーに移ったりするのを飽きないよう短時間集中して練習し、ミニゲームや敵をつけて実戦的に練習したところ試合で様々な対応や複合プレーが出来るようになった。これは是非全国でやって欲しい。

[基本練習の次は必ず実戦的練習!]
 練習でできても、試合で敵を恐れず慌てず上手くプレーするのは難しい。敵が向かってきた時にボールをトラップする場合、敵より早くボールにさわって、敵をよけてトラップしたり、トラップしながらかわしたりしないといけないのだが、普通、練習しているのは敵なしでの基本動作に過ぎないので、それだけでは敵がからむ、いわば戦場では通用しない。対敵動作には実戦感覚や敵を計算に入れて判断工夫する戦術力が要る。サッカー頭脳を良くして実戦的技能を身につけないといけないのに、戦う為のトレーニングが欠けていたのである。
 そうした実戦力を身につけて試合で臨機応変、的確機敏にプレーできるようになるには相当経験が必要で、適切な練習法と基本の数倍の練習量が要る。そこで、戦いに慣れる為に、基本が大体できるようになったら必ず敵をつけて妨害されても出来るように実戦的に練習し、1:1や3:2などもゴール得点ありにして自由なミニゲームも続けた。すると効果覿面!全員が上達してサッカー頭脳が良くなり実戦力がついた。これでコツがわかったので基本技練習の次は実戦力をつける為に必ずゲーム的実戦的練習をする事に決めた。
 一般に練習量重視だが、量よりまず内容が問題で練習法次第なのに、従来は柔道でいうと投げの型ばかりで1:1のような試合、戦いの練習が殆ど無くて試合から遠すぎた。
 遊びのサッカーが盛んな欧米の子供は基本下手でもゲームは我流なりに上手い。遊びが自分で見て感じて判断工夫し頭脳を使って敵と戦うゲーム的実戦的練習になっているからだ。日本の子供は逆で、基本は型どおりで上手でもゲームになるとどうしたらいいかわからない。サッカーで遊ばないし、基本練習と試合との間に必要なゲーム的実戦的練習が殆ど行われていない為である。何年英語を勉強しても会話ができないのと同じだ。
 幼少時代にはゲーム的実戦的練習や良質の遊びのサッカーが必要不可欠で、10年ややるとやらないのとではユースで差が開く。大人の日本選手が練習上手の試合下手(中田)なのも、オシムが、「日本選手は考えるのが遅い、プレーし動きながら瞬時に考え判断しろ!」、と言ったのも、ゲーム的実戦的練習をあまりしないで育った為であった。

[面白いのが一番!]
 学校で放課後にやる部活動と違って、社会体育に属する民間の枚方FCでは、一旦帰宅してから夕方練習に来て夜終わるので夕食も遅い。勉強できないからなかなか大変で、小六、中高生の練習でも週三回がやっとであった。それでも来てくれた子供たちは偉かったが、ご両親がよく許してくれたものだと今でも感謝している。
 始めるのが中学生は17時頃、高校生は18時過ぎてからで約90分、最後の30分がミニゲームで、シュートなどやるとメインの練習は25分もないので、練習量は毎日やる部活の半分以下、有名校の10分の1と言われた。それでも練習量の割に上手かったのは自由度が高く面白くてやる気になり、いやでも上手くなれるように考案した練習法の賜物であった。
 脳科学では、面白いと脳が活性化すると言う。何を今さらで、昔から勉強も仕事も面白いのがいいに決まっている。だからそうすればいいのに、指導者が嫌ってしない。常識、先入観や伝統など全て白紙に戻して物事を見ないと、本当に大切な事がわからず想像力が働かない。白人もそうだが黒人に至っては面白くないと絶対やらない。サッカーが面白いから彼らは子供の頃から皆やって上手くなるわけで、基本的な発想の転機が必要である。

[サッカーノート]
 試合前、注意事項をノートして選手たちに話した。ノートを使うので珍しがられたが、頭が悪いので書かないと忘れるのだ。試合中も気づいた事、後半予想される敵の変化など書き込むが、ハーフタイムは短いので是非注意したい事から1、2と順番をつけておいて指示した。それでもたまに後半、指示が効いて好転する事がありマジックと言われたりしたので、よその一流プロコーチがこっそり聞きに行ったが、別段これといった指示はなかったというから面白い。読売クラブの選手たちがコーチに、参考に枚方を見ておけと言われて、うちのユースの試合を見に来たこともあった。

[試合は選手主導!自作自演!]
 でも試合前に作戦指示を殆どしない事もあった。幼い頃からいろんな攻守を練習して、選手たちが状況に応じて自分で考えて試合やミニゲームを進めるように育ててきたので、対外試合も大抵いつもどおりにすればいけたからだ。
 試合前に必ず指導者は戦い方を指示するが、選手は前もってそれを練習しておかないと、言われただけでは出来ない事もある。指示しても状況は変わる。選手の好調不調、相手の出方や予想外の出来事もあり、指示が裏目に出る事さえあるし、行動すべてを指示する事は不可能だ。試合中、横から指示しても充分にはできない。
 だから監督、コーチが試合の筋書き、脚本を指示しても、試合が始まると、指示された方針、作戦やプレーを頭に置いた選手たちが現場で、状況や敵味方の出方などに応じてその都度、各自判断し知恵を働かせ協力して戦っていくしかないというのが真相である。極言すると、作戦や指示は不可欠でも、試合は選手の自作自演だから、指導者は幼い頃からそうした選手主導ができるサッカー頭脳の良い選手に育てていかねばならないのである。
 ところが、世間もサッカー界も試合は指導者が選手に指示してやらせるものだと思い込んでいる。これはサッカーに限らない。何の教育でもそうなのだが、特に少年サッカーは、子供だから無知だからと、何もかも教えて言うとおりにさせるものだから、子供たちは教わり指示されないと行動しなくなる傾向があり、自主自発性のない大人になりがちだ。正しい教育は逆で、なるべく教えないで失敗してもいいから自分でやらせて、失敗したら反省改良させて、先ず自立自発の癖をつけることだ!
◇ 自作自演の育て方だが、例えば、シュート得点が下手なのは、先ず第一にシュート練習がキック練習になってしまっていて、選手がどうしたら得点できるか、一回一回真剣に、試合でしっかり狙ってシュートするのと同じ気持ちで練習してないからである。
 味方にシュート、得点させるチャンス作りも拙い。殆どの選手はただ攻めているだけで、シュートチャンスを作ろうと考えてない。これではシュートチャンスを作れと叱っても無理だから、選手がそうせざるを得ない練習法が必要になる。
 練習法78、79は選手がチャンス作りを考え工夫しないと得点できないので力がつく。無論教えて上手にしてやるのも結構だが、選手がやってみると面白くて、いやでも上達してしまう練習法をコーチが考案工夫するといい。コーチの腕の見せ所である。

[指示は命令ではない!試合は指導者と選手の合作だ。オシム]
 戦前は軍国主義一色で、中学生以上を次の日本を守る軍人にする教育が行われ、教練という授業があり将校が指導した。今の人に説明してもわからないけれども何もかもすべて軍隊式で、日本のサッカーの軍隊のように指導者が命令して選手がそのとおりに行動しないといけない伝統は軍国主義教育がもとになったと思う。スポーツ界は伝統や観衆を素直に踏襲するから、戦後生まれの人々は、サッカーとはそういうものだと思って継承してきたわけで、流石に時代の流れで少年サッカーは昔ほどではないけれども、やはりまだ自立度も自由度も低く選手たちは非個性的である。
 こうした日本式サッカーの在り方に対して、かつてバイスバイラーは、ドイツのクラブに移籍してきた日本選手が日本でのように指示どおりにプレーして皆に合わせていると、「命令で動くだけの兵士のような選手はいらない。もっと自分で考えてプレーしろ!」と注意し、オシムは、「軍隊でないのだから、指示は命令ではない。試合は指導者と選手の合作だ」と明言した。日本は欧州サッカーと重要な根本的なところが違うことがわかる。
 国内ではどうかというと、岡田前監督は、短いパス、連動を指示すると、選手がそのとおりにするのはいいが、それしかやらなくなるので困る、とこぼした。
年少の頃、指導者に言われたとおりにしないといけないと努力していた選手も、大人になると流石に大なり小なり自分の考えで行動するようになってはくるが、指示は守らないと指導者に悪いと気をつかって指示どおりにしたり、顔色をみて彼が気に入らないプレーを控えたりする。実際そうしないと怒る指導者が珍しくない。

[判断の自由を奪ってはならない。ザッケロー二]
 私は大学時代、どの程度自分の思うようにしてもよいのか、いつも迷っていて納得できない指示のために失敗したこともあった。
 21歳、左フルバックで、関学の有名な日本一の右ウイング、木村現をマークして前半完封した。だがハーフタイムに監督は、相手の横に並んで前でボールを取れ!と言った。それでは負けると思いつつ後半指示どおりにしたが、結局、中途半端になり木村は無得点で終わったが、その為に浅くなった最終ラインを右インナー長沼に突破されて失敗した。
 監督はそんな悩みなど知らない。積極的にやれと言ったが、いつでもそうしろとは言ってない。失敗しそうならするな!自分で考えろ!と言うだろう。確かにそうするべきで私が未熟だった。でも指示に反してでも自分が良いと思うプレーをやってのけるのは中田や本田のような選手か、鈍感な選手で、普通はそうするべきだとわかっていても指示にこだわる。そんな主体性のない者は落第だと言われるだろう。しかし、選手は自発自動、試合は選手の自作自演、選手主導であるべきだから、私は全国の指導者にお願いした。
☆ 是非選手たちに幼少の頃から、「指示は命令ではない。だから指示を頭に入れた上で、  自由に自分で考え判断工夫してチームのために一番良いプレーをすればいい」、と明言して欲しい。そうすれば選手たちはじりつして自由に生き生きプレーするようになる。
☆ その点、ザッケローニ監督は先日、選手に指示してから、「指示に縛られないで自由 に考えてプレーしてくれ」、と話したので、彼らはこれ迄のように監督に気を使うことなく充分能力を発揮して素晴らしい試合をした。かつて無かった事であった。
☆ なでしこジャパンもまた自作自演、選手主導でWカップに優勝して国民を感動させた。

[アマは考えているうちにチャンスを逃す。プロは逃さない。考えるのはあとだ。J.バーナード] 
 考えろ、とよく言われる。自分が直面する状況や敵味方に対してどうするかという事と、チームの事を考えるのだ。(例.皆元気がなくなり足が止った。もっと動こうと率先して動く。今は猛攻に耐える時だ、もっとボールを動かそうなど)
 また思考判断工夫などひっくるめて、「考えろ」とよく言う。頭脳を使えということだ。
◇ 直感(直観)思考とデスク思考というものもある。前者は、見て感じて、とか突然閃く(ひらめく)、浮かぶ、思いつく、といったものだ。試合中、思考や判断選択、閃きなどでプレーするが、ここというところでは、見た瞬間、感じた瞬間、咄嗟に、殆どそれと同時に反応し行動する事が多い。一瞬で消えるチャンスだと、言葉的な閃きでプレーしたのでは間に合わない。算盤が上手くなると、数字を見た瞬間、指が動くのと同じだ。
◎ (私の変わった体験)ある試合でハーフラインを超えた所で上手くボールを貰えたので独走に移りながら、どうシュートしようか?と考えた時、キーパーが少し前に出ているのが見えた。そして次の瞬間、身体が勝手にロングシュートしてしまってボールがバーすれすれでゴールインした事があった。ちゃんと狙ってキックしているのに頭はまだ考え中で自分が蹴ったのがわからなかったのである。こんな頭脳が考えるのと、考えと違う身体のプレートの同時進行は(77歳で年のせいか)初めてで吃驚した。猫が驚くと飛び上がるように、サッカー選手も不意のタックルを一瞬かわしたり、チャンスと直感した(であろう)瞬間にシュートしたりする。通常大脳が考えてその命令で身体が行動するのだが、別段、無我夢中でなくても、緊急時には大脳の総司令部の指令なしで無意識に身体が反射的に行動するわけである。
  人間の頭脳は複雑なためにかえって邪魔する事もある。シュートは絶対得点するぞと強い気持ちでやるべきだが、力みすぎて失敗することもある。少し前から心構えをして平常心で冷静に、または集中して無心でやるとよく成功するのは、練習と経験で身につけた身体の正確なコンピューター的活動を、大脳の不安、緊張などの感情が邪魔しないからだろう。

[教育改革、もっと自由に、自主自立、自発創造!]
 本来欧州では3B(ブレイン、ボールコントロール、ボディバランス)を選手とプレーの根幹としてきた。日本は心技体!頭脳を使うのは当たり前、戦術力は技のうちで、智能よりも精神力を重視する。
◇ 日本の理工以外の教育は寺子屋の昔から教わって覚える学習で知識習得である。もともと自発創造力や表現、コミュニケーションの能力が乏しいのに、画一的教育でその育成が欠けている。おまけに◯×テストがそれに大きく輪をかけたので、育った卒業生は内向きで再教育しないと社会で役に立たない。まして国際的には通用しない。
 そこで最近日本の会社は外国人を採用しだした。理由は海外進出、国際化だけではない。何と!思考発想力を重視する教育を受けたアジアの大学の卒業生には日本より優秀な若者が大勢いるからだという。その上、韓国や中国は日本で創造的仕事をした優れた人材を引き抜いて、数年かけて技術やアイディアを盗み終わったら解雇する。ひどいものだ。
 出る杭が打たれ外圧でないと変われない日本に、いつかこういう時代が来ると思っていたが残念だ。教育改革が必要なのはサッカーだけでなく、日本の教育全体なのである。
◇ 日本独自のサッカーも幼時から自由にプレーさせて伸びてくるものが本当の日本人のサッカーで、少年たちはもっと上手く強くなれるのにそういう育成は行われた事がない。
 今欧州でプレー中の日本選手たちは、日本と違って、指示がどうあれ自ら自由に考えて全能力を発揮して自己表現しないと認めてもらえないと知って健闘し、日本にいた頃よりも逞しく工場している。削って揃え合わせて整える日本と、加えて華麗に楽しむ欧米との文化の違いもあるが、サッカーは本来そういうもので、日本にいたらできなかっただろう。

[ドリブル突破に挑戦しよう!]
 代表の香川選手がドリブルで数人の中に入ってかわして行くのが注目された。子供の頃のストリートサッカーがもとになっていると言う。私も高校時代にやったが、敵も当たりにくいのでリズムに乗ると案外上手くいくから、少年たちはもっとドリブル突破に挑戦するべきだ。少年時代だからこそ冒険できる。指導者は無闇に禁止しないで長い目で見てやって欲しい。

[意外性のプレーをやろう!]
   私は意外なプレーやアウトなどを使って悪口を言われたりした。67歳で、止ってシュートするな!と怒鳴られた。少年サッカーの指導者でもあるその選手に他の試合で、ゴール前でドリブルで2人かわしてチョンとラストパスしたら、彼は受けかねてシュート出来なかった。意外なパスを受けた事がなかったのだろう。
 選手が指導者が許したプレーしかできないのでは意外性のプレーはあり得ないから、そうして育った日本選手は大抵知識として知っているだけだ。大人になって急にやっても味方が受けてくれない。敵だけでなく味方まで意表をつかれる。だから効果があるのだが。
 こういうプレーは欧米のように、子供の頃から互いに自由に意外な面白いプレーをしたり、受けたり合わせたりして大きくなるのが一番いい。だが日本の指導者にはそういう事を知らないし考えることもない。第一、遊び心がない。自由な変わったアイディア、プレーを認めて奨励する事が不可欠で、勝手な事をするな!生意気な!と怒鳴ると永久に駄目だ。早い話、Wカップの澤選手のアウトのシュートを子供がやったら怒るのではないか・・・

[結話]
 サッカーには職人的スキルが必要で、日本人は職人向きだ。こまめで繊細、器用でもっと上手くなれる。白人、黒人に劣る筈がない。幼少からサッカーのゲームに浸り自由に楽しく育ち少し大きくなってから教える。但し、やらせる他発他動教育は止めて、選手が自発自動するゲーム的実戦的練習本意の体験教育で、創造力、実戦力を育成する。
 そうして子供たちがゲームが面白くてサッカー大好きになり自然に自立し創意工夫して自得向上するように育てれば、外向きで自由に能力を充分に発揮し互いに長所や発想を認め活かし合う個性豊かな好選手になる。人間形成や人生にも役立つ。そうして底辺が変わりレベルアップすれば日本サッカーが変わる。面白くなければサッカーでない! 
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2011年11月07日

58 チームの攻守練習

[初めに選手ありき!]
 昔から日本の教育は基本重視でサッカー教育も基本練習に熱心で随分時間をかけた。でも練習で上手くできた選手たちが試合になるとなかなか思うようにプレーできなかったので、練習不足、ファイトがないと叱られてしぼられた。
 だが私が従来と違う方法で育成してみると、原因はそういうことではなかった。サッカーはテニスなどと違って敵とじかに接触して戦うのに、必要不可欠な1:1やミニゲームといった肝心の戦いそのものの練習が殆どなかった為だということがわかった。
 それに、サッカーはチームスポーツだからというので、初めにチームありきで、選手は指導者が指す将棋の駒として軍隊さながら兵士のように指令されてプレーしてきたが、それは日本式のサッカーであって、もともと欧州で生まれたサッカーはそうではなかった。
 選手たちは日本のように指導者の指示を頭脳に入れるけれども、試合が始まると勝利を目指してもっと自由に、たとえ幼少でも彼らなりに自ら考え判断工夫して独りで、或は味方と協力してプレーしてチームの戦いを織り成していく。それがサッカー本来の姿なのである。
 指示は無論必要だが指令どおりではまずい事もある。指示に縛られないでとにかく自分で考え判断していかないと上手く戦えない。結局、選手たちがそうして自主的に考えてプレーして試合を進めないといけないのだから、私に言わせれば、初めに選手ありきであって、子供たち一人一人をそれが出来る選手に育成しなければならないのである。
 そこで枚方FCでは従来と違う育成法をとり、試合に近い実戦的練習を重視して基本技でも敵をつけて練習させて試合で活用できるようにして、1:1や3:2、ミニゲームなども試合中のような場面設定で、選手が自立して自ら臨機応変に状況に対応し判断工夫して局面を打開して試合を進める事ができる実戦力を身につけるように図った。
 こうすると試合に即したプレーを磨きチーム的な指導もできるので、指導者にも都合がいい。だがそんな育成法は当時どこもやってなくて十年一日のように伝統的練習と指導の繰り返しだから異端視され、サッカーは個人でなくチームでやるものだとか、1:1ばかりだ、ゲームをやらせておくだけか、などと避難された。197、80年頃の事であった。

[チームの攻撃練習]
 攻撃陣対守備陣で練習する場合、守備陣が強すぎて攻撃陣が歯が立たないようだと練習にならない。それで先ず攻撃陣を育ててある程度力がついてから守備陣にかかる。攻撃陣が強い場合は守備陣は頑張れば力がつくのでこちらはそれで良い。
◇ ミニゲームは工夫すると極めて有効な練習法だ。現代サッカーでは選手は攻守両方が出来ないといけないのだが、ミニゲームは試合以上に攻守両方を練習できる。攻撃法を知ると守備に、守備法を知ると攻撃に役立つ。真剣に研究的に練習すると力がつく。
練習法74.(基本的戦法や約束事)先ず相手なしで攻撃練習。次ぎに弱い相手とやる。例えば、二軍の最終ラインを相手に攻撃練習をして、できるようならレギュラーの最終ラインを相手にする。次は二軍の中盤守備陣を追加→レギュラーの中盤に変え→紅白試合へと進める。プレーを適宜中断し攻守両面で注意指導。少し弱いチームと対外試合で試す。
 基本的注意点は、前もって状況や周りを見て考えておく。ボールによる。ワンタッチ・コントロール。パス・アンド・ゴー。サポートとフォロー、パスと動き、再度チェンジ、緩急をつける、もっとボールを動かす、ドリブルの使い方、配分、チャンス作り、敵の弱点をつくなど。

練習法75.(攻撃法を指定)例えば、逆襲速攻、サイド攻撃、中央攻撃、ダイレクトパス多用、ロングパス、ハイクロスとヘディング、オーバーラップ、逆へ逆へ揺さぶるなど。
 先ず攻撃だけを相手なしで練習してから守備陣を入れる。守備は軽い妨害で始めて、出来具合を見て次第に強く。ある程度できたら攻撃陣対守備陣で指定した攻撃による得点だけ認めてゲーム的に。ミニや紅白で指定以外の得点は0.5とか、ルールを決めてもよい。

練習法76.(局面的、局地的に)目的は試合前後の強化、弱点修正、追加学習など。試合中の一場面を設定し練習してから、敵を入れて妨害を強めていく。例えば次のように、
◇ キーパーがボールを捕ったら、蹴らないでバックに投げて、中盤を経て前線へ素早くつなぐ、シュートで終わる。それを多用することにして紅白やミニゲームをやる。
◇ 後方からボールをもらった中盤がトップへパス、トップがバックしたのを、トップか、走り出る他の味方へパス、シュートで終わる。この得点だけ認めてゲーム。
◇ タッチライン沿いにいろんなサイド攻撃、中央攻撃、中央を攻めて手薄になった敵のサイドを突く、その逆、繰り返しなど。その得点だけ認めてゲーム。

練習法77.(パスゲーム)
a. 紅白戦をツータッチ、スリータッチで。競り合いでボールタッチの回数が増えても仕方がないが、余分なボールタッチ、ドリブルは反則。ダブルパス(往復パス)をしたら3回目は他の選手にパスしないと反則。厳しくとること!
b. ゴール得点なしで8回パスが続いたら1点。ダブルパスは1回と数える。
c. 1チームはツータッチ、1チームは自由だがドリブルは1人かわしたらパス。

練習法78.
a.(条件付き得点で紅白戦やミニゲーム)次のうち、2、3指定したプレーからの得点 だけを認めて。ラストパス、ワンツー、バックパス、パスをスルー、縦パス、裏を狙うパス、オーバーラップ、ラングシュート、ヘディング、センタリング(折り返し、中継ぎあり)など。指定以外の得点を0.5点にしてもよい。
b.ミニゲームでチームそれぞれに違うものを指定して。

練習法79.
a. 指定された選手1人だけが得点できるミニゲーム。相手チームには秘密で開始。ただし密着マーク、ポリスマン禁止。チャンス作りに知恵を働かせること。指名以外の選手の得点を0.5にしてもよい。難しかれば指名選手の得点を2点にしてもよい。
b. 得点者を2人指名して。

練習法80.(いつもとメンバーを変えて紅白やミニゲーム)長所や適したポジション、新たな連係プレーなど発見もある。一軍、二軍混合で編成。
a. 攻撃陣チーム:守備陣チーム。中盤選手はどちらかに入る。
b. 右サイド:左サイドで。
c. 人間関係を良くする為の組み合わせで。

練習法81.(変形ピッチでゲーム)
a. ピッチの縦を半分くらいに縮めて得点力アップ。人数を減らしてやる。攻撃法や得点法を指定してもよい。
b. ゴールを2個づつ両コーナー近くに置いて、どちらに得点しても良い。逆サイドの状況に着目してサイドチェンジを多用すること。
c. ゴールラインなしで小ゴールの裏からもシュート得点できることにしてミニゲーム。

練習法82.(スタミナ強化)
練習場を広く人数を少なくする。例えば正規の広さのピッチで7:7や5:5、時間を短く疲労度をみて交替。

[水溜まり、泥んこや雨中での試合] 
 細かい足技、ドリブルは使わない方がよい。ボールを持たないで早めに離せ!細かい緩いパスは止りやすいので駄目!バックパスは危険で禁止!縦や斜めのパスを味方の足元でなく前方に送り走り込め!敵の取りにくい所、敵の間、背後を狙って敵を背走させろ!足首に力を入れて普段よりも強く蹴れ!
 ボールのコースに早く入って身体の正面に来るように迎えに行け!最後迄ボールを見つめてプレーして、執念深くボールを追え!ボールは思いがけなく止ったり滑ったりする。相手がミスすることも多いから、相手がボールを処理するに決まっている時でも、最後まで諦めないで追いすがり突っ込め!腰を低く膝を曲げてバランスよく基本に堅実に!

[チームの守備練習]
 攻撃練習の際に守備練習も行う。システム、マークとカバー、選手間の距離間隔、横や前後の連係、プレーのスピードアップ!先手必勝!ボールへのスタート、詰め寄り方、機敏なタックル。味方の不在や抜かれた場合、スペースへの対策などを75、78やいろんな紅白、攻撃守備、ミニゲームで練習する。目的は守備陣作り、反省、弱点の改良強化など。対外試合は同程度の相手から始めて強い相手に進む。
練習法83.(数的劣位での守備)最終ラインだけで、1人減らして、中盤選手をすくなくして。

練習法84.(逆襲防止)敵陣内で攻撃中にボールを奪われた設定で、フォワードはボールを持った敵のバックにロングパスを出せないように正面を塞いで食い止める。ボールを取り返したらシュートへ。フォワード側が多勢に無勢の1:2、2:3なども。

練習法71.(コーナーキック)第54回で既述。

練習法85.(フリーキック)キック地点がゴールから25m以内なら壁を作る。ゴールポストのすぐ内側へボールが跳ぶコースを空けないよう注意して作ること!
 ゴール正面中央から蹴る場合、壁でゴール全体を完全に隠すか、キーパーがキックを見る為に壁の中央に隙間を作る。前もって、誰が並ぶか、並び方を決めて練習しておく。
 攻撃側は2人キッカーが出て、1人が蹴るように見せて走り抜け、あとの選手が続いて蹴ることがある。右利きと左利き、ゴール右隅に蹴るのと左隅といった組み合わせが多い。
 味方が壁の隙間を塞いで、キックした瞬間、よけたり、壁の前で動いて惑わしたり、壁の外前方にパスして味方を走り込ませたりする手もある。キーパーがボールを弾いたりこぼしたり、ポストやバー、壁に当たって跳ね返ったり、混戦になったり、いろんなことが起こるので、集中して素早くボールに直行しなければならない。研究工夫が必要だ。

[キーパー]
 一般に行われているキーパーの練習以外のことをあげておく。動いているキーパーは弱いので、原則として、敵のシュート寸前に止って構えること!
練習法86.(ポジショニング)キーパーは、ゴールに対して様々な角度と距離の地点からのシュートを防ぐために、キック地点とゴール中央を結ぶ線上を素早く前進して、ボールがゴールインできるシュートコースの角度を狭めて、キックまでに止って身構える。
 ただし高いボールが来そうなら前進してはいけない。出過ぎたらバックする。
(練習)3人くらいが次々にペナルティエレアの内外のいろんな距離や角度の地点から、フリーキックだけでなくドリブルやラストパスからのシュートを行う。キーパーは左右の得手不得手やドリブル接近への対策などをプラスしてポジショニングを練習する。

練習法87.(ゴールに向かって独走してくる敵に対して)上記のようにシュートコースを塞いで前進して、敵の足元のボールにとびつく。手で取れなくても身体を横たえてボールを足かどこかに当てて防ぐ。でなければ、ある程度前進してキックまでに止って構えて防ぐ。普段から練習し検討して止る地点を決めておく。股間を抜かれるな!
(練習)a.攻撃側の選手が30m前からドリブル独走、キーパーは前進して防ぐ。ドリブルしながらボールを流し込むのと、しっかり踏み込んで蹴るシュートを使い分ける。
b.ドリブルでキーパーに近づき1:1でかわしてシュート(そういう約束で)。キーパーは抜かれないようシュートされないようにくい止める。
c. ゴールへ近くへいろんなボールを出して、攻撃側とキーパーが競り合う。

[ペナルティキック 攻撃側について]
 PKで得点できる能力のあるキッカーにとって一番大切なのは、時間をかけて冷静になって自分を信じて得点だけに集中することだろう。
 見ていると、落ち着きのない、急いでるようなキッカーは失敗する。ゆっくりボールを置いて、考えながら後退して気持ちを落ち着ける。ボールとゴールしか見てはいけない。(キーパーも目に入るがあまり気を取られない方がよい)。キーパーに狙いを読まれないように、何処へ蹴るかしっかり狙いを定めて、絶対入ると自分に言い聞かせてから助走を始める。絶対に急いではいけない!
 大体、ゴールポストの1m内側を狙う。左右の上の隅はベストだが、ボールを上げるとオーバーしやすいので低く蹴るのがよい!

練習法88.左に何本、右に何本と決める。試合でPKを蹴るときと同じ気持ちと段取りで狙い定めて蹴らないといけない。いつ蹴っても、狙いどおりにキーパーが取れない所へ少なくとも8割は蹴ることができるように!右側も左側も狙えること。
 ボールとゴールの狙い所を助走する時から間接視して蹴ることもできる(すすめはしないが)。とにかく自分流のPKを編み出して自信を持つこと!
☆ PK戦は前もって練習してキッカーと順番を決めておく方がいい。当然、成功率の高いPKの好きな選手で、嫌いなものは外す。度胸のある、少々鈍感なくらい心臓の強い方がよい。但し、その試合で好調であること。ミスしたり出来が悪いものも外す。

◎ 私は高二の時、10番をつけた左インナー(攻撃的中盤)で、西日本インターハイ準決勝で主将や上級生を差し置き、監督にPKを蹴れと言われた。だがボールはバーすれすれでオーバー。1:1の同点で終わり(当時はPK戦は無かった)、運良く抽選勝で決勝に進めたのでホッとした。(決勝で敗れたが、創部以来、最初で最後の準優勝を果たした)
 翌年は高三でセンターバック。インターハイ全国大会で主将のためPKを蹴ったが、またもやオーバー!今度は0:0の抽選負け。相手は格上の強豪浦和で、全員よく頑張ったから私さえPKを入れれば勝ったのに、皆に申し訳なくて合わす顔がなかった。
 キーパー練習なら難しい隅でも思う所へ蹴ることが出来るのに、試合のPKになると、ゴールが狭く見えて何処へ蹴っても止められそうな気がした。低く蹴れば良いのになぜ上げるように蹴ったのか?今でもあの場面を思い出す。19歳で思慮不足、未熟であった。PK失敗はトラウマになって一生残る。悔いのないようにベストをつくして欲しい!
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2011年10月21日

57 守備の戦い方(2)

[最終守備陣が前進している時の逆襲速攻に対する守り方]
 チームが敵陣内で攻撃持続中、こちらの最終守備陣はハーフラインの辺に前進していて、最終守備ラインの後方には味方ゴール前まで広いスペースがある。この状況で敵にボールを奪われると、相手にとって逆襲速攻の絶好のチャンスだから、素早く攻撃に移り一気にトップへロングパスを送るか、中盤にボールを送り2、3本パスをつないで、こちらの守備陣が帰って守りを固める迄にゴールを急襲しようとする。そこでこちらはそうさせないように即座に攻守を切替えて、次のように、全員が手分けして速攻を阻止して守備固めをしなければならない。
 1.ボールを奪われた瞬間から攻守を切替えて、ボールを取り返す。
 2.同時に、敵の速攻を食い止め前進を遅らせて、味方が帰陣する時間を稼ぐ。
 3.滴がゴールを襲う迄に味方が多数自陣に帰り守備を固め最終ラインを整える。


[選手の行動]
1.(攻守を切替え、ボールを取り返す)ボールを奪われた瞬間から、奪われた選手と近くの選手はすぐさま取り返しにかからねばならない。
(突破と危険なパスを阻止)同時にその際、ドリブル突破を阻止し、突破につながる危険なロングパスや縦パスを敵のトップや味方の最終ラインの後方に送らせないように、ボールを持つ敵の正面へ正面へと立ち塞がって食い止める。ボールを取れなければ前進を阻み横這いさせ、味方がボールを取れそうな方やタッチライン側へ追い詰める。
 フォワードも最前線の守備者になってボール奪取は無論のこと、粘り強く戦って速攻を食い止めねばならない。臨機応変に味方と連係しワンサイドカットから味方にパスを取らせるペアの守りや、パスコース限定を繰り返し追い込んで取るグループの守備も必要だ。フォワードが素早く守るとチームは随分助かるのでしっかり守備もしなければならない。

2.(速攻を妨げ遅らせて時間稼ぎ)そうして前方の味方がボール奪取にかかると同時に、その横や後方の中盤など他の選手は素早く近くのパスを受けそうな敵をマークして、ボールが敵に渡らないようにインターセプトやパスを受けるところをタックルし、味方をカバーしてこぼれ球などを拾う。もしパスが敵に渡ってしまったら、当然、前進を阻止、危険なパスを出させないようにしてボールを奪取するために戦う。
 そうして敵の速攻をスローダウンさせて、味方が帰陣して守りを固める時間を稼ぐ。早くボールを取り返して攻撃に転じたいけれども、まだ後方の守備陣が整ってないのに無理な挑戦をして抜かれて速攻されるような失敗を絶対にしてはいけない。

3.(帰陣、後方の守備固め)その間、他の選手、特に最終ラインの守備者は敵がシュート圏に着く前に帰って、ゴールを背に敵の前線の選手をマークしてしまわねばならない。
◎(必ず戦いながら後退!)と言っても、ただ速く走って帰るだけではいけない。敵味方の行動、所在を見てボールを状況に注意し、帰りながら危険な敵、近くの敵をマークしロングパス、スルーパスを警戒防止し、互いにカバーし合って、決して敵から離れすぎたり無抵抗で下がったりして敵を野放しにしたり、後退し過ぎてスペースを作ったりしてはならない。だがこの原則を忘れたり怠る選手が少なくない。知らない選手もあるようだ。
 後退を急がねばならないけれども、全員がボールと状況や動きなどを見ながら、次を読み予測し協力し合って危険なパスやドリブル、動きに備え、それを封じつつ戦いながら後退するのである。同時に、また次ぎ次ぎに気を配りつつ、起こりそうな幾つもの事を考え予想し読みながら判断して行動する事が必要なので、頭脳を使って感覚を鋭敏にして知恵を働かせて適切にプレーしないといけない。だから選手たちのプレーにそれぞれの感覚、智能の差が出る。利口で気が利く抜け目のない選手になって欲しい。

4.(最終守備陣完成)帰陣した味方は速攻して来た前線の敵と同数でマークするだけでなく数的優位にしたい。それには中盤の味方が最終守備陣に加勢して、適宜フォワードも下がって敵の中盤に当たらねばならない。そうして最終守備陣が完成したらゴールを守りボールを奪うために積極的に戦う。
◎以上の守備法は前線でボールを奪われた場合だけではない。中盤でボールを取られた時も守備の原則は同じで、中盤の選手は直ちにボールを取り返す為に戦い、攻撃を遅らせる。フォワードも引き返して守備に加わる。試合中、何処であろうと、敵にボールを奪われた時に、全員が直ちに機敏に攻守を切替えて行うべき基本的守備法なのである。


[最終守備ライン完成]
 敵の進攻を防ぎながら後退したら、敵をこれ以上侵入させてはならない最終ラインをペナルティラインの外側と決めて、ペナルティエレアに入れないように守る。選手たちがそうして攻撃を防ぎながら味方ゴールの方に戻ってくると、広がっていた味方の戦線は縮小しゴールを中心とする扇形、じょうご型の守備陣ができて、選手たちは隣との距離感覚を短縮し、前後に重ならないようにしてカバーし合って、敵が割り込めないように隙間を狭めて、スルーパスやシュートされたボールを通さないようにする。
 敵をゴールに近づけるな!シュートが難しい外側へ追い出せ!ゴール正面を厚く、ボールを持つ敵とゴールとの間に、キーパーの他に2人味方がいるように守れ!
 外側、タッチライン、ゴールライン沿いは守りが手薄になるので要注意である。


[敵の攻撃法を早く察知して対処!]
 前もって相手チームの情報が入っていると試合前に対策を立てられるが、わからない場合は試合が始まってからになる。既にわかっていても、実際に対戦すると違う事もあるので早くわかる方がいい。特に、敵がどうやって突破して得点しようと狙っているのか?大抵それが得意な戦法だから早くわかると守り易い。
◇ 快足の選手がいて縦パスやロングパスで走らせるとわかったら、当然、彼をマークし、味方をカバーして、彼とスペースにパスを出させないように守る。
◇ サイド攻撃ならウイングへのパスを出させない。相手が中へ切り込むのが得意なら外へ追い出して中へ入れない。中へ来ない縦にしか抜かない選手なら、正面を塞げばいい。止められなかった場合は、フィニッシュは直接シュートかラストパス(バックパス)からのシュート。センタリングなら受けてシュートだけでなく、折り返しや中継ぎ、こぼれ球プッシュ、混戦などがあり得ると想定し、何が起ころうと冷静機敏に防がねばならない。
◇ パスとドリブルでつないで来る場合、敵が走るのがスペース作りやおびき出し、注意をそらす囮だったり、裏狙いやパスのスルーもあるので、意外なプレーにも備えること。
◇ 点取りやなど有力選手に対して当然厳しくマークしカバーして、彼にパスが行かないように警戒する。リーダー的選手も自由にプレーさせないよう、ボールが渡らないようにしなければならない。彼らに絶えず注意をはらって見失ってはならない!


[チーム全体として]
 守備には安全秩序が必要なので、展開したチームの真ん中の縦軸になるトップ、中盤、最終ライン、それぞれの中央を空けてはいけない。空いたら誰かがすぐに埋めること。選手は攻守で目の前の敵や状況に対処するだけでなく、他の敵味方も見て、チームの為に自分がどうすべきか考えてプレーしなければならないのである。
◇ WMのようにスイーパー、リベロ無しの3バックシステムでは、1人しかいないセンターバックが味方をカバーする為に中央を空けることがあるが、外側や中盤の味方がそれを引き受けて彼を中央に留めるべきだ。4バックでセンターバック2人なら問題ない。
◇ 敵を味方の守備の弱い方へ行かせるな!例えば左のバックが弱いとそこを攻めさせないようにする。敵の強い方、例えば右の敵が強いとボールがそちらへ回らないように防ぐ。
◎攻撃にはチームそれぞれのやり方、リズム、スピード、慣れた連係、呼吸の合わせ方などがあるので、相手が強くても、守備で全員がしっかりマーク、カバーして忠実につきまとって根気よく妨害を続けると!相手の調子が狂って力を充分に出せなくなる事があるから、しつこく粘り強く戦い抜くことだ!決して諦めてはいけない!これはレベルの高いチームに対する重要な基本的守備法である。


[システム]
 ベルリン五輪前にオフサイドルールが変わり、最終ラインが2バックから3バックになりWMシステムができた。その後、攻撃力が強くなりスイーパーやリベロを置いたりして4バックが主力になったが、最近、再び3バックが使われている。但し3トップ対3バックのWMと違って、今のは最終ラインの中央を3バックが守って、空いているタッチラインに近い両端の前よりをサイドバック(ウイングバック)が守る。
 攻撃陣は3トップが少なく殆ど2トップで、フォワードはセンター、左右ウイング、どこでもできること!最終ラインや中盤の両端の選手は守備だけでなく、随時、上がってウイングをやる。従って、少年選手はオールラウンドプレーヤーを目標に、ミニゲームや紅白戦で前後左右、攻守のいろんなポジションを体験してこなせるようになって欲しい。


[少人数のミニゲームから次第に11:11へ!]
 いろんなシステムがあって、強いチームを作るために選手たちをそれぞれ適性や長所を生かして、チームの弱点や被害を最小限にするように配置する。マイナスの面から言うと、攻撃力はともかく、守備が弱いと困る。特に穴があると敗因になりやすい。味方がカバー出来るのは2つまでで、3つ以上は出来ない。当然、先ず守備を強化するので少年サッカーでも大人と同じ4バックが多い。
 だが初心者や小学生の場合はシステムもさることながら、それまでの育成法が問題で、従来のように普通の練習だけで実践力のない選手にいきなりシステムとポジションを与えて試合に出して、ポジショニングやプレーを教えて指令どおりにプレーさせるのはよくない。
◎ 小学生は自然な発育と、選手としての成長とチームの成長とが調和して助長し合うように、先ず1:1と3:3や4:4くらいのミニゲームから始めて、だんだんゲームの人数を増やしていって、全員がゲームに慣れて、オールラウンドの攻守と動きや位置の取り方など、経験と実践力をある程度身につけてから、11:11に移る。それでいけるようなら、指定したポジションでプレーするシステム・サッカーに入る、というのが自然な正しい育成法である。


[小学生はWMシステム!]
 システムとしては、小学生の場合、最終ラインはまだ3人で充分守れるので、子供の心身や能力に合うWMシステムがよい。初めから4バックにすると、チームは勝っても選手個人は楽だから力がつかない。1人で頑張り苦労してこそ力がつく!助け合いも覚える。バック同士の助け合いは無論のこと、全員守備でトップが前線で守り中盤が最終ラインを助け協力しあってこそチームワークだ。
 枚方FCではWMでチームとしての攻守の基本を身につけて将来への土台にして、折りを見てMM(3232)システムでツートップも経験させた。中学生になると、424、433、442システムをやって経験を積ませた。但し、最終ラインはスイーパーやリベロは無しで、互いにカバーし合うのである。
◎ (選手が自主的にシステム変更!)そして、試合中、状況や形勢変化から選手各自が判断して、必要なら最初に指示したシステムにこだわらないで、自主自発的にいつでも臨機応変に適切なシステムに変えて戦えるように育成していったところ、上手く出来るようになった。といっても、今度は3バックだ、4バックに変えろとやるのではない。幼い頃からの全員攻撃、全員守備などの経験から頭脳を働かせて必要に応じて適切に応援したり止めたりして結果的にそうなるわけである。でもよそのコーチはよく、いろんなシステムに見えるが、枚方のシステムは何ですか?と不思議そうに尋ねるので面白かった。


[キーパーはPKで山をかけてはいけない!]
 (キーパーの他のプレーや練習については次回にのべる。)PKに対して山をかけて防ぐキーパーが多い。例えば、キッカーが右に蹴ると山をかけて、蹴る瞬間、右に跳んで防ごうとする。
 これは、キッカーがゴールポストの内側すれすれに入るように快速球を蹴ると、キックしたのをキーパーが見てジャンプを始めるまで0.3秒かかるので、ボールは速いから蹴ったのを見てから跳んだのでは先にゴールインしてしまう。
 それでは絶対に間に合わないから、キーパーは左右どちらかに山をかけて、キックと同時か少し前に、ボールを見ないで跳ばないと防げない、という理論に基づいている。
 しかし実際は全キッカーがこの理論どおりに蹴るわけではない。外したり緩かったり、バーやポストに当てたりする。名手バッジョ(伊)やジーコでさえWカップで外した。
 それに以前、テレビでアルゼンチンの選手は、キーパーがどちらかに跳ぶのを見てから反対側に蹴ると言った。そうなると山をかけるキーパーは馬鹿だ。事実、南亜Wカップで日本のキーパーが完全に早く跳ぶのを見てから、パラグアイの選手は落ち着いて逆に蹴って日本が負けた。あれでは誰でも得点できる。彼は流石に反省したのか、アジア大会では山をかけなかったので大成功!韓国のキーパーは山をかけて失敗した。
 その為にキッカーは、このキーパーは横に跳ぶと読んで真ん中に蹴ることさえある。だが、これはキーパーが山さえかけてなければ防げる。つまり、普通に守れば、PKで真ん中に蹴るのは蹴り損ないと読み違いでキッカーのミスなのである。だからキーパーが山をかけてわざわざ蹴る前に横に跳んでそんな得点をプレゼントしてはいけない。
◎ 以上の理由から私は少年キーパーに、「PKは真ん中だけ止めろ!山をかけるな!」と言ってきた。どちらに蹴るか読めた場合でも、跳ぶのが早すぎてはいけない!気持ちで負けるな!絶対止めるぞ!と気迫充分に集中してボールを見つめ、蹴られたボール目がけてベストを尽くして防いでこそ、よしんば阻止できなくても味方は納得する。
 コーチはキーパーがPKで山をかける事を禁止すべきである。
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2011年09月25日

守備の戦い方(1)

[守備は攻撃展開のための土台だ。4失点しても5得点して勝つというのは無理で、失点1以下で抑える堅実な守備あればこそ大胆に攻撃できる。クラマー]
 一般に攻撃は相手が相当劣る場合以外は、突破やシュートは失敗が多くても当たり前というか、大目に見るようなところがあり、得点など10回狙って1回でも2回でも成功すれば良しとされたりする。
 だが守備はどんなプレーでも10回すべて成功して当然で、特に、たとえ僅かでも失点の恐れがある場合は1回でも失敗してはいけない。攻撃と正反対で、守備は絶対に負けてはいけない減点法の厳しい世界である。

 (1)現代サッカーは攻守の切替えが早い。守から攻へ切替えが早いほどよい理由は攻め込まれて守っていたチームが、攻撃中の敵からボールを奪ってすぐさま攻めれば、敵はまだ守りを固めてないので容易に進攻できるからだ。
従って、攻撃中にボールを奪われたチームの方は、ぐずぐずしていると攻め込まれ、ピンチになるからそうならないように、ボールを奪われた瞬間から即座に攻守を切替え素早く守備を開始して後方の守備も固めなければならないわけである。
 (2)現代サッカーでは全選手が攻撃と守備を行う。こうして敵も攻守の切替えが早いので、ボールを奪われた瞬間からフォワードも守り、マイボールになった瞬間からバックも攻めなければならない。従って現代の選手は攻守両方でとっさに適切に対応して上手くプレーできないといけないのである。無論攻守の戦術知識も必要だ。
 (3)失点を防ぐ為に(ゴールの近くほど)安全第一主義に徹して守れ!万一に備えよ!
 (4)守備のプレーには順序がある。敵の攻撃の中で最も危険なものから防いでいけ!一番危険な敵の選手から先にマークして、危険な所やコースを塞げ!
 (5)ボールを持つ敵に必ず圧力をかけ身体を寄せ妨害して自由にプレーさせるな!阻止できなくてプレーされる場合でも、諦めてはいけない。何とかして失敗させろ!
 (6)守備には組織的安定秩序と選手の責任感、助け合いが大切だ!数的優位を作ろう!


[守備の巧妙なポジショニング(位置どり)は攻撃を未然に制限防止する!] 
 選手は以上の基本を守って、システムでの配置と役目をもとに、担当する敵や近くの敵をマークし、前や隣の味方をカバーして、敵のプレーとボールの動き、次に起こりそうな変化を予想し意図を読んで、先手を打ち早めに適切に位置を変えて対処しなければならない。
これはミニゲームでも同じで、基本だから必ず身につけること!
◇ 自分の担当だけでなく守備陣全体の事も考えて、マンツーマン・ディフェンスとゾーン・ディフェンスを併用する!味方と手分けして、敵の選手をマークの三原則どおりにマークして、危険な地域と中央を守り、スペースを塞いで無くせ!
◇ フリーな敵を無くすにはマークに相手と同数の味方が要る。数的劣位は一刻も早く無くして、危険な状況や地域を応援して数的優位で守れ!1:1を2:1にしよう!
◇ 敵を前進させないように浅い守備ラインが流行だが、最終守備ラインの選手たちが横一線になるのはオフサイド・トラップを狙う場合だけで、それ以外は原則として、ボールから遠い側の選手が後退してバランスをとってカバーする。
カバーなしで横一線で行くのなら、敵に裏や背後を突かれないか警戒して、そうなったらどうするか、最終ラインの選手とキーパーは対策、行動を考えて決めておくこと!

[場所や戦況に応じて守り方を変えよう] 
 チームとしての基本的守り方は次回に述べるが、試合の様相は守備の仕方でかなり変わるので、試合中は地域、形勢、状況、チームの状態などに応じて守り方を早めにかえていかねばならない。例えば次のような事だ。
◇ 自分がプレーする場所が、敵陣内か、中盤か、自陣内か、味方のゴール前か?
◇ これから戦おうとしている相手が完全にボールコントロールしているか、否か?
◇ 敵味方の状態、優勢劣勢、後方の守りが少ないか、大勢か、逆サイドはどうか?
◇ 敵の戦法、出方、速いか、強引か、ボールを上げてくるか、ゆさぶってくるか、縦を突いてくるか、裏狙いか?敵のどの選手が強いか、弱いか?

[シュート圏での1:1]
 シュート射程内の敵は全員がボールに触れたらシュートすると想定して、フリーにしてはいけない。必ずマンツーマンでマークしつきまとって身体を寄せ利き足で蹴らせるな!
 1:1で敵は横に50センチずれたらシュート出来る。相手がどう動いても置き去りにされないよう素早く追いつき、正面へ正面へと立ち塞がってシュートコースを消しゴールを身体で隠せ!味方と協力して数的優位で守備ラインの隙間を無くせ!
◇ シュートさせるな!されるなら失敗させろ!敵が外すか、キーパーが防ぐかだ。
◇ 後方から上がってくる敵、不意に味方の裏へ走り込んでくる敵を見逃すな!フリーで進んできた敵に横や斜めから向かう場合は、シュートコースへの最短距離を走って先ずコースを塞いでから、間合いを詰めて1:1に移れ!外へ不利な方へ追い出せ!
◇ 敵を追いかける時は、内側から外へ追い出すようにして追いかける。追いついたらショルダーチャージして前内側からゴール側、正面に回れ!外側から追うのは間違いだ。
◇ ワンサイトカットして、キーパーにボールが飛ぶコースを知らせたら、シュートさせないように食い止める!ボールが自分に当たってゴールに当たることがあるので注意!
◇ 敵が今にもシュートしそうでタックルが間に合うかどうかという時、距離がある場合は遠くから一気に足元に飛び込まないで、シュートコースに最短距離で入り身体でボールを止める!
◇ シュート地点から離れた所にいる選手は、どうしてもシュートされる場合は自分にできる事を考えて、直接ゴールを守る以外に、こぼれ球や跳ね返りなど、起こりそうなケース、万一に備えてよい位置をとって冷静機敏に行動しなければならない。競り合ったら敵よりも早くボールタッチしてクリヤせよ!必ずゴールを背にしてプレーし、味方のゴールに向かってプレーしてはいけない!


[シュート圏以外での1:1]
 敵がシュートする時は、何処であろうと、たとえハーフラインからでも阻止しなければならない。それ以外は、次のように、相手のボールコントロールの状態でプレーの仕方を変える。
◇ マークしながら次の事態を予測して位置をとり、敵がパスを受けようとする場合はパスをインターセプトするのがベストだ。それができなければ、相手がボールをトラップする所を襲う。それも無理なら、まだ受けたボールを充分にコントロールしきらないか、向き直ったりするところを妨害してタックルする。相手がダイレクトパスする場合は、ボールを奪うか、パスさせないか、失敗させる。
◇ 敵が完全にボールコントロールしてしまったら、安易にタックルするとかわされるので、先ず最も危険なプレー(シュート、ドリブル突破、ゴールへ直行、決定的パス)をさせないようにゴールへのコースを遮断して、素早く間合いを詰めておどかしてミスを誘い、隙をみてタックルする。粘って外側へ追い出せ!
◇ 当然、その前に敵味方の所在、動きなどを見ておいて、突破やシュートにつながる危険なパスを出させてはならない。特に敵の強力な選手へ送らせてはいけない。また味方の弱い方へ行かせないように戦うこと。
◇ 相手のやりそうなプレーを計算に入れてかかること。例えば、こちらがタックルしようと飛び込む瞬間、敵が大きくトラップしたり、足元のボールを蹴ってダッシュして置き去りにする、フェイントでかわす、パスのスルーなど。相手の得意技を封じろ!
◇ 弱気では負けるから、気持ちで負けるな!強気で絶対抜かせないぞ!ボールを取ってやる、失敗させるぞ!という気迫で、戦いの主導権を握れ!諦めないで粘り強く戦え!どこまでもしつこく追いかけろ!


[プレス]
 相手をマークし圧力をかけるのは、自由にプレーさせない、向き直らせない、行きたい方へ行かせないようにする為で、プレスに続いてタックルする。
 何処であろうと相手がシュートしようとしていたら、シュートさせないように食い下がってシュートの動作をさせないだけでなく、キックに必要な場所、広さ、時間を与えないように接触妨害する!無論、ボールがゴールへ飛ぶコースは消すか、与えない。
 ゴール近くの反則でフリーキック、ペナルティーキックを与えないように注意!足が少しひっかかっただけでも、相手が倒れると反則をとられやすい。


[タックル]
 1:1で敵が最初に仕掛けるのはフェイントが多い。こちらもいろんな手を使うべきだ。例えば、急接近しておどかす、タックルするようなフェイントでミスさせる。そうして仕掛けて、敵が逆へ避けて出るところをタックルする。敵のフェイントにかかった振りをしたり、わざと左右どちらかに隙を作って、相手が占めたと思って出てくるところを襲う。
 上手くいかなくても、あっさり逃してはいけない。タックルして成功しなかったら1回で終わらないで、2発目、3発目と矢継ぎ早にしつこくタックルする!
◇ タックルする時は、素早く間合いを詰めて、相手に身体を寄せ腰を低く、タックルする足に体重をかける。ボールをはさんで押し合いになった時、相手に押させてこちらが引くと、上手くボールを奪えることがある。
♯タックルする足に体重をかけないで軽くやると、膝をひどく痛めるので注意!
♯よく目にするが、前進を急いでタックルして上体が前のめりになると負ける。
◇ いわゆる懐の深い相手には接近して身体を寄せて深いタックルをする。スライディング・タックルは必ず為留めること!失敗すると置き去りにされるので無闇にするな!
◇ 相手に隙がない場合、性急にタックルするとかわされる。しつこく付きまとって余分なドリブルやパスをさせたり、相手を困らせてミスさせたりして、隙ができたらタックルする。
 一発必中が理想で、凄まじいタックルが人気で褒められる。だが、ボールを取るか、失敗したら完全に置いて行かれるか、勝つか完敗か、どちらかだというタックルはよくない。
 守備は状況や場所にもよるが、失敗した時のことも考慮して完敗しないように、チームがピンチにならないように戦うべきだ。少々かわされたり逃げられたりしてボールを取れなくても、抜かれない、前進させない、敵に良いプレーをさせない事も大切である。
◇ 周りや後ろに味方がいるかどうか見ておいて、敵を襲ってこぼれ球を味方に拾わせたり、追いこんでパスコースを限定して、味方にカットやタックルさせるとよい。臨機応変に味方と呼吸を合わせてペアの守備をするのである。
◇ 1:1に加勢して2:1にしたり囲んだり、次々に追い込んでパスコースを限定し絞っていってボールを奪うか、ミスさせるグループ的守備も面白い。それには周りや次の味方がそのつもりで用意して合わせないとできない。
♯但し、2、3人で囲む場合は、失敗すると一度に皆抜かれて置いて行かれて、ほかが手薄になるので、必ず勝たないといけない。


[マークの三原則]
(1) マークする選手は、その敵の選手とゴール中央を結ぶ線上で味方のゴール側から
(2) ボールと敵を同時に見て、
(3) 敵がボールを受ける時にタックルできる距離の地点でマークしなければならない。
その際、次のような状況などに応じた適切な対応が必要である。
◇ 接近してマークしていて、ロビングやハイクロスでボールが自分の頭上を越えるとピンチになるので、そういうボールが来そうならオーバーされないように後退して構える。
◇ 足の速い、スタートの素早い敵に対しては、味方ゴール側にパスが出てボールを追いかける競走になった時に負けないよう充分に距離をとってマークする。いわゆる出足、機敏なスタートが必要だ。
◇ 後方から上がってくる敵をいち早く発見して、マークして食い止めねばならない。その時、守備陣が混乱したりフリーな敵ができないように次々にマークをずらせて対応する。


[オフサイド・トラップ]
 危険がなければ、先ず浅いか横一線の最終守備ラインを保って、後方の敵が前方へボールを蹴ろうとして助走しかけた時に、最終ラインの選手が、一斉にダッシュ、前進して、敵のトップを追い越してオフサイド・トラップをかける。
 だが、最終ラインの1人が遅れたり、敵がトラップに慣れていてかからなかったり、僅かにタイミングと位置がずれたりして、いわゆるオフサイド崩れで危機に陥ることもある。
 敵のトップが囮になり守備陣を引きつけておいて、より後方の敵がパスやドリブルで突進しトップを追い越して突破することもあるのでよく注意すること!
 ♯敵がトラップにかからないとか、成功するかどうか疑わしい場合は中止する!
 ♯ペナルティ・エレアでオフサイド・トラップをかけるのは危険なので禁止!
(練習)攻撃陣vs守備陣で打ち合わせて考えながら、トラップの掛け方、破り方などいろんなケースを練習しておく。
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2011年07月31日

55 攻撃とポジショニング

55 攻撃とポジショニング
 試合中、選手が直接ボールに触れてプレーする延べ時間は1人当たり平均すると僅かであとの長時間は攻守の位置どりや様々な動きに専念する。そうしたボールなしのプレーを選手たちが連係し合って各自絶えず適切に続けるからこそ、必要な時に必要な選手がボールをプレーできるわけで、この早めの対策、準備行動がないと十分な攻守はできない。

[ポジション]
 選手のポジションには二通りある。一つはチームのシステムで決められたポジション、配置と役目で、選手はその領域でやるべき仕事を担当し役割を果たす。味方の選手の空いたポジションを埋めたり、引き継いで移動した場合は、仕事が一段落したら、移動しても危険のない時に本来の配置に戻る 先ず前の選手が後ろに戻ってから、後ろの選手が前に戻る。理想は攻守にわたっていろんなポジションをこなせるオールラウンドプレヤーで、ウイングやバックは中央と左右どちらもできないといけない。
 もう一つは自分の判断や意図でとる位置の事で、ボールと状況、敵味方のプレー、動き、狙いなどに応じて自分が次にやるプレーが成功するように、起こるだろう変化に対して必要なプレーができるように位置をとり(ポジショニング)、絶えず修正する。
 でもそこでずっとフリーでいられるといいのだが、早くからそこにいると大抵的にマークされるので、マークを避けるのと、スピードに乗ってボールをプレーする為に、その手前あたりにいて、ボールが来るかパスを貰う時に(マークを外して)そこへ動くことが多い。
 ただし、壁パスの壁や進攻の起点としてポストになる場合は、味方の目標になる為に最初からか、少し前からその位置で、マークされながらでも頑張ってプレーする事がある。

[攻撃での位置どり、ポジショニングとボールなしの動き]
 通常、チームの攻撃陣形は横が左右タッチライン一杯に広がり前後を圧縮したような陣形がよいとされている。敵の守備陣も広がらざるを得ないので攻め易くなるからだ。基本や原則をあげておく。
1. ボールを持つ選手を孤立させないように、味方の選手はサポート、フォローする。
2. トップと2列目、中盤との間、中盤と最終ラインとの間があき過ぎると攻撃が続かないので、より後方の選手は前の味方との距離を適度に保って、前の味方が進攻するときは必ず押し上げて数的優位を作る。チームの厚みを圧縮すると攻撃し易くなり威力が増す。ボールを取られた時に攻守の切り替えが早いので守備にも都合がよい。
3. ずっと中央ばかり攻め続けると攻めにくくなるので、横に広く展開して敵の守備陣を広げ散らしておいて中央を突くか、タッチライン沿いから中に切れ込んだりセンタリングする。中央を攻めて守備陣を中に集まらせておいてサイド攻撃をかけるのもよい。要は目の前だけでなく広く状況を見て考え工夫して、いろんな手で敵の守備陣を崩し弱点を作って突破してシュートすることだ。
4. 原則として、パスを連続できるように選手は絶えず味方と三角形を作り、敵から離れて、味方と重ならず横に並ばず互いに前後して凹凸ラインを作るように動き位置をとる。
5. 攻撃での動きにはサポート、フォローやパス受けの動き以外に、パスを受けるかのように走ったり、シュートするように見せたりして敵を牽制しだますフェイントや囮(おとり)の動き、動いて敵を引っ張って行って、その後を味方に利用させるスペース作りなどがある。傍観してないで機転を利かせ知恵を働かせて敵を困らせ攻撃を助けるのだ。

[攻撃での心得]
 少年時代に心得ておくべき試合での常識、原則を列記しておく。
1. マイボールを大切にして敵にとられるな!取られなければ敵の攻撃はない。
2. 味方に不利な事は絶対するな!たとえ少しでも敵を困らせ不利にして、味方が有利になるようにプレーせよ!
3. いい所にいるフリーな味方を見逃さず、素早くパスして上手く活用せよ!
4. 敵の弱点を早く見つけて、そこを攻めろ!苦手なプレーや困らせ苦しめるプレー、ドリブルやパスがわかれば、それで叩け!(例えば、下手な選手、ヘディングが弱い)
5. 敵の強い守備者、守り方を早く感知して対策を立てよ!当たりが速く強い相手にはボールを持たないで、遠目で早めにパスを使う。判断、プレー全て機敏に!強い敵を避けて、そちらへボールが行かないように注意する!
6. ボールを奪われたらすぐ取り返しにかかり、攻守を切り替えて早く食い止め進攻を遅らせろ!サポート、フォローと、取られたら取り返す これは選手の義務である。
7. 敵に攻め込まれて守勢が続くと、敵の最終ラインはハーフラインの辺まで前進し敵ゴール前にかけて広いスペースがあるので、ボールを奪ったら一気に逆襲速攻をかけろ!
8. 相手が浅い最終ラインでオフサイドトラップを狙っていたら、味方のトップは後退しておいてからスタートする。トップが敵のバックを引きつけておいて、第二線や中盤の選手が飛び出してトップを追い越すと良い。後方からのパスはゆる目のロビングで敵の頭上を越えるボールを蹴ると攻めやすい。
9. バックがオーバーラップする場合、失敗すると守備に穴があくので、一気に上がりきらないで半分くらい、途中まで上がって観察して、成功すると判断したら決行する。

[最終守備陣への攻撃]
 最終ラインの突破、得点にはそれ迄と攻撃の仕方を変える。
1. 速攻できなくてパス回しとドリブルで前進する場合、ゆっくりだと相手が帰陣して守りを固めてしまうので、あまり時間をかけないで早くハーフラインを越える方がよい。
2. ハーフラインの辺から、全員が必ず最終守備陣の突破、得点とチャンス作りを念頭においてプレーし、敵陣に隙や穴、綻びができたりミスが出たらすかさず突け!チャンスは瞬時に消えるから、いい所に味方がいたら発見した瞬間にパスしないと駄目だ。
3. 敵陣に弱点がなければ、いつ迄も安全なパスを回してないで、積極的に攻撃をしかけて突破しシュートチャンスを作り出さねばならない。守備には秩序安定が大切だから単調な整然とした攻撃では守備陣は崩れず破れない。アイディア、意外性が必要だ。
 守備陣をかき回したり、突いて穴をあけたり、騙して不意に襲ったりする為に、プレー、速さ、リズム、動き、コース、全てに変化、緩急をつけて、ここというところで機敏に速く鋭く攻める。
 縦の突進から横パス、横に動いて縦パスやシュートは有効だ。ボールをよく動かして敵の裏を、逆を突く、ゆさぶり、スルー、斜め、クロスの動きとパス、オーバーラップなど、積極的に思い切って自由奔放にプレーしよう!創意工夫、機智、機敏で優れた個人技がものを言う。無謀は駄目だが、失敗を恐れず挑戦し冒険せよ!
4. 味方がドリブル突破する時には、必ずフォローしラストパス・シュートを狙え!ドリブルする選手は先ず自分でシュート得点!無理ならラストパス!のつもりでかかれ!
5. 敵ゴールを包囲する場合、外側から狙う選手がいない事が多いので注意!
6. つまり過ぎたら一旦後退して、ゴール前に集結した敵を分散させ引き出せ!
7. センタリング、こぼれ球、跳ね返り、キーパーミスから得点するには、ボールがどこへ出るか予測、読み。勘で良い位置をとれ!シュートしたら、必ずゴール前に詰めろ!

[シュート]
 ボールが来てから、初めて、チャンスだからシュートしようか、と思うのでは得点は無理だ。幸運か弱敵以外は、大分前から、絶対得点してやるぞ、と心構えをして、鵜の目鷹の目でチャンスを求め、しかも冷静にプレーしないと得点できないものだ。
 シュートは必ずゴールを見てキーパーが捕れない所を狙って、足を合わせてボールの真横に踏み込んで蹴る!素早く大きく踏み込むと大きくバックスイングできる。腰の回転をきかせるといい。自分流のシュート、狙い方、場所などを研究してものにすること!
◇ ドリブルシュートでシュートに移る時、ドリブルの最後のボールタッチはそっとふれるだけで蹴りやすい所に転がす。勢いよく転がっていたらボールよりも前に踏み込め!
◇ キックの動作に入り踏み込んでからゴールを見たのでは修正が難しい、少し前にゴールを見ておいて直前にも見てから踏み込む、つまり2回見てシュートすると得点しやすい。
◇ キーパーを見てそのまま蹴るとボールがキーパーに行く。そうとわかっていても、つい蹴ってしまうので、キーパーを見たら必ずキーパーの横に蹴る癖をつけること!
◇ だからあまりキーパーを見ないようにして、初めからゴールポストのすぐ内側、サイドネットか、ポストとキーパーの間、隙間を見て狙うとよい。
◇ 絶対上げないように押さえること。もう大丈夫、入ると安心して蹴るとオーバーする。特にボレーキックはボールが落ちきらないうちに急いで蹴って上げてしまう事が多いので、できるだけ低い所で上体を水平に近く傾けて横なぐりにけるとよい。
♯全速力でドリブルしたままシュートするとボールは真っすぐにしか飛ばない。違う方向に蹴るにはボールの転がる速さを落とし、走るスピードを落として蹴らねばならない。

[振り向きざまシュート]
 敵ゴールに背面し後方からボールを貰って素早く振り向き様シュートをする場合、その前にゴールの位置、方向と自分の位置を知っておく。
 ゴールを見ないで蹴る事が多いが、見なくてよいと思ってはいけない。やはり極力ゴールの一部でも視野の隅でいいから見て、一瞬狙って蹴る事を原則にしないといけない。
 というのは、通常、背後からマークされていて蹴る時にタックルされる事が多いが、たまにフリーなことがあって、そうとわかっていたら誰でも向き直ってしっかり狙うのだが、フリーと気づかず、マークされていると思い込んで大急ぎでゴールを見ないで蹴って外す選手がいるからである。観客からはバカに見えるが、日本代表にもそんな失敗があった。

[最後に得点するのは個人だ!]
 私は味方がシュートした時、キーパーの前を横切って視野を遮って失敗させ、ハイクロスでキーパーと普通に競り合うと負けるので、キーパーがジャンプするだろう位置に先に入ってジャンプして、キーパーに不利なジャンプをさせてミスを誘い、両方とも得点になった事がある。そんな手もあるので工夫することだ。
 組織で攻めても、結局、得点場面でプレーするのは個人だ!シュートする時、失敗はいっさい考えるな!冷静に執念深く得点することだけを狙え!
 あのなでしこ優勝もドイツ戦の丸山、決勝の宮間と澤の素晴らしいシュートのお陰だ。1人でも失敗したら優勝はなかった。なかなか得点できない時に誰かがチャンスに食い下がってシュート、得点する。個人が勝敗を決める。個人力はチーム力なのである。

[練習法]
 58と重複するが、62の逆三角形と違って普通の三角形で壁パス、ワンツーなどからシュート得点する。
72(A)Bが頂点の三角ABCでパス回し。AやCがBと壁パスからシュート。
72(B)AがBと壁パスして前進するが、BはCにパスしてシュートさせる。Aは囮。
72(C)パス回しからAは斜めにBの裏へ、BはCにパス、AはCからのパスでシュート。
72(D)BはAにパス、Aの前に走って、そのあとに作ったスペースへCが動いてパスを受けてシュート。
72(E)ミニゲームで以上を使って得点。

73(A)3人目の動き、20m以上前方のABCに後方からパス。ABCはパスをかわしてシュートしそうにみせて、後方からDが前方へ走りパスを受けてシュート。
73(B)それを使った得点だけ認めてミニゲーム。

[なでしこWカップ優勝!]
 感動した!アメリカと決勝戦になり、0勝3分21敗、体格体力差、その上、女性サッカー人口が米国150万、日本3万と聞いて吃驚した。当然の2点差にも拘らず追いついたのは、全員が勝利を目指して粘り強く頑張り抜いて必死で防戦、集中して知的にベストをつくしてチャンスをつくり、それを仕上げる宮間と澤が見事なシュートで得点したからである。
 宮間は斜め右に向かい、左右が敵で大抵正面のキーパーに蹴るものだが、構えるキーパーの逆へ左足を伸ばしてアウトで切り返すように完璧なシュートで得点!
 澤は左コーナーキックで打ち合わせどおりニアへ走りジャンプ、後ろからマークされながらゴールに背面したまま右アウトでボールを斜め後ろへ流し気味にシュート!ボールはゴールネットを切り裂く稲妻のようにゴールイン!観衆をアッ!と言わせた。歴史に残るものすごいシュートであった。(普通の振り向きざまシュートでは得点できなかったと思う)
 2人とも上手さだけでなく冷静沈着、破格のシュートを決行した一瞬の判断、アイディアが素晴らしい。私は日本人独特のデリカシー、センスがものをいったと感じた。
◎ なでしこジャパンは、かねがね私が主張してきたように、監督が選手と対等で上からでなく横からコーチして、意を体した選手たちは自立自発、それぞれ自由に自ら考え工夫し協力して試合を進めベストをつくして戦って、日本の少年サッカーにかくあるべしと進むべき道を明示してくれた。
 余談だが、16歳まで神戸で病弱なサッカー少年だった私は、メンバーの多くが往年のサッカーどころ、神戸のクラブ所属である事も嬉しかった。もう一つ、後で気がついたおまけがあった。すっかり忘れていたが、私の近江家の家紋は、なでしこだったのである。
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2011年07月22日

パスのパターン活用(3)

54 パスのパターン活用(3)
[プレーのコツは自ら体得するしかない!]
 サッカーは理屈は簡単でシンプルなプレーが良いとされている。もっとも、熟練するといろいろわかってきておのずとシンプルにプレーするようになるもので、下手な選手が教わり指示されてやるシンプルとは違う。
 以前、賀川浩さんが日本でコーチしていたクラマーさんに、「パスのコツをどうやっておしえるのか?」、と尋ねると、彼は、「それは教える、教わるといったものではない。選手が自分で体得するしかない」、と答えた。
 辞書に、コツとは要領、呼吸、かんどころ、急所とある。ピンからキリまであって、誰でもいずれわかるような事でなく、微妙な急所、極意となると説明しにくい。未熟な選手がよしんば教わって理解し納得して覚えたところで、それは所詮知識に過ぎない。
 結局、そういう事を知っていても知らなくても、とにかく向上心や関心をもって試合や練習で自分でいろいろ試み努力して経験を積んで身体とサッカー頭脳で会得するしかない。そうして身につけたものでないと活用できない、応用がきかないというのである。

[方向は決めるが方法は任せる。自覚、自発、自立、自得の方が身につく。創造性の世界は本音の世界だ。山内昭夫]
 そう言えば、大学で私に文句ばかり言っていた神戸一中出の名選手だった監督が珍しく、どうだ、大分わかってきたか?と言った事があった。
 これ迄、プレーなどの要領、コツといったものを会得するのにどうしてきたのかというと、私は名人上手ではないので明言ができないが、旧制神戸一中の選手たちのように自分たちで研究して身につけたのは例外で、普通は連日練習を続けて試合経験を積んでいくうちに然るべきレベルに達して、資質才能があれば次第にわかってくるか、突如こういう事かと気づいて開眼したのだろう。
 もっとも実際はコツなど知らなくても十分プレーできるし上手にもなれるけれども、会得するに越した事はない。だが教える事ができないので選手自身が自主自発自得するしかないとなると、これは発見、発明ほどではないにしても一種の創造性活動だから、指導者ができるのは選手たちが自分で体得し易いようにしてやる事しかない。
 そこで創造性活動に必要な自由に創意工夫、試行錯誤、体験ができる環境、場所、機会を充分に与える為に、ゲームや実戦的練習を数多くやって、選手たちに、見ろ、感じとれ、どうしたら上手くいくか考えろ、と言って、自由に創意工夫させてそれを習慣づける。
 指導は、上から教授や命令するのではなくて、横から適切な方向づけ、優れたヒントを良いタイミングでアドバイスして助けるのがよい。理屈は後でいい。頭のいい選手に育てるには頭脳を働かせる習慣をつけることだ!
◎ 以前は走るのと基本練習とチームの攻撃パターンの調教的反復ばかりで、試合に不可欠な智能や戦術力、スキルの必要性をわかってなくて、走力、運動量とプレーや突進の速さで勝とうとしていたから、1971年に来日したペレは静岡で、(私も見ていたが)、日本のトップレベルの走りに走るユースチームの試合を見て陸上競技だ、と言った。


[マーク外し]
 パスを受ける場合、受け手は、味方がどこへパスを出すか予想して、または、自分から、こういうプレーをしてやろう、あの辺でボールを受けようと場所を決めてタイミングよく位置をとるか、そこへ動く。当然、敵の位置や妨害を計算に入れる。
 例えばフリーで前を向いて受ける為に、気づかれないように敵の視野から消えて、敵から離れフリーになり、どこで、または、そこからスタートしてパスを受けようと狙う。
 敵にマークされたらマークを外してパスを受ける為に、どこで受けるか決めて、いったん逆に動いたり(右で受けたいなら、左へ、前方で受けたいなら一旦後退、内側で受けたいなら外へ開く、敵の背後で受けたいなら敵の前に動く)、予定地から敵を引き離すように動いて敵をひきつけておいたりして、或は違う所に何気なく立って油断させたり、こっそり敵の背後に入り込んだりして、味方がパスできる時に目的の地点、方向へスタートしてマークを外してボールを受ける。敵が離れないので振り切る為に動き回ることもある。

 68(A) 3人組んで、受け手Aとマークする敵Xが向かい合う。パスは斜め前のBが出す。AがBにボールを送って開始。Aは上記のような行動でマークを外してパスを受けてシュートする。Xは軽くマークしてAの練習台になってやる。上手くなったらマークを厳しく。
 68(B) Aは敵ゴールに背を向けてXは背後からマーク。パスはBが斜め前や後ろから出す。Aはマークを外しパスを受けてシュート。以上は2:1だが、3:2にしてもよい。
 68(C) タッチライン沿いで、ウイングAをXが軽く接近マーク。ボール無しでAは前後左右いろんな方向の動きや、停止と急発進など速度の変化で逆をとりマークを外して走る。Xは振り切られないようにどこまでもマークする。先ずボール無しで練習してから、内側の前か後ろにボールを持つBがついて、マークを外して走るAにパス。
 42、43でバックが接近マーク。53やパスゲームでもマークを外してパスを受ける練習。

[センタリング]
 ウイングが試合でとるいろんなコースを練習。
69(A) タッチライン沿いにドリブル、ゴールライン手前でセンタリング。受け手は2、3人でシュート。ゴロも送るが、主にボールを上げる。高いとキーパーに捕られるので低めのライナー気味の方がよい。目標は味方の選手、または味方が走り込める地域。ゴールエレアの角から同じサイドのペナルティーエレアの角にかけてが多い。
69(B) タッチライン沿いにドリブル、ハーフラインから20mくらい進んで、ゴールへ突進する味方にゴロかライナーでパス。
69(C) タッチライン沿いから方向を変えゴールへ向かってドリブル、ペナルティー・ラインの角に切り込みシュートするかパス。
69(D) タッチライン沿いからゴールライン沿いに侵入、ペナルティー・エレアで速いゴロか低いライナーを、ゴールに向かう味方へ送る。キーパーの前を横切るボールが通ればベスト。またはもっと後方の味方(ニアポストなどの)にいわゆるマイナスのパスを送る。
 以上を精度をあげるように練習、あとで軽く妨害するバックを入れる。

[受け手の位置どり]
1. センタリングを受け手シュートする場合、飛んで来るボールのコース、高さ、落下地点を予測して、シュートする地点ではなくて、その手前で、その地点に少し膨らんだコースをとって走り込める位置をとる。なるべく、目の前を一瞬横切るボールをたたくのでなく、ボールのコースに入って迎えるようにする。
2. 受け手が2人なら、ニアとファー(ゴール手前と遠い側)にわかれて狙う。
3. 1人が既にそうした場合、あとから来た選手はその次に飛んで来る可能性の大きい地点やボールの飛び過ぎ、逆に飛ばなかった場合などに備えてわかれて位置をとる。
 待ち受けるのが数人なら、暗黙の了解で、同じ所に集まらないようお互いの位置や動きを見て、どこへボールが来ても誰かがシュートできるように手分けして位置をとるわけだ。
だが近頃、皆ゴール近くに集まってしまって、誰も遠い外側にいない為に、シュートなしでボールが飛び越えていってしまう事が多いので注意!
◎ 昔はセンタリングの詰めにうるさかった。逆サイドのウイングは受けて直接シュートするか、キーパーがはじいたのを押し込む為に、毎回忠実に走りこんで、ボールに触れる事ができずに終わっても、必ずゴールポストにさわってから帰って来たものだ。
 大学時代、私はキーパー以外のポジションが少しできたので、新入生なのにたまたま専門の選手がなかった苦手な左ウイングをやらされた。お陰で、戦後復活第一回の東大京大定期戦で右からセンタリングされたボールを左ポスト横に蹴り込むと見せて、右インサイドで右ポスト内側にシュート、ポストに当たって両軍通じての歴史的初得点をあげる事ができた。後半、足を踏まれて動けなくなったが、元気なら右のバックを抜けたからもう1点取れたかもしれない。(試合は終了間際、押し込まれて1:1の引き分け)
4. ゴロでセンタリングされた場合、遠い逆サイド(ファーポスト側)の選手はボールは敵の選手の間を通って来ると見当をつけて位置をとる。キーパーの位置にもよるが、キーパーの前後を速いボールが横切ると絶好の得点チャンスだ。
 キッカーに近いニアポスト側の選手は、ボールをクリアしようと出て来る敵の手前でシュートしないといけない。タックルされる覚悟で負けないようにブロックする事も必要だ。

[センタリングを受けて]
70(A) ヘディングで得点が無理なら、折り返すか、バックヘディングで中継ぎして味方にシュートさせる。味方は必ず準備しておくこと。
70(B) ゴロでセンタリングされた場合、直接シュートする以外に、自分よりも有利で確実に得点できる味方がいたら、パスしてシュートさせるか、意外性でスルーして味方にシュートさせる、
残すかバックパスしてシュートさせる、などの得点法がある。以上を練習。
70(C) センタリングからの得点だけでミニゲーム。正規のピッチの縦を短縮、大ゴールで7:7くらいに人数を減らして同様に。

[コーナーキック]
71 味方数名が一団になって、そこへボールを送る攻撃法があるが、最近、よく敵味方がゴールから遠い所に集まり、キックで走り出す光景が見られる。
 本来は、キーパーの前に味方が1人、他は上記した4のようにゴールを取り囲んで、各自、想定しているシュート地点に走り込める位置をとるのが正統的配置である。
 ボールが来たら70のとおり。通常マークされるので、マークを外して敵の前や背後でシュートしたい。マークがずれるだけでも競り合いで有利になる。1人、2人がわざとボールに向かって行って敵をおびき出してジャンプ、から振りして、後ろの味方にシュートさせるトリックもある。いろんなフィニッシュを練習して得意なコーナーキックを作ると良い。
 守備はキーパーが遠いゴールポストの前、近いポストの内側にバックが1人位置して、他の選手は敵をマンツーマン・マーク。キーパーが出たら空いたゴールをバックが守るが、バック以外の選手も臨機応変にゴールを守るように心がける。集中してこぼれ球、跳ね返り、ミスキック、接触してコース変化などを機敏に処理すること。クリアは外へ大きく!
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2011年06月22日

53 パスのパターン活用(2)

 学生時代、たまに来られた戦前、京大の全盛時代を築いた先輩の方々のパスは見事であった。全国制覇を続けた旧制神戸一中出身の名選手たちで元日本代表クラスもいた。練習不足でさほど走るわけでもないのに相手の間を滑るようにパスをかわして行く。ハイレベルの選手は自信があるので余裕があり、良い意味で頑固、納得できない事や中途半端はしない。いくら格が違うにしても不思議なくらいで、当時悩んでいた私は大いに憧れた。
 パス出しは得意な方で、病気で2年間休んで復帰した松江高校二年生の西日本インターは位は私のパスから全得点が生まれて創部以来最初で最後の準優勝を遂げる事ができた。
 大学でも最年少の新入生で一軍になれたものの、高校で一目置かれていたのが指図される立場になり、上級生、同期生は幅員や浪人あがりばかり、年長者たちの中でやりづらくてプレースタイルの違う上級生とパスの呼吸が合わずよく叱られて困っていたからである。
 それが成る程そういう事か!とわかったのは、愚かにも20年近く経ってコーチとして教える側にまわり子供たちと一緒にプレーするようになってからであった。
 昔はどこでも速攻(ないし強攻)一点張りで、指導者、OBや上級生が、速く!パスだ!走れ!と叫んで、敵に妨害されないうちに早めのパスとダッシュで進攻しようとした。
だが敵が守りを固めるとそうはいかない。いつ何処へどんなパスを出すか、敵に隙があれば直ちにそこをつけばいいが、無ければかわしてパスコースを作って出さねばならない。でもタマがかかるようなら拙いのでほかへボールを回す。味方はそれを察知して行動し、マークを外してパスをもらえる所へタイミングよくスタートする。駆け引き工夫、味方との意思の疎通、タイミングを合わせる知恵と戦術力が必要で、それに、観察、鋭い感覚、直感、読み、的確な判断、素早い決行が不可欠だから、機敏に頭脳を使わねばならない。
 先輩たちは、こうすれば良い、今いける、という要領やコツを早くから体得していたに違いない。私はそれが多少わかってはいたが、不十分でしっかり身についてなかったのだ。


[失敗を繰り返さない為に]
 この苦い経験と後悔から、私はコーチとして、子供たちに自分の二の舞をさせてはいけない、是非あの名手たちのように周りがよく見えて敵味方の気配、動向を感知して好判断、駆け引き工夫ができる選手に育てようと決意した。
 だが、よそのように口うるさく教え込み叱って言うとおりにさせるのでなく、ミニゲームや実戦的練習で彼らが面白くて熱中し、自分から自由に頭脳を働かせてプレーして上達し要領を体得できるように図った。叱ると、叱られないようにする事に懸命になって、考えてプレーするどころでない。自分で挑戦し経験して体得するのがベストだからだ。
 狙いが的中して早くも小学生で周りが見えて考えてプレーし、敵に囲まれても落ち着いて上手くパスを交わせるようになった時は嬉しかった。そして正直言って自分もこうして育てられていたら、彼らのように上手くなれたのにと残念であった。
 遅攻的なパスは教え教わるだけでは駄目で、選手がミニゲームや実戦的練習で自ら仕掛けて経験を積んで身につけていかねばならない。選手の自発自動自得だから、従来の指令どおりにさせる他発他動教育を止めて、自由な自立自発創造の体験教育をしないといけないのである。難しい事ではない。誰でもやればできる!子供たちを信用してやることだ。


[練習法]
62(A) 試合で選手は隣の味方と三角形の位置をとるのが基本で、そこからのパス練習法を考案した。BACが逆三角形でパスを回してから、底のAは左前のBにパスして、前のBC間を突っ切り前進、Bからパスを受ける。CはAの左横へ進みサポート、Bがフォローし、パスを回しつつ逆三角を作り直す。次は底になったBがCにパスしてCA間を突っ切りCからパスを受けて、という具合に続けて前進して行って、ワンツーからシュートで終わる。最初に戻って今度はAが右前のCにパスして前進。BはAの右横へ。
62(B) AはBにパスして受け手Bの外側を前進、BはCにパスして、CがAにパス。BはAの右横へ前進してサポート、Cはフォローして、パスを回しながら逆三角を整える。次は底になったCがAにパスして受け手Aの外側を前進、AはBにパス、BはCにパス、という具合に続けていって、最後はワンツースリーパスからシュートで終わる。最初に戻ってAはCにパスしてCの外側を前進して開始。CはBにパス、BがAにパス。
62(C) AはBにパスして反対側のCの外側を前進、BはCにパス。BはAをサポートしてAの横へ動いてからAからパスを受けて、Cがフォロー、三角形を整え、同様に続けていきシュートで終わる。最初に戻ってAはCにパスしてBの外側を前進して開始。
62(D) 逆三角でパス回し。AはBC間でパスが交わされている時に、BかCの外側を前進して、次か、次の次のパスをもらう。すぐに逆三角を整えパスを回しているうちに、底の選手が同様に前進して、という具合に続けて行ってパスからシュートで終わる。
62(E) 以上でBCに敵Xがつき軽く妨害。余分なパスやドリブル、1:1が入ってもよい。
62(F) 以上のパスワークを必ず使ってミニゲーム。これからの得点だけ認める。

◎三角形の向きや大きさを変えてもよい。後方からの追い越し突破、味方の外側を回る動き、味方同士パスしている間にスタートする事などを覚えて試合で使おう!


[クリスクロスパス]
63(A) BACが浅い平らな逆三角形を作る。底のAはBにパスして受け手Bの外側を前進、BはAではなくCにパスして受け手Cの外側を前進、CはBでなくAにパスしてAの外側を前進、これを繰り返して進みシュートで終わる。
 ♯機械的プレーや早く速くは駄目!タイミングよく行動して、味方が遅れていたら試合中のようにドリブルして待ってパス!緩急の変化をつけ、ボールを迎えに近寄ること!
63(B) 必ずこれを使うことにしてミニゲーム。これからの得点だけ認めてゲーム。
◎ 特長はパス・アンド・ゴーで受け手Bを外側から追い越すAは、Bをワンツーでなく、間に1人、Cが入りワンツースリー、次の次のパスをCからもらう事だ。Bは無造作にCにパスしないで、追い越していくAにパスするフェイントから反対側のCにパスするといい!Aをおとりに使うわけで遊び心というかそんな工夫をして欲しい。


[クロスした動きからバックパス]
64(A) 逆三角BACでパスを回してから、AはBにパス、BはCにパスして斜め右前方へ走る。CはAにパスを戻して斜め左前方へBとクロスして走る。残っていたAはBにロングパスして前進、Bは横のCにパス、Cは上がってくるAにバックパスしてシュートさせる。AはCにロングパスしてもよい。
64(B) BCに敵Xがつき軽く妨害、Aは前進したBかC、どちらか有利な方にロングパス。
64(C) これを使った得点だけ認める条件付きミニゲーム。


[3人横パス]
65(A) 三人が横に浅く広がり横パスで前進、必ずポジション・チェンジを入れる。適宜ドリブルやフェイント。キーパーが守る大ゴールへスルーからシュート。
65(B) 敵がついて3:1で行う。オフサイドあり。
65(C) それを使った得点だけ認めてミニゲーム。

[パスゲーム]
66(A) 四角の中で4:4以上。パスが人数の倍、続いたら1点。同じ2人の間の往復パス(ダブルパス)は1本と数えて次は必ず他の選手にパスしないと反則。
66(B) ツータッチとか、利き足でない方でパスと指定。但し競り合いで止むを得ない場合、ボールタッチが少し増えてもよい。パスできるのに不要なボールタッチやドリブルは反則。
66(C) ゴールありでミニゲーム。パスが指定数続いてからのシュート得点だけ認める。
66(D) シュート得点とパス回数得点の両方ありで。素早いルックアップ、パスをもらう動き、次の、さらに次の次のパスや状況への読み、予測が必要。
 ♯いわゆる持ち過ぎや、ボールに触れると必ずドリブルするとか、何回もボールタッチしてからでないとパスしない、などの癖を直すのによい。

[スクリーン・パス]
67(A) 3人組む。Aは敵Xに背後からマークされてスクリーンしながら斜め外へドリブル。BはAと対面するように近寄り、AはXをブロックしながら、Bとすれ違いざまに敵から遠いBに近い方の足でBにボールを渡し離れる。BはAに近い足で受けてドリブル。原則としてAが右ならBも右で。左足ならBも左で。
67(B) AはBにパスと見せてドリブルでXを振り切る。
67(C) これを使った得点だけ認めてミニゲーム。


<音楽、舞踏とサッカー>
 余談だが、ブラジルのサッカーとサンバなどを例にして、各国のカッサーはそれぞれ民族固有の音楽や舞踏と関連していると言われるが、日本固有のと言われると困る。民謡、音頭なら盆踊りだが遅すぎるし、世界中で日本しかないすり足はスポーツとは別世界のもので、侘(ワ)び寂(サ)びがわかる地球上唯一の民族だから、明治まで日本はスポーツと無縁な国だったのである。ちなみに同じ島国でも沖縄民謡と踊りは漕ぎ進む小舟の縦揺れ、ハワイのフラダンスは波間に漂う小舟の横揺れだという。
 そこで実験的に、サンバ、ルンバ、ワルツなど曲を流して、ドリブル、パス、ミニゲームなど実際にプレーしてもらって音楽とサッカーの関係を観察したが、曲のリズム、テンポよりもプレーが速くて曲と合わなかった。音楽はプレーと無関係で邪魔になったという。日本の中高生でこうだから、まして外国選手は実験するまでもないだろう。
 問題のブラジルサンバは名曲サンバ・ブラジルのような普通のサンバと違う。踊りも社交ダンスのサンバではない。有名なリオのカーニバルでタタタ、タタタと忙しく小刻みに足を踏み替え踊っているのがブラジルサンバで、サッカーの足技に役立つ。でもブラジル選手たちは試合に行くバスの中でサンバで大騒ぎしながら試合場へ乗り込むが、それと試合は別で見てのとおり、彼らのプレーはリズミカルだがブラジルサンバのリズムではない。
 以上、各国の選手はそれぞれの音楽や舞踏に馴染んで育ったのでそのリズム、テンポ、身のこなしなどが身につきプレーに役立っている者もいるだろう。だが断片的にそういう事があっても、試合中、ずっとそのリズム、テンポでプレーを続ける事はない。国や民族の音楽舞踏はサッカーに何らかの関連はあるが直結的関係はない、という結論になった。
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2011年05月19日

パスのパターン活用(1)

52 パスのパターン活用(1)
 今ではかつて日本が英米と戦って負けた事を知らない若者がいるそうだが、私は日本が敗戦降伏した昭和20年(1945)に旧制高校に入った。だが戦後の食糧難で空腹を抱えてサッカーをやったお陰で肋膜で休学。24年(1949)に大学に進んですぐレギュラーになれたものの食糧難が続いておて慢性疲労、それに各学部学業第一、余暇に練習でなかなか全員が揃わない。夏休みに先輩に絞られ監督は大会やリーグ戦に来るだけで、練習は毎年同じ、それで、推薦入学でサッカー三昧、プロ並みの関学、関大と戦うのだから参った。
 今回パスをとりあげるが、当時いろんなパターンを練習したけれども、試合で実用しかねたものもあった。それがずっとわだかまっていたところ、たまたま少年サッカーを指導する事になったので、ひとつ実験的に子供たちにやらせてみようと考えて、パターンを練習してから、2:1や3:2とミニゲームの中で必ずそれを使うことに決めてやってみた。
 すると2人パスはできたが、3人パスは、Aクラスの選手は使いこなせるようになったが、Cクラスには無理で、試合で活用するには選手に少し高いレベルと実戦的練習が必須不可欠だという事がわかった。
 今では古典化した欧州生まれの3人パスのパターンは当時どこでもそんな具合で試合で使えなくて体力強化練習用になったようだ。でもこの実験で証明されたように、それはパス自体のせいではなくて、実戦的練習が欠けていた為であった。
 今でもそうだが伝統的な日本式トレーニングは敵無しの基本やパターン練習だけで、選手は敵と戦う練習をしないで試合にでるのだから無茶だ。戦いに必要な感覚、判断力、智能、スキル、何もない。その上、敵に妨害されるから通用しないのは当然であった。
 3人パスを改めて見直すとテーマのパスと動きは今でも通用する。突破、サポート、ポジション・チェンジ、次の次のパス受け、逆へのパスなども入っていて、発送が違うし展開が大きくなり、いいところは有益だ。それで枚方FCでは練習することにした。
◎ 活用法。パターンというと、型通りにしないといけないと堅苦しく考えがちだが、試合では使えるチャンスは少なくなかなかそうはいかない。ほかにもいろんなパスワークがあるのだから、「こういう手もある」、といった程度に気楽に取り組むといい。
敵をつけた実戦的練習やミニゲームで、いろんな状況や変化の中で臨機応変に知恵を働かせて実行してみて、成る程ここがいい、こういう時によい、こうすると上手くいくなどと、得るもの、役に立つところがあれば、部分的でもバリエーションでもいいのだ。パターンそのままでなくてもいいから、自分流に適宜活用、応用すればそれでよいのである。

[トラップしたらすぐさまルックアップ!受け手はその瞬間、スタート!]
試合では、前もって周りや敵味方、状況を見て、誰に、何処へパスするか、考えておいて、ボールタッチしたら素早く顔をあげルックアップする。そして受け手は、どう走って、どこでパスを受けてどうするか、アイディアをもって、味方がルックアップした瞬間にスタートするから、それを見て彼が上手くプレーできるようにパスする。パスが来ると信じて早めにスタートすることもある。パスの出し手に注意してスタートのタイミングなどを研究しよう。


[練習法]
15、16、19のように2人組んで、ボールを出したAは自由に動いて、トラップしたBからパスを受けシュートする。次に、パスを受けたAはシュートしないで、フォローするBにパスしてシュートさせる。受け手は大きく動き、声をかけないで見つけさせること!普通、声をかけるが、言われないとパス出来ないのは駄目!すぐ見ること!
 23のように3人組む。Aが投げたボールをCはトラップ、迫るAをかわし、移動したBを見つけてパス。Bは最初のAの位置の横からスタート、Cの後などへ走りパスを受けてシュートする。次はBはシュートしないで、フォローするCにパスしてシュートさせる。


[ショート、ショート、ロングパス]
53.30M以上離れて右サイドにAB、左サイドにCD、2組は向かい合う。AとBは互いに少し動いて3回ショートパスをかわしてからCDの1人にロングパス。CDも同様に動いてショートパスからAからBへロングパス。それを繰り返して前進してシュートで終わる。
◎2、3回ショートパスをかわしてから逆サイドや縦、斜めにロングパスを送る組み合わせは試合でよく使われる。


[横縦のペアのパス]
54(A) Aは右横のBにぱすして、右斜めに走りBから縦パスを受ける。Bはポジション・チェンジしてAをサポートする為にクロスして左斜めに走り、右横に出たAから横パスを受ける。次はAが左斜めに走り、同様に繰り返していって、Aが縦パスからシュートする。
54(B) Aは最後にシュートと見せてBに横パスしてシュートさせる。意外性のプレーだ。
◎ 試合で、こうした斜めの動きと縦パスは敵の背後や裏をつく突破によく使われる。


[斜めドリブルから横パス]
55(A) Aは右横のBからパスを貰って右斜めにドリブル。BはAの後ろをクロスして左斜めに走り、右横に出たアから横パスを受けて、右斜めにドリブル。同様に繰り返して行ってドリブルシュートで終わる。反対方向でも行う。
 ♯こういうパターン練習は惰性的になったり機械的繰り返しになりやすい。そうならないように注意して、1回1回丁寧にプレーすること!早く速くも駄目!試合のように敵がいるつもりで、タイミングよく緩急、めりはりをつけてプレーしないといけない!
55(B) Aは最後に、ドリブル・シュートと見せて、Bに横パスを送りシュートさせる。
◎ 試合で走ったりドリブルするコースは前方、縦が多いが、敵に前を塞がれていても斜めはよく空いているので、斜めの動き、クロスする動きをもっと使うべきだ。
◎ この練習で味方が動いたあとを埋めるポジション・チェンジやサポートも学習すること。

55(C) 54、55でBはフリー、Aだけに敵Xがついて軽く妨害。次はAがフリー、BだけにYがつく。敵がいると型通りにいかないので、型通りでなくてもよい。ボールをキープ、妨害をかわす、駆け引き、マーク外し、逆をとる、コースやタイミングのフェイントなどが当然必要になる。パスと走るコースや受ける位置も臨機応変に判断工夫すること。
55(D) 以上の動きとパスワークを2:1でできるだけ多く使って得点する。Aは斜めドリブルの途中でボールを残してBにシュートさせてもよい。
55(E) 以上を出来るだけ何回も使ってミニゲーム。2回使った得点だけ認める事にして。


[縦々パス]
56(A) Aは5、6M前のBにパスして追い越す。BはそのAにパスして追い越す。同様に繰り返して行ってシュート。競走でなく、リズミカルに緩急の変化をつける。ドリブルのスピードを緩めたところで追い越してパスを受けるとよい。
56(B) Aだけに敵Xがついて軽く妨害。同様にBだけにYがついて。
56(C) これを使った得点だけ認める事にしてミニゲーム。


[バックパス]
57(A) AはBにスローイン、BはAにバックパスしてターン、自由に弧を描くように動いて前進、Aからパスを受けてシュートする。
57(B) Bはシュートしないで、フォローして横に出てくるAにパスしてシュートさせる。
57(C) BだけにマーカーXがついて1:1。暫くしてAがフォローして2:1に移る。
57(D) バックパスからのシュート得点だけ認める事にしてミニゲーム。


[壁パス、ワンツー]
前に立ち塞がる敵にドリブルで接近し相手を引きつけておいて、壁になる味方の足元に速いボールを送り、蹴った足を第一歩として走る。目的地は壁の選手がパスを返せる所で、カバーしている敵の手前か背後のスペースが良い。
♯試合中、そうしてドリブルで敵に向かう選手を見た周りや前方の味方は、すぐさま移動して壁になってやること!
♯良いパスを返して欲しければ、先ず彼に良いパスを送らねばならない!
58(A) 四角の中で壁パス2:1。
58(B) ゴールありで壁パス2:1。
58(C) 壁パスからの得点だけ認めてミニゲーム。
52、53を壁パス、ワンツーを必ず使う条件で行う。回数を指定したり、壁パス、ワンツーからの得点だけ認める条件で行う。


[外の壁を使って変形2:1]
59 小さいピッチ、小ゴールでABが戦うのだが、左右のタッチライン外に1人づつ壁になるCとDがいて、ピッチ内のA、Bは外のC、Dとパス交換をしてもよい。C、Dは自分にパスした選手に必ずリターンパスを送らないといけない。無理ならダイレクトパスでなくてもよい。
60(A) 2人組んでパスをかわしてから、Aは壁になる為に前に走り、BはAを使って壁パスを受け、Aはさらに前進してBからの縦パスでシュートする。
60(B) Aはシュートしないで、フォローするBにパスしてシュートさせる。
60(C) これを使った得点だけ認める事にしてミニゲーム。


[味方が自分に向かってドリブルして来た場合にどうするか?]
61(A) 3人組む。Aが前方で敵XにマークされているBに向かってドリブルして来たら、Bは横に動いてコースを空けて、同時に壁になる為に構える。
◇ その時、XがBについてきたら、Aはコースが空くからドリブル突破する。
◇ Xがついて来ないでAに向かって来たら、AはBを使って壁パスで突破する。
以上をやくを代わり合って実習する。さらに次のプレーもやってみる。
61(B) Aは横に出たBにパスするように見せるフェイントをして、ドリブルでXを抜く。
61(C) Bは壁としてパスを受けるが、Aにパスすると見せてパスしないで自分で突破する。
61(D) 以上をミニゲームで自由に活用応用。それを使った得点だけ認めてミニゲーム。
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2011年04月19日

51 心をこめてパスを送ろう!

 かつて選手の役割は、フォワードは攻撃、バックが守備と決まっていたが、現代サッカーではどこであろうと、ボールを持っているチームが攻撃、持ってない方が守備である。
 従ってチームがボールを獲得するか、失うかで、そのたびに、全選手が攻守を切り替え活動しなければならない。しかも切り替えは急を要する。というのは、ボールを得た時、守から攻へ素早く切り替えるほど攻め込めるチャンスがあり、失ったとき、攻から守への切り替えが遅れると危ない。切り替えの速さ、上手さが得失点に直結し易いからだ。
 こうしてフォワードも守りバックも攻めるのだから、全選手に攻守両方のサッカー智能、戦術意識、スキルなどが必要で、幼少からそのように育てていかねばならないのである。


[地域に応じたプレーの仕方]
選手は次の原則を心得てプレーしないといけない。
◇ 自陣内は失点しないように安全第一でドリブル禁止!先ずクリア、次が外へパス。
◇ 中盤は主にパスで前進。守備陣をパスとドリブルで突破。
◇ ペナルティエレアの手前からは常に得点を狙い、次が味方へのラストパス。


[戦闘者とは見る者のことである!武道家 菅野覚明]
クラマー・コーチは、パスはフリーな味方に送れ!キックした足を第一歩としてフリーなスペースに走れ、と教えた。
 味方がボールを持つか、ボールに触れるとみたら、他の選手は(彼からパスしてもらってこうしようというアイディア、意図をもって)、フリーで良い所でパスをもらえるように、彼がルックアップした時にタイミングよく動く。
 ボールを持つ選手は、(自分でシュート、クリア、ドリブルをするべき場面以外は)、前もって周りを見ておくか、ボールタッチした次の瞬間ルックアップして、フリーな味方やチャンスになりそうな所にいるか、よい動きをしている味方をみつけたら、すかさずパスを送らねばならない。


[見る事が、視野が次のプレーを決める]
サッカーでは前方や周りを見る事が極めて重要だ。例えば敵ボールを奪ったバックがハーフラインにいるフリーな味方を見つけてすぐにパスしたらチャンスが生まれる可能性がある。だが、見つけないとチャンスはない。
 味方が良い所にいたり、いくら良い動きをしても、ボールを持っている選手が見つけてくれないと駄目だ。見ると見ないでは大違いだから、必ずルックアップして広く遠くまで素早く見つけなければならない。ボールを持ってない時でも広く見て、絶えず状況、敵味方の配置などを頭に入れて、次にどうなるか、どうするか考える。優秀な選手は皆そうする。


[キープのパスで侵入突破を準備]
パスにはキープ、突破などいろんなパスがある。但したとえボールを確保しキープする為にパスしていても、敵に襲われた時、ボールを取られないように味方に渡して逃げたり、敵の妨害を未然に避けるパス回しだけで終始してはいけない。自分で、また味方と協力してボールをキープしながら絶えず進攻する機会をうかがい、隙があれば直ちにパスかドリブルで攻め込まねばならない。また攻撃陣の組み立てや、進攻突破が上手くいかない時にボールを下げてやり直す事もある。
◇ ボールを敵に取られないようにすれば敵の攻撃は無いので、一点を争う場合など、早めで広範囲のパス回しでボールをキープする事もある。動きを加えてボールを盛んに移動させる方が敵は守りにくいし、スペースやノーマークができて攻め込める事もある。
レベルの高いチームは選手たちがそうしてパスで幅広く展開して敵の守備陣を広げたりおびき出したり、一方によせたり一カ所に集めたりして、侵入突破し易いように準備工作をする。そんな戦法などを考え工夫してプレーすると面白いし、レベルが上がる。


[受け手が日本一の選手に見えるように、素晴らしいプレーが出来るパスを送れ!]
◇ 受け手の意図を察知してパス!例えば彼がシュートを狙っているか、シュート出来る状況なら、利き足でダイレクトシュートできるボールを送る。
◇ 特長を活かすパス!競り合いに強い選手には少々無理な状況でも、敵が困るきわどいボールを出す。快足の選手なら、敵の後方にボールを出して、走り勝たせる。
◇ 正確なパスでもボールが受け手の足元に入り込み過ぎると、次のプレーや動きに移りにくい。状況にもよるが、ボールに2、3歩近寄って受けるぱすの方がプレーし易い。
◇ 味方の周りの敵も見てパス!味方だけ見てパスすると、敵にボールを取られる事があるので、必ず受け手の周りの敵も同時に見て、取られないようにパスすること。その為に自分が動き位置を変えてパスしないといけない事もある。
◇ 地域を狙ってパス!突破やシュート得点、混戦からのチャンス作りを狙って、敵が取りにくい味方が取れるだろう敵の背後やスペースへきわどいボールを送るという手もある。


[マークされている味方へのパス]
味方選手がマークされたまま今の位置で受けるだろう時は、右か左か、彼のそばの敵やマークしている敵から遠い方の足元に速いボールを送る。緩いと駄目。そしてすぐさま敵がボールを返す事が多いのでリターンパスに備える。
 マークされている味方には絶対パスしない選手やチームが多い。それが原則なので、受け手もマークされていてパスが来ると敵に襲われないようにすぐバックパスする事が多い。
 しかし多少能力があれば、マークされていても足元への速いパスなら受けられるし、壁パスの壁にもなれる。幼少から練習法26などでマークされてのプレーを練習して上手くなっておけば、向き直りや敵をかわす事が出来る。敵が油断する事もあるので、マークされていても状況などを見て適宜パスするべきである。


[突破、得点には冒険と勇気が必要!]
それにシュート圏では必ずマークされるので、フリーの味方でないと絶対にパスしないのでは、ドリブル突破しか手が無ない。そのため、よく見られるように遠巻きにして安全なパス回しを続けるだけになり易い。
 それではどうしようもないから、突破、得点には、前後左右に動いて守備陣を掻き回して隙や綻びを作ろうとする意外に、どうしても冒険が必要である。マークされている選手にでも敢えてパスして、受け手は強気で自分が出来ると信じてパスを受けて勇敢にプレーしなければならない。当然、幼少の頃から実践的な練習やゲームでドリブル突破力、シュート力、スキルを身につけておかねばならない。(その為の少年サッカーだ)
 出来ればボール回しをし過ぎないで、もっと早く、敵が大勢で守りを固める迄にゴールに近い味方に、たとえ彼がマークされていてもパスして1対1や混戦に持ち込んで、味方がサポート、フォローしたい。指導者は勇気ある挑戦なら失敗を咎めてはいけない。
◎ 特に少年選手は向き直り、振り向きさまシュートなど失敗を恐れずに挑戦しよう!


[敵に読まれないようにパス!意図を隠せ!]
気分や気まぐれで出すパスはよくない。味方に良いプレーをさせるパス、少なくとも困らないパスを送らないといけない。
◇ ボールタッチ迄に前もって見回してパスする味方を決めておいてパスすると良い。でなければ、ボールに触れた次の瞬間、顔を上げ広く見渡して、味方がフリーか、良い所にいたら、すかさず彼が上手くプレーできるように心をこめて丁寧にパスを送るべきだ。
◇ 少し長時間ドリブルして受け手を探し見つけてパスすると、敵は一部始終を見ていてパスしたら襲ってやろうと狙っているので、ボールを捕られ易い。だからそういう時は敵にわからないように、パスする気配を見せないで突然パスしたり、身体の向きと違う方向にパスするとか、フェイントを入れたりして敵が妨害しにくいように工夫して欲しい。
試合は敵との戦いだから、キープ力に自信があっても自分の都合や思いつきだけでなく、常に必ず敵を計算に入れてプレーしないといけない。


[受け手はフリーで受ける事を狙え!]
受け手はできるだけ有利な所で上手くプレーできるように、なるべく前を向いてパスを受ける為に、先ず敵から離れてフリーになることだ。それを味方が即座に見つけてパスすれば成功する。早く見つけないとマークされる。
 マークされたら、マーカーの背後や横、斜めなどに動いて敵をついて来させて目的地から遠ざけておいて、味方がこちらを見てパスできるだろう時か寸前に、目的地へスタートして、マークを外してパスをもらう。目的地やコースは味方がパス出来る所やコースだ。


[味方を助けるパス受け]
パスには味方を使う、利用するパス、味方を活かす、いいプレーをさせるパス、味方を助けるパスなどがある。
 味方が襲われたら、すぐに助けに行ってパスをもらってやる。
 ドリブルで敵に向かって行く味方を見たら、ワンツーで助ける位置に動く。
 味方がバックパスしたら、その受け手から次のパスを受けられる所へ動く。
 味方が受け手にパス出来なくなったら、代わりに素早くもらいに走る。
次の次や、もっと先のパスを予測して受けに動く。どうなるか先を読んで方向、スペース、タイミングなどを考えて行動するわけで、よく気のつく気が利く選手になってほしい。


[縦パスと斜めパス]
パスは、パスコースが縦になるほど難しくて、斜めが易しい。走る受け手をボールが真後ろから追いかける同じコースの縦パスは、送るのも受けるのも難しいので、受け手は斜めのパスを受けるようにする方がよい。目的地に向かって弧を描くようにカーブして、いわゆる膨らんで走ると成功率が高くなる。
◇ 走る味方の行く手に敵がいたら、味方の足元に出すか、その敵の前後にスペース  があればそこに出すか、選択判断して出さねばならない。
◇ ゴール前のスペースにボールに送り味方に突進得点させようとする場合、できるだけ近くへ出したくてギリギリを狙うものだが、大抵キーパーに捕られる。キーパーとその選手を結ぶ線の中点よりもっと味方の近くにボールを送るべきで、ある程度技能があれば、ボールを確実に渡してもらえばゴールまで少々距離があっても得点できるものだ。
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2011年03月25日

数的優位の攻撃VS守備

数的優位の攻撃VS守備
 指導者は選手に自分の現役時代のトレーニングをさせる人が多いが、枚方FCでは慣例にとらわれないで、主に私が考案独創した練習法を使った。例えば小学生の初回から1対1やミニゲームを続けて、ゲームの人数は年少ほど少なくして慣れたら増やしていった。
 子供たちは11:11で紅白ゲームをやると、初め必ず団子になって注意してもきかない。でも本人はボールしか見てないので自分が団子になっていると思ってない。ボールにさわりたい一心で密集してしまうのだから、怒って無理矢理散開させると、やる気をなくして叱られないようにする事ばかり考えるようになるのでよくない。放っておいても数週間から数ヶ月経つと、密集がよくないとわかって団子がほぐれてきて、1:1だけでなく仲間と協力して戦う事を自然に覚えて行く。子供たちの心理や成長過程がよくわかった。
 ショートパスも練習したが、パスは自分で敵味方や状況を見て頭脳を使って送るのだから、敵がいない練習だけでは頭脳を使わないから試合で通用しない。試合でパスが出来るようになるには敵がいる実戦的練習が不可欠で、その点、ミニゲームは何も言わなくても、子供たちが面白いので熱中して自発的に考え工夫してプレーするから最適であった。

[数的優位の攻撃VS数的劣位での守備に進む前に]
試合中はいろんな状況が起こる。味方の人数が敵より多い数的優位の場面ではこの有利を極力活用すべきだ。逆に味方が少ない数的劣位で多勢に無勢なら負けないように知恵を働かせて頑張らねばならない。
 そこで小学生の技能や理解力を見て多少ミニゲームが出来るようになったら、2:1や3:2に進むのだが、まだ味方同士、あまり協力し合えないようなら、その前に準備として改めて3:3などのミニゲームで連係協力を教えた。
44(A)コーンや棒で幅2〜3mのゴールを2個作って、キックオフから3:3。
   キーパーありの4:4でもよい。ピッチの広さは年齢、体力に応じて決める。
44(B)双方のゴールラインからスタート、コーチが中央横からボールを出して。
44(C)ABC対XYZでCZがキーパーとすると、ハーフライン右端からAX、
   左端からBYがスタート、一方の、例えば、AB側のゴール横からボールを出して3:3。


[数的優位でのパスと劣位でのボール奪取]
3:3などで多少パスが出来て連係できるようなら、四角の中などで、数的優位でのパスとそれに対する守備を練習する。
45四角の中で3:1。ABC:X。楽にパスを回せる場合は、3人組は利き足禁止、ツータッチなどと指定する。Xはボールを奪う為に工夫しなければならない。
例えば、ボールを持つAがBにパスできないように、XはBを自分の陰(デッドスペース)に入れて隠し、A→Bのパスコースを遮断してAに詰め寄り、Cへパスさせないようにタックルする。或は、わざとCへのパスコースを空けて、パスしたらインターセプトしたり、Cがパスを受けるところをタックルする。
46四角の中で2:1。AB:Xで、Xは相手の一人を自分の陰、デッドスペースに入れて数   的優位をなくして、残る一人と1:1の勝負に持ち込む。ABはそうさせないように、ボールが来たらすぐパス出来るように準備して、絶えずパスを貰える所へ動くこと。
47サークルカット。5人以上がサークルを作ってパスを回す。中に2人、XYが入ってボールを取る。Xはボールを持つ選手に向かって左側か右側か、どちらか一方を完全に遮断、ワンサイドカットして詰め寄る。Yは後方でXの詰め方を見て、何処にパスが出てくるか予測し、パスしようとする選手の狙いを読んでボールを奪う。
パスを回す側の選手は、自分にパスが来たら何処へ回すか前もって考えておく。楽にパスが回る場合はツータッチ、利き足禁止などと指定。
48かなり上手くなったら四角の中で4:2をやる。

[ミニゲーム的に]
ゴールありで、数的優位の攻撃劣位での守備を練習する。
49(A)2:1とキーパー。AB側はキーパーなしの小ゴール、X側はキーパーYが守る大ゴールでキックオフから開始。
 ABは数的優位を活用する。例えばAはドリブルで突破するように見せてXを引きつけ、フリーになったBにパスして突破やシュートをさせる。
 守備で一番大切なのは失点しない事だから、Xは常にゴールへのコースを塞ぐポジション、位置をとって、敵にゴールへ直行やシュートさせないようにプレーする。それが間に合わない時は、出来るだけシュートコースをワンサイドカットするように塞いでキーパーを助ける。
 数的劣位で守る場合は、敵の数的優位を消す事を狙う!例えばXがボールを持つAがBにパス出来ないようにBをデッドスペースに入れて消して、守備側が1:2だったのを、X:Aの1:1にしてボールを奪うといい。但し、それが不完全か、Aに接近してかわされると、フリーなBへ決定的なパスを出されて突破やシュートされるので要注意だ!
 Xはボールを奪ったら小ゴールへシュート。ABは攻守を切り替えボールを取り返す。
49(B)AB側の小ゴールからボールを出して2:1。
50(A)3:2とキーパー。ABC側はキーパーなしの小ゴール、XY側はキーパーZが大ゴールを守ってキックオフから。ABCは敵に捕まらないように、パスコースを限定されないように、数的優位を活かしてパスを貰える所へ絶えず動いて早めにパス。
 例えば、動きとパスで、XYが集まるか、逆に広がりすぎるようにもっていく。または、1人、Aがわざと突進して敵の1人、Xを引きつけて、あとの味方を2:1にしたり、スペースを作ったり、ワンツーやバックパスからシュートするなど、チャンスを見逃さないで素早く弱点を突き得点を狙う。
 守備側、XYは2:3を2:2にして敵の数的優位を消し、さらに1:1、できれば逆に2:1に追い込みたい。
 原則として2人は前後に位置して手分けして、前のXはボールを持つ敵に向かって行って、(確実にボールを奪える場合意外は)、ワンサイドカット的につめよる。Yは後ろでパスと突進に備え前のXをカバーする。
 敵の位置、動きと状況変化に対応して位置を変えねばならないけれども、守備ではボールを持っている敵に対して2人が門のように並んではいけない。前後が入れ替わったりしても、必ず互いに前後し合って、常にゴールを隠してシュートコースを塞がねばならない。
 XYはボールを奪ったら、小ゴールへシュート。ABCはボールを取り返す。
50(B)双方、ゴールラインからスタート、中央横からボールを出して3:2。
50(C)中央右端からAX、左端からBY、Cが小ゴール横からスタート、コーチが小ゴール横からいろんな所へ高低さまざまなボールを出して。

[数的変化の中で攻守]
試合中はボールの周りの敵味方の人数が絶えず変わる。原則として、数的優位で味方が敵より人数が多ければ積極的に戦い、数的劣位なら無理しない。
 それでも攻撃は、敵より人数が少なくてもチャンスなら思い切って断行すべきだ。ただし、そこでボールを奪われると敵の攻撃になるので、よく注意して、失敗しないように!
 数的劣位−多勢に無勢での守備は安全第一で!慎重に辛抱強く持ちこたえる事。チャンスなら果敢にボール奪取してよいが、失敗すると危ないので、確実に取れるのでなければ、粘り強く構えて隙を作らず敵をミスさせるようにもっていく方が安全である。
 そこで一寸変わった練習法をやってみた。
51(A)キーパーなし小ゴールとキーパーあり大ゴール、先ずA対Xがキックオフで1:1。10秒以上たってから、コーチの合図でBがAに加勢し2:1にする。少し経ってYがXの方に入り2:2に。さらにCが加わり3:2へ。時間と人数は能力や形勢に応じて適宜加減する。
51(B)同様に2:1から始めて3:2、4:3と進んでも良い。
◎ 1970年頃に私が考えた練習法だが、先頃オシム監督が似た練習をさせていたようだ。

[試合中の一部のように]
地域を限定して数的優位の攻撃対劣位での守備を行う。地域の広さとプレーする時間は選手のレベル、体力、年齢で加減する。
52(A)横幅がキーパーが守る大ゴールを含む右3分の2の変形ピッチで、3:2、4:3など。同様に左側でも。開始はキックオフから、ボールを後方から、タッチライン外の同じサイドから、逆サイドから出して。小ゴールへ逆襲あり。
52(B)大ゴールを含むピッチの中央を使って同様に。
53(A)52をそのポジションの選手で行う。例えば、右寄りのピッチで、右FW(フォワード)とMF(中盤)の2〜3人の攻撃:左MFとBK(バック)の1〜2人の守備で、2:1や3:2。左寄りのピッチで同様に、ボールを後方、同サイド、逆サイドから出して。
53(B)中央を使って、例えば、FWとMF、2〜4人の攻撃:MFとBK、1〜3人の守備で、2:1、3:2、4:3。キックオフ、後方から、左右外側からボールを出して。
53(C)ペナルティーエレア内で同様に。外からボールを出して。ゴール近くで混戦になる。


♯通常、こういう練習は守備側がボールを取ると終わるが、試合のように続けて守から攻に切り替えて得点を狙うべきだ。日本のシュート下手を直す為にも得点して欲しい。特にもっとロングシュートを!取られた方はすぐ守りに切り替えてボールを取り返す事。
♯パス出しやタックル、パスを貰う動きなどで意外性を工夫しフェイントを使おう!
♯スライディング・タックルが好きな選手がいるが、失敗すると置き去りにされるので、無闇にやってはいけない。やるからには成功させねばならない。
♯こうした試合の一部的、ゲーム的練習はオールラウンド・プレヤー育成に役立つ。いろいろ工夫して活用し試合で役立ててほしい。
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2011年02月24日

ドリブルと1対1

 サッカーは非常に難しい球技で、例えば、ボールを投げる時は目標を見て投げる。手に持ったボールは見ないが、サッカーは蹴る直前に目標を狙っておいて、蹴る時は目標を見ないでボールを見て蹴るのだから、なかなか命中しない。おまけに試合は敵に邪魔されるために急いでミスしたりするので、サッカーはミスの多いスポーツだと言われている。
 接近戦や1:1、そこからシュートするような時は、一瞬を争うので、独特の直感ないし直感で身体が反射的に活動して、なかば夢中でプレーしなければならないことが多い。
 むろん経験知や創造力、身につけ磨き強化してきたスキルなどが基盤になっているのだが、こうし能力の瞬間的発揮は現代人の日常生活に殆ど必要のない動物的なものだから、年長や大人になってから練習を始めたのでは、子供の頃に始めて続けてきた選手のようにはいかない。
 何事でも子供からの先取り教育がいいに決まっているが、特にサッカーは脳が発達する幼少からプレーして、いわばサッカー頭脳に成長させサッカー用の神経回路を作り発達させていかないと、ほんもののサッカー選手にはなれない。ドリブルや1:1のスキルは代表的なものだろう。

[ドリブルは悪いサッカー!]
 昭和50年頃、枚方FCはドリブルが上手いと有名だったが、別段勝つためとかドリブルサッカーを志したわけではなかった。以前から日本選手はドリブルや個人技が下手なのに、欧米選手はドリブルが上手で1:1が強いから見事なサッカーが出来るのを見て、我々日本もやるからにはもっと面白いサッカーができるようになりたい。それには日本の子供たちが皆ドリブルが80点くらいになり敵を一人くらい抜けるようになって、その上でパスを使えるようになるといい、と考えていたからである。
 だが当時、日本の少年サッカー界は、サッカーはチームスポーツだから個人プレーはよくないと行ってドリブルを目の仇にして、選手にドリブルなど間違った悪いサッカーをするな、と教える指導者が多く、私は異端者で敵視された。それでよそがあまりドリブルを練習しないで下手だった為に、枚方が一層上手く見えて評判になったわけである。
 練習日には必ずドリブルといろんな1対1をやったので子供たちはサッカー大好きになり上達した。年少でまだ守備力が弱いのも好都合であった。
 年長になるにつれて守備力は強くなり、子供の頃のように相手に抜かれなくなるのでそうはいかなくなる。チームの攻撃もドリブルを減らし1対1を避けてパス主体になる。だが、それでドリブルや1:1の練習など無駄というのは間違いだ。
 というのはユースでも大人でも、球際やシュート圏では1対1の勝負になることが多いので、矢張り1対1の戦闘力は重要不可欠で、これは短期間で力がつくものではなく、幼少から身に付け磨いてきた感覚、技能が必ずそこでものを言うからである。
 それに1対1に自信があれば、万事に余裕ができて良いプレーが出来る。欧米と違って幼少からそれを身につけてこなかった従来の日本選手はこの自信がない為にミスしやすい。

[前もって考えておこう!]
 少し上達したら、前方の敵味方を見て襲って来そうな敵を予想し、敵と1対1になる時も、彼を抜いたらカバー役の敵が来るとか、大きくかわすと2人目にぶつかるといった事を計算に入れてドリブルして、抜き方、避け方を考え工夫するべきである。当然コース変更やパスすることも出来る。
◎ リベロの名手ベッケンバウアーはドリブルで上がっていくとき、斜め前から襲って来ようとする敵がいると、自分から方向を変えて向かって行きそうにして、相手が向かえ撃とうと立ち止まった瞬間、身を翻し元どおり直進して見事に相手を振り切ったものだ。
◎ 外国人は、日本選手は何故わざわざ待ち受けている敵を目がけて行くのか?スペースや敵と敵の隙間、相手の横にドリブルして行けばいいのに、と言う。敵の正面でなく横をつけば相手が動くので、抜いたりシュートするチャンスができるかも知れない。

[目的に応じたドリブルを]
 試合ではドリブルからパスしたり、始めからパスする為にドリブルしたりする事が多い。その場合、侵入してのセンタリングや、わざと敵を引きつける為でなければ、1:1やキープにこだわらないで、早めにパスする方がよい。ドリブルが長くなると、敵がパスを読み易くなり、守りを固めるからだ。
◇攻撃側の選手は、突破する為に相手を抜こう、よけてパス、かわしてシュートしてやろう、持ち込んでセンタリングだ、という具合に目的を持って1対1をやるので、抜き方、かわし方は状況や目的、アイディアによって違ってくる。
 特にシュートはその直前でなく、かなり前から得点してやろうと狙ってないとできないものだ。前もって、シュート出来なくなった場合にやるラストパスなど、2番目のプレーを考え用意しておく事も必要で、シュート得点が無理になったらそれに切り替えればよい。

[1:1はマイボール、味方ボールで終われ!]
 1対1を仕掛ける時、敵を抜けるかどうかの判断、見極めが大切で、無理すると大抵失敗する。上手いプロは抜ける時にしか抜かない。抜けなくても横にかわすか、ずれるだけでシュートやパスが出来る事があるし、後退して敵から離れてやり直してもいい。無論バックパスしてもよいのだから、闘志も強気もいいが、抜く事にこだわって失敗しないように柔軟、冷静に、粘り強くやることだ!
◇ 1対1でボールを取られそうになったら、相手とボールの間に身体を入れスクリーンしてキープし、周りを見てパスするか、ドリブルで相手から離れる。ボールを奪われたらすぐ取り返す。普段からこうなったらこうすると一連のプレーを用意しておこう!
◎ 但し幼少時代はまだそれは望めない。どんどん1対1をやって技能を磨き勝つコツを覚えて力をつけよう。経験を積むうちに、抜けるか無理かの判断もできるようになる。

☆ ブラジルのコーチが(留学中)の三浦和良少年に言った、「相手が大きかろうが何だろうが、向かって行け!お前がドリブルで勝負すれば、怖がるのは相手だ!」

[注意点]
1. 接近の仕方にはドリブルで真っすぐ突っかけるのと、遠目から踏み変えや身体をゆらせたり緩急をつけ方向を変えそうにしたりフェイントを入れたりリズミカルにドリブルして近づくのとある。接近しすぎて間合いが近くなり過ぎないように注意!
2. 接近しながら相手を見る事が大切で、抜き方、かわし方、フェイントを考えてボールを足元か少し前に置いて、相手にタックルされても咄嗟にかわせるように警戒する。
3. 止まりかけはいいが、相手の前で完全停止しては駄目!その時はパスに切り換える。
4. 相手が正面だと、敵をずらせるか、自分がずれてかわす為に、適切な間合いでフェイントを相手をおどかすように大きくかけるか、素早く逆をつくようにかけて、相手の動き、反応をみて、相手が重心がかかって動けない、足が出ない瞬間を感知して、素早くかわすか抜く。ボールタッチから次のタッチまでの時間が短いほどよい。かわしがら全速力で抜きされ!
♯間合いは少し遠目が安全!特に、荒っぽく激しい素早い相手、深くタックルしてくる敵には遠目で、動作を全て機敏に速く!近づきすぎたらボールを引いて離れる。
◎ 往年の名手、金田は、抜くには逆をとるか、先手をとることだと言った。その為にいろいろフェイントするのだが、要は、相手がタックル出来ない、足を出せない瞬間に、タックルして来ても足が届かない所を通過すればいいわけだ。
◎ それを感知して抜いたのがマラドーナで、敵が、さあ、これから1:1だと向かってくる前に、タイミングとコースの僅かなずれだけで快速で通過してしまった。
◎ ロナウジーニョは犬と遊んでボールを捕られないように練習して名手になった。

[練習法]
基本練習とゴールありの実践的練習。フィールドの広さは年齢に応じて。
37 3人組んで交代で四角の中で1対1。自分のコーナー2つと相手のコーナー2つがゴールの代わりで、相手のコーナーにボールを止めたら得点。
38(A)大きくHという字を地面に書く。2〜4mの横線を境に向かい合ってボール無し   で1対1。先攻、攻守を決めて3回で交代。攻撃側はフェイントして相手陣地内に走り込んだら得点。守備側は正面に立ち塞がるか、ショルダーチャージで入れないように防ぐ。
38(B)攻撃側は後ろ向き、守備側は背後からマークで開始。
38(C)ボールを使って1対1。
39(A)小ゴール2、キックオフから1対1。
39(B)双方のゴールラインからスタート、コーチが中央横からボールを出して1対1。
39(C)中央横からスタート、一方のゴールラインからボールを出して。
40(A)小ゴール2、Aは2m前に立つBの頭上を越えるボールを投げてから1対1。
40(B)AはBの股間にボールを通して、Bはボールが通ってから反転し追いかけて1対1。Aは追いかけてくるBの前に入って、BがAを追い越せないようにドリブルする。
41 ハーフラインからゴールまでを3ゾーンに分けて各ゾーン内を一人づつ守る。攻撃側は一人でドリブルして相手を抜いて行ってシュート。大ゴールの場合はキーパーが守る。
42(A)小ゴールとキーパーありの大ゴール。ハーフラインで向かい合ったウイング対サイドバックがスタート。中央や反対側からコーチがバックの後方にボールを出して1対1。
42(B)中央で後退したセンターバックに対してタッチライン中央沿いのウイング、コーチが両者の間に斜めにボールを出して1対1。
42(C)ハーフラインのセンターフォワードに対して、向かって左に開いて後退した右サイドバック、ハーフラインの左端から中央前にボールを出して1対1。右端からも出して。同様に左サイドバックも。
43 ペナルティーエレアの少し外のいろんな場所や位置、状況で、いろんな方向から来るボールで攻守の1対1。コーチがボールを出す。パス練習として選手が出してもよい。
 ♯いろんな相手とやるのがよい。オールラウンドの感覚、スキルを身につける為に、年少ほどいろんなポジション、攻守両方をやるべきである。
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2011年01月24日

自由自在のドリブルを

ドリブルは、初心者のように夢中でボールを蹴って追いかけるのから、ボールコントロールの効いた突進、状況に応じてスピードを落とした曲折など、各人各様で、以前称賛された終始ボールが足に吸い付いているようなドリブルは古き良き時代の名人芸になった。
だがいくらスピードアップしても、ドリブルで疾走すると大抵すぐに敵が迫ってくるので、ボールに素早く追いつき、パスしないのなら、スピードやフェイントで敵を抜くか、タックルをかわすか、キープするか、意のままに緩急をつけ方向を変え自由自在に動かせる巧妙なボールコントロールはやはり必要不可欠である。
ボールは一寸触れるだけでも意外によく転がる。走る速度を上げるにつれてコントロールが難しくなるので、ボールと程よく一体になってドリブルするには、ボールを足だけで操るのでなく、適度に膝を曲げ腰を低くして身体全体でボールを動かすようにして、ボールの動きに合わせて離れないように行動しなければならない。
ボール扱いの技術は身体で覚えるしかないのだが、特に自然に身体が動いてボールと一体になってドリブル出来るようになるには年季がいる。幼少から絶えずボールに馴染んで長い年月練習して、あまりボールを見なくてもドリブル出来るくらいになって欲しい。ドリブルの名手たちは皆そうして上手くなったのである。

[極力、周りを見よう!]
 だがドリブル出来ても周りが見えないとか頭脳が働かない選手はチームの為になる良い仕事はできない。それにドリブル中は自然に楽に周りが見える事はないので、いろんな方法で前や周りを見る習慣を身につけなければならない。

1. 意思!ボールばかり見ないで、周りや必要なものを見ようと絶えず努力せよ!

2. ルックアップ!ボールタッチしたら、すぐさま顔を上げて前方や周りを見る癖をつけよう!安全な時は少し前方にボールを置くと見やすくなる。

3. 姿勢!そして俯かないで、顔をあげ上体を起こし前傾した良い姿勢で!

4. 間接視!3m 前を見て、ボールと前方を同時に視野に入れながらドリブルしよう!

5. ドリブル中、安全な時、楽な余裕のある時があれば必ず見ておけ!


[練習法]
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(A)まっすぐに30m ドリブル。
始めはゆっくりドリブルして、慣れたら次第に速く。ボールを蹴って追いかけてばかりでなく、ボールと一緒に走るにはどうしたらよいか?ボールタッチの仕方、強さとボールが転がる速さ、自分の走る速さと走り方、両者の調節、調和などを研究工夫すること。
例えば4、5 歩目にボールタッチと決めて、ゆっくりから少しずつ走るスピードを上げてみる。蹴るのではなく、ボールを押す。ボールを運ぶ、持っていくという気持ちも必要だ。

(B)全速力ドリブルシュートでルックアップを習慣づけ!
ボールタッチするたびに素早く顔を上げてゴールを見て、ペナルティエレアにかかる辺りで狙いを定めてシュート。
シュートに入る前のドリブルの最後のボールタッチはその準備だから、ボールに軽く触れてシュートしやすい所へ転がすだけ!そして必ずボールを見て狙いを定めて、2、3 歩から数歩で足を合わせて、転がって行くボールより少し向こうに踏み込んでシュート。
敵をかわしてボールを横にやや大きく1.5m 以上動かした時は、横這いなのでボールを追い越せ
ないから、素早く回り込んで必ずゴールを見て狙ってシュートする。

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(A)ジグザグドリブル。
棒やコーンを5 本、縦に1〜2m おきに立ててその間を縫ってドリブルで往復。身体をリズミカルにボールよりも外側へ大きく動かし、最初両足で、2 回目は右足だけで、3 回目左足、4 回目両足のアウトサイドだけで、5 回目ボールを引いてバック。良い姿勢で顔をあげ3m 前を見て間接視!いろいろ研究工夫すること。

(B)他に、ボールタッチの多い小刻みなドリブル、スピードを上げ急角度で曲がるやや大きいドリブル、ただ隙間を通り抜けるのでなく、障害物を敵に見立てて適切な間合いをとりフェイントを入れたり、外や内へホールをまたぐドリブルなども練習。
※ 幅のある高い障害物が良い。小さいのはまたぐから駄目!並べ方は変えてもよい。

(C)身のこなしを敏捷にする為に隙間を狭く70cm 以内にして、ボールなしでジグザグに素早く走り抜ける。フェイントを入れたり、ドリブルしてもいい。

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(A)A 組、B 組が年齢に応じて3、40m 離れて向かい合う。A の選手はB に向かってドリブル、時々後ろ向きになって2、3 回ボールを引いてバックするのを入れる。5m 行ったら次の選手がスタート、B 組に着いたらその後ろにつく。B 組の選手は次々にやってくるA の選手をフェイントしてかわしてドリブルしてA 組の後ろにつく。

(B)他に、A は途中で5 回くらい停止、ボールを引いたり、円を描いたりする。

(C)A もB もやってくる相手に向かってドリブルしていって衝突直前にかわすなど。

30 直径3m の円2 つから成る8 の字を描くようにドリブル。両足で、右だけで、左だけで、インサイドだけで、アウトだけでと指定。

31 四角の中で数人がぶつからないようにドリブル。止まらないで絶えず動け。上手くなったら人のボールを蹴りだしたり、一人妨害役が入ってボールを蹴り出したりする。

32 数m ドリブルしてターンを繰り返す。ターンに使う足を左右、足の裏、インサイド、アウトと指定。
ボールを止めてから向き直るのでなく、一動作で止めながら向き直れ!

33(A)ドリブル前進で時々急停止。止まると見せて走る。方向を変える。変えると見せて直進。半分ターンから反転して元通りに。ボール無しで動きを練習するのも良い。

(B)軽く妨害する相手をつけて行う。相手役は上手いフェイントにはかかってやれ。

34 ダンゴを丸めるようにボールをこねて転がしてドリブル。前進、横這い、ジグザグ。

35 殆どボールを見ないで両足の間でボールを速く往復させながら前進、後退、横這い。

36 ボールを見ないでドリブル。方向変え、ジグザグなど。ゆっくりから始める。


[試合中、どんな時にドリブルするべきか?]
1 スペースがあるか、コースが空いていて、ドリブルすれば突破、シュート、チャンスを作りを狙える時。
※ その時でも、周りや前方を見て、突破、得点できそうな味方がいたら、自分がドリブルするか、彼にパスするか、チームの為に成功率の高い方を選ばねばならない。

2 自分が妨害されてパス出来ない時。

3 パスを受けられるフリーな味方がいない時。
※ フリーな味方がいても下手か、彼より自分の方が良い位置で、パスしても効果が期待出来ない場合は、ドリブルしてもっと良い味方が現れるか状況が変わるのを待つ事がある。
※ マークされた味方でも、彼が上手ければ速いパスを送れば受けられる。壁パスの壁も出来るので利用するとよい。


[戦術、戦法として]
通常、年長になるとボールを盛んに動かす方が試合運びが良いのでパス主体になる。ドリブル向きのコースやスペースがなければパスが原則だが例外もあり、特に敵の最終守備陣に対しては、次のように敢えてドリブルをする事がよくある。

1 僅かな隙を見つけて、(時には隙がなくても)ドリブルであわよくば突破、シュートしようと試みたり、敵陣に変化を起こしてチャンスのきっかけ、糸口を作ろうとする。

2 ドリブルで相手を一人2人引きつけて敵陣を手薄にしてパスを送ろうとする。

3 ドリブルしたあとにスペースを作って味方に利用させるなど。


[各地域でのドリブルの可否?]
ピッチを三分し自陣(味方ゴール前の守備ゾーン)、中盤(ハーフラインの両側の地域)、敵陣(相手ゴール前の攻撃ゾーン)と呼ぶと、

1 失敗は失点につながる恐れのある自陣内、守備ゾーンは原則としてドリブル禁止!

2 中盤は主にパスで通過!ハーフラインを越えると守備を崩し突破する為にドリブルも必要だが、一人で長くキープすると、敵が次のパスを読みやすいし守備を固められる。

3 ペナルティラインの手前から敵陣内、攻撃ゾーンはドリブルが必要不可欠で、目的は突破得点、隙あらばすかさずシュート、得点するぞと決意してかかれ!それが無理なら味方へラストパス、粘ってチャンスメイク!仕方がなければボールを味方に戻せ。


[注意]
以上の原則を守ってドリブルかパスか正しい判断選択をしなければならない。

1 相手が困る致命的なコースへドリブルせよ!相手が取れない所へボールを動かせ!

2 ドリブルするがいつも何も役に立っていないとか、何をしたいのか不明なものもある。始める迄に何をするのか決めておけ!アイディア、計画、目的を持ってドリブルせよ!例えばこちらへドリブルして敵を引きつけて逆へパスしようと決める。突破する時は、先ず第一にシュート得点、第二ラストパス、という順序で二つ用意してかかる。

3 ドリブルは最後が肝心、必ずマイボールで終われ!相手ボールにするな!
◎ 上級になると、それだけでなく、チームが試合を有利に運んで敵の守備陣を崩して破る為に、何処でどのようにどの程度にドリブルとパスを使い分け組み合わせ配分するか、指導者だけでなく、選手各自も頭脳を働かせてプレーする事が必要になる。例えばパスにせよドリブルにせよ、単調で効果がないので変化をつけリズムを変える。敵に手の内を読まれているのでやり方を変え敵の意表をつくなど。


[いわゆる持ち過ぎの矯正]
 持ち過ぎには、周りが見えず判断選択ができない、持ちたくてパスが頭にないなどがある。必ず何回かボールタッチしてからか、少しドリブルしてからでないとパスやシュートをしない選手もいる。
 それで指導者が、持つな!早く!と怒ってばかりだと、選手は怒られないようにするだけになって、ドリブルかパスかの判断選択力は身に付かない。私は叱責や命令ではなくて、いろんな練習法を使って、彼が自分自身でそれができるようになるように工夫した。 ツータッチやダイレクトでのパスゲームでは機敏に決断させる為に、競り合い以外でのスリータッチ反則を厳しく取り、(後述予定の)必ず指定したパスを使わないといけない実戦的練習や、ラストパスからの得点だけ認めてドリブル得点禁止とか、2人抜きは反則などの条件つきミニゲームも大いに有効であった。
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2010年12月21日

試合で役立つ練習を!

 私が指導した頃の枚方FCでは小学生は学年別、中学生2〜3、高校生は1〜2クラスあって多いときは合計300人くらい。練習は小五以下が週1〜2回、小六、中学生、高校生は3回。土曜日は低学年が2時から始め、ほかは夕方5時からで大体1〜2時間半。
 だが借用した小学校の校庭が狭いので木曜が小六と高校生の練習日だと、小六が先に始めて、高校生は少し場所があく6時頃からになり終わりが8時前になってしまうので気の毒だった。本当によくやってくれたと思う。保護者のご協力に感謝している。
 練習内容は少しずつ異なり、小六中高生は最後のミニゲームに30分以上とった。やりたい事が山ほどあり時間不足だが最高の成果をあげるようありったけの知恵を絞り、いやでも上手くなるように練習法を考案工夫した。参考になりそうなものだけ紹介する。

ボールリフティング(ジャグリング)
 ボールつきでの柔らかなボールタッチと身のこなしは全てのプレーに役立つ。でも回数を競うコンテストは盛んだがボールつきそのものは試合中あまり実用されていない。それが残念で、枚方FCでは試合で役立つように動きを加えたプレーを練習した。
 通常、長時間利き足のインステップでついて、「苦手な足もやれよ」と言われるだけだが。うちは右足だけで、左だけで、両足でと指定して、インステップだけでなく、インサイド、アウトサイドつきもやった。だが他の練習もしないといけないので長時間はとれないし、初心者はすぐ飽きるから3分くらいで次に移っていった。あとは自習できる。

<基本練習>
1. 足で10回以上つけたら、額、腿でつく。肩や腕を入れたり組み合わせたりして。
2. 右インサイド、左アウトサイド、右インサイドと交互に。その逆も。
3. 足で高くつき上げ落ちてくる迄に一瞬両手を地面につけて、落ちてきたのをつく。
4. 時々ボールをインステップにのせる、同様にインサイド、腿、胸、額に。
5. 慣れたらボールを足ですくい上げてつく。
6. (周りを見る習慣づけ)2人組んで、1人がつきながら相手が出す指の数を読む。
7. つきながら歩いて前進、後退、横這い、ジグザグ、それを駆け足で。
◎ 練習日には何10回もつけるつき方はしないで、他のつき方やプレーを練習すること。

<実践的に応用>
8.2人組んで、軽く妨害する相手にボールを取られないようにつき続ける。
9.(a)駆け足つきからボレーやハーフボレーシュート
(b)いろんな方向からのボールを空中で受けツータッチで、振り向きざまでシュート
10.(a)2人組んで、1人数回ついて浮き球パス。前進、いろんな方向に移動。
(b)駆け足つきで浮き球パスからシュート、ワンツーから。
11.横からのボールを高くつき上げ反対側に落としてシュート。
12.後方からのを半身でアウトでオーバーヘッドさせて前方へ落ちるのをシュート。
13.ゴールを背に足でつき3回目にオーバーヘッドさせターンして落下地点でシュート。
14.足で高くつき上げ前にいる相手の頭上を越えさせて走り込みシュート。後方からボ    ールをヘディングで相手の頭上を越えさせて落ちてくるのをシュート。
◎ こういうプレーは難しいが、練習しておくと、試合中、咄嗟に身体が動いて応用できる事がある。使う機会がなくても練習すると巧さが増すのでやっておくとよい!

トラッピング(狭義のボール・コントロール)
(原則)トラッピングは、シュートする為にトラップするという具合に、次のプレーの始まりで、そのプレーにすぐ移れて成功するようにトラップしなければならない。
1. その前に周りの状況やゴールを見ておいて、トラップしてどうするのか決めて、
2. ボールに走り寄り、次のプレーが上手くできるようにワンタッチで柔らかく勢いを殺してピタリと止めて、すぐさま顔をあげて見て(ルックアップ)、次のプレーに移る。
◎ 状況や目的に応じて、スペースへ大きくトラップしたり、トラップしながら2、3歩前進して敵をおきざりにしたり、横に動いてかわしたりする事もある。
◎ 理想は、状況判断に基づき臨機応変、ボールを意のままによい所に止めたり置いたり動かしたり自然に出来るようになる事だ。突っ立ってボールを足だけで操ろうとするのでなく、膝と身体全体を柔軟にリズミカルにボールの動きに合わせていかねばならない。

<基本練習>
15.(a)2人組んで前から足もとに投げられたボールを左右の足の裏で柔らかくワンタッチで止め、素早く相手を見て返す。インサイド、アウトで止めて。インステップにのせて。
(b)2、3メートル前や2.3メートル横に投げられたボールに走り寄って。
(c)以上の練習で右で止めて左で返す、逆も。アウトを除く。
16.(a)(b)同様に投げられたのをヘッド、胸、腿で受けてボレーかハーフボレーで返す。
(c)後退しながら投げたボールを、前進しながら受けて返すのを続ける。
17.(a)自分で投げあげて(ついてヘディングで)前、横や後ろにトラップ。
(b)3メートル前や横、後方に投げたのを違う方向にトラップ。
(c)座っていろんな方向に投げ上げたのをトラップしシュート。
18.駆け足前進する選手にコーチが横からいろんなボールを投げてトラップしシュート。
19.(a)前から投げられた頭を越えるボールをトラップして返す。
(b)それを向き直りながらトラップしてシュート。
20.コーチがいろんな地点からキックしたボールに走りよりトラップしてシュート。
21.3人組んで、Aが投げたボールをBが足、胸で受ける練習に、近くから軽く妨害する選手Cをつける。Cは1:1でなくBの良いプレーは見逃して失敗したらボールをとる。

<実戦的にフェイントしてトラップ>
22.(a)2人組んで、前からのボールを右へ動くようなフェイントから右インサイドで左へ出て行くようにトラップ、またはトラップしてから左へ。
(b)左へ動くとみせて右インサイドで右へ出るようにトラップ。または止めてから右へ。
(c)左へフェイントして右アウトで右へ。左は逆。
23.(a)3人組んで、ABの10メートル前にC、AはCにボールを投げてから、Cに迫り軽くおどかし妨害するが、しつこく追わない。チャトラップしてからAをかわすか、フェイントしてトラップでかわしてBにパス。Bはパスを貰うために少し動いても良い。
(b)2人組んで、Aは投げてBに迫る。Bはフェイントしてトラップで、またはトラップしてからAをかわしてシュート。トラップで敵をかわせるのがベスト!

 ◎ボールを見てプレーするのは当然だが、試合中はボールを見ながら周囲も同時に視野の端で見る間接視ができないといけない。迫ってくるAを直接、間接に見ること!

<横からのボールを受け相手を背に回転して逆へ>
正面に向かっていて右横からパスがきた時、通常相手をブロックして右足で受けて前進するが、それと違う処理法を練習する。
24.右インサイドで受けてボールを右足につけたまま左軸足を中心として身体を時計回りに180度以上回転、ボールを反対側ないし正面へもっていって左足シュート。真上から見ると3時で受けたボールは円を描き、9〜12時に来る。左からは逆。
(a)これを3人組んで練習する。正面へ向かっているBにAが横からパス。Bは受けて回転して(シュートの代わりに)正面のCへパス。
(b)要領がわかったらコーチが横からパスして選手は受けて回転してゴールへシュート。
(c)できるようならマーカーがつき軽く妨害する。受け手はマーカーをブロックしてボールタッチ、マーカーを背にスクリーンし回転してシュート。

<向き直りからシュート>
25.試合中、パスが来る直前に自分の背後を見てノーマークなら、後方からパスされたボールに走り寄って右足で受けたら時計回りでトラップしながら向き直り左でシュートする。左足受けは逆回り、右でシュート。ボールを引いたり横に動かしてもよい。
26.(a)背後からマークされていたら、バックパスするか、フェイントしてマーカーをかわして向き直らねばならない、ABCDは両端がADの一直線上、中央にBC。AB間とCD間は10メートル以上。Aが後方からBにパス、Bは背後からCにマークされていて、自分の右へ出るようなフェイントから右足インサイドで受けて、時計と反対回りでCをかわして向き直り逆へ出て前方のDにパス。マーカーは軽くついているだけでフェイントにかかってやる。次はDがCにパス、Cは同じプレーでマーカーBをかわしてAにパス。左足インサイドで受けるときは全て逆。
(b)同様に左へフェイント、ボールを右足アウトで受けて時計回りで向き直り、逆へ出てパス。逆は右へフェイント、左足アウトで受けて反時計回りで向き直り逆へ出てパス。
(c)要領がわかったら密着マークし妨害を少し強める。フェイントやかわし方は自由。
(d)ゴールありで密着マークされての1:1に進む。

 ◎試合中、ボールを扱っている時や、今にもそうなりそうな状況だと、なかなか背後を見る事ができないので、敵に背後から密着マークされると、その気配に自分で気づいて妨害やタックルを早めに感知して対応するしかない。だがこれは至難の技で体得に長年の経験が要る。この練習法は、私が学生時代苦しんだ経験から、これは幼少から実戦的練習で密着マークに慣れて必要な感覚を身体で覚え対応打開力を培うしかないと考え独創したもので、実施したところ狙いは的中、選手はマークに平気で対応できるようになった。
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2010年11月22日

教程の考案

[欧米人は試合(ゲーム)から、日本人は練習からサッカーに入る]
 この警句は慣習の違いだけでなく両者の文化、サッカーの歴史や本質を物語っている。
欧米の子供は先ず道路や空き地でストリートサッカーをして遊び、小学生になるとクラ
ブに入り好きな者はサッカーを続けて大人になる。もともとサッカーはそうした遊びか
ら自然発生して発展進化したものだから、正式の試合も子供の遊び(ゲーム)とつなが
りがある。  

 だが古来、スポーツが無かった日本ではサッカーは東京で英国人が教えたのが始まり
で(1873)、欧州と違って遊びやクラブでなく、学校サッカー部で教わり練習するもの
になった。ところが厳しく鍛えられるのに試合になるとなかなか上手くプレー出来なか
った。  
 
 というのは、日本一を狙うような強化チームは別だが、大多数のチームは伝統的に走
るのと基本的練習ばかりで殆どゲーム的な練習をしないで試合に出たから、柔道で投げ
の型の練習だけで1:1の乱取り稽古を殆どしないで試合で戦うようなもので、いくら怒
鳴られて頑張っても練習したプレーが試合で通用しなかったのである。  

 その点、欧米の少年は逆で、幼少から試合を見て、遊びでも練習でもゲームをやるの
でゲーム慣れしているから、基本練習は退屈してさぼっても、ゲーム的な練習や試合に
なると自分で思うように出来るので、喜び勇んでやる気になっていきいきプレーする。  
 
 まさしくゲームから入るのと練習からのと差異である。学校で英語を何年習っても英
会話が出来ないのに、向こうで生活すると出来るようになるのと同じで、サッカーはゲ
ームなのだから日本のように基本的な練習ばかりでは駄目だ。ゲーム、つまり試合は無
論のこと、遊びや練習を含めて敵との戦いを相当体験しないと実戦力がつかないのであ
る。  

 極端な例が南米で、日本は明治時代に渡来したサッカーを学校教育に入れて実直に基
礎から始めたが、同じ頃、南米ではやってみると面白いものだから教育も基本もない、
子供の遊びと大人の草サッカーというまるごとサッカーでゲームに明け暮れるうちに、
まるでサッカーが遊びから進化した過程を辿るように上達して欧州を凌ぐ勢いになった。
だから彼らはサッカーは教えたって駄目!遊んでいると上手くなるんだ、と日本を馬鹿
にした。

[幼少年はゲームで始めよう!]  
 戦後、欧米を見習ってクラブが出来たが、実体は学校サッカー部と大同小異で少年サ
ッカー育成に成功した私の経験から直言すると、日本サッカーも始まってから百年を越
えたので発想を転換して、欧米のように幼少年はゲームからサッカーに入り、いきなり
英会話的にゲームを始めてずっと続ければいいのである。  

 練習日の最後に3:3、4:4などミニゲームをして適当に相手を変える。ダンゴなって
もいずれほぐれるから、そのうちに幼いなりに、「自分で周りを見て考えろ、攻めるだ
けでなく危ない時は皆で守れ」、などと教えて、慣れたら人数を増やしてもいい。ボー
ルつきなど基本練習は飽きないように短時間で次に移る。そうすれば子供たちは面白い
のでサッカー大好きになり必ず自分で努力して工夫するようになる。これがコツである!

[目標とする選手像]  
 小学三年生頃から教育を次第に本格化して、どんな大人の選手に育てるか、目標の選
手像から逆算して、指導育成方針や練習法などを割り出す。 例えば、日本選手の欠点
(圧迫妨害下でボールを持てない、1:1の弱さ、自主性、創造力、度胸の不足、突破得
点力の無さ)を無くして、欧米選手の長所(周りを見て意図を持ってプレーしミスを恐
れずトライする、創造力、意外性、得点力、1:1の強さ、フェイント、ずるさ)を加え
た選手を目標にすれば新しいタイプの選手が生まれる。

[技術戦術修得の順序]  
 サッカー教育を幼時に始めるのは早く大人のサッカーを仕込む為ではない。妨害下の
ボール扱いや1:1は幼時からボールに馴染まないと上達しないし、従来の基本技以外に
もっといろんな技能が必要で、感覚や智能面も独特で早くからゲームに慣れて実戦的経
験を積み、判断工夫力、打開力をつけて一人前になるのに10年以上かかるからである。
その際、次のような理由で優先順位に従ってかからねばならない。

1. ドリブル、ボール扱い、1:1などの感覚、細かい技術戦術を体得するには幼少から
始めて実戦的練習をずっと続けないといけない。大人になってからでは遅い。

2. 幼少では無理で少し成長してからの方が上達し易いものがある。例.短いパスは小
学生でできるが、ロングパスや広い展開攻撃は総合力から中学生の方が良い。

3. Aを身につけるのに必要な事がB習得の邪魔になる場合はBを先にする。例.ボールを
離すパスはボールを持つ一連の技術(ドリブルなど)の会得にマイナスに働き易いので、
ボールを持つ方を先に始める。守備は自然に近いゾーン・ディフェンスが先、マン・ツ
ー・マン・ディフェンスを後にする。並行して練習する場合は先にやる方に重点をおく  

各種技能は優先順位、難易度の順に練習すると年齢的成長に調和して身につき易いので、
原則として練習は容易なプレーから始めて難しいプレーに進む。その際、敵なしで練習
して多少できるようになったら、実戦的練習に移り敵ありで練習して実戦力をつける。

1. 練習の進め方、組み立て方止まっていてプレーから、走りながら動きながらのプレ
ーへ、それをスピードアップ。フリーでプレーから、敵に軽く妨害されながらのプレー
へ、妨害を強めより実戦的に。単一のプレーから、数種目の複合プレーへ、それを敵あ
りで実戦的に。

2. 種目別の練習(原則ABの要領で)ボールを持つプレーから、ボールを離すプレーへ、
パスへ進む。(自分でやり抜く)個人プレーから、味方と組んでやる連係プレーへ(味
方を助ける、味方を利用する、味方を活かす、良いプレーをさせる)、さらに組織プレ
ーへ。ショートパスからロングパスへ。単発単純なパスから複数複雑なパスへ。ボール
・テクニックから、ボールなしのプレー(ポジショニング、パスを貰う動き、サポート、
フォロー、三人目、おとり、スペース作りの動き、マーク、カバーなど)へ。

◎ ドリブルとパス、個人プレーと連係プレーの練習を並行してもいいが、ドリブル、
個人プレーが上手くなるように。但しパスや連係の指導修得が遅れ過ぎてはいけない。

3.試合の一部を練習(特定戦法の実習、一場面の再現練習などを含む) 
1:1→2:1→2→3:2→3:3へ、さらに人数を増やして。 各選手共通のプレーから、
ポジション別のプレーへ。 ゾーン・ディフェンスから、マン・ツー・マン・ディフェ
ンスを加えた守りへ。 ミニゲームの人数を増やしていって11:11へ。 局地戦から広
く展開しての攻守へ。遅攻撃から速攻へ(逆でも可能だが)。
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2010年10月21日

少年期の育成構想

[同じ失敗を繰り返さないために]
 40歳で少年サッカー育成を始める時、学生時代、気をつかって能力を出せなかった後悔から、「彼らに自分の二の舞いをさせてはならない。スポーツは面白いからやるものだ。叱ってやらせるのではなく自由に楽しくのびのびプレーさせよう」、と決意した。だが従来の教育法では代わり映えしない。やるからには優れた個人技を持ち個性的で創造性豊かな、お互いのアイディアでこれまでと違う面白いサッカーを展開できる大人の選手になるように育てたい。そこで全て白紙に戻しゼロから出発して、欧米の遊びのサッカーや練習法などを参考に自分で考案工夫して育成していった。
 だが指示どおりにプレーするよそと違って、子供たちが自由にプレーし自らの裁量で試合を進めるのだから幼稚で初めは負けてばかり、馬鹿にされて随分異端視されたが、小学六年生頃から勝てるようになり、薄暗い照明下、長さ50米の狭いグラウンドで練習した苦労が実り中学生になると予想以上に上達した。ユースになると日本クラブユース選手権大会で、日本リーグ読売などのテストで選ばれて鍛えられたエリートのユースチームを破って優勝2回、準優勝2回!ユース代表も出て注目され、サッカー誌に、「独自の少年教育法は日本サッカーに光明を与えるだろう。疑う人は枚方へ行って教え子たちの創造力に溢れたプレーを見て頂きたい」、と絶賛された。恐らく前代未聞の記事だろう。
 マスコミの取材が続き協会や他のクラブから見学に来訪、少年サッカー界の第一人者、清水の堀田先生に日本サッカーの基礎を作ったと言われるやら大騒ぎで、サッカー誌に理念、練習法などを連載した。でもたまたまそうなっただけでもともと私には野心も功名心もない。いわば実験的育成で、ただ少年たちがサッカーが大好きになって思いきり上手くなって欲しかったのだ。お陰で育成法もわかったし信じ難い大成功で感無量であった。

[幼少年期は個人育成]
 子供は学校教育を受けて大人になり社会に出て働く。サッカー教育も同じように少年選手を18歳頃にどんな大人のチームに入ってもそつなくプレーできる選手に育てあげたい。技能には幼少で覚えないといけないものや習得順序もある。だからサッカーも学校教育のように易しい事から始めて小中高と成長とともに年齢相応に次第に難しい事を段階的に学習していくのが順当で、たとえチーム強化の為でもそれをしないで一足飛びに子供に大人のサッカーを仕込むのはよくない。
 ところが指導者の会合で私が、「少年期は個人育成」と言うと、「サッカーはチームスポーツだ。指導要綱でサッカーの授業でチームワークを教える事になっている。私は教育者だからチームを育てる。個人育成は間違いだ!」と即座に一蹴された。だが授業はさておき選手を教育するサッカー部やクラブはそれだけではなく個人の育成が不可欠だろう。
 すると今度は、「チーム育成が個人育成にもなる」と断言された。でも実際は指導者は強チームを作る為に必要な技能や攻守だけ懸命に仕込む。自分の考えでプレーすると叱られたりするので、教えられ命じられた攻守やポジションしか出来ない選手が多いが、試合は指示どおりにはいかないからそれでは無理で、大人になって困るのが目に見えている。
 サッカー選手は試合中、いつ何処でもどんな状況でも臨機応変にいろんな役割を演じねばならないので、独りでも対応打開できる優れた個人力、つまりもっといろんな技能や感覚、判断創造力などのサッカー頭脳とオールラウンド的攻守能力が必要で、それを体得するのは少年時代しかない。にも拘わらず従来の教育にはそれが殆ど欠けていたのである。
 それにサッカーが盛んな欧米の選手は幼少から沢山試合を見て目が肥えている。教える事ができない日常生活の智恵は教師なし学習といって子供が自ら経験で覚えるしかないのだが、サッカーも同じで、彼らは遊びとクラブで、必要だが教える事が出来ない感覚やずるさ、損得の駆け引きなどを体感し体得していくので、サッカーの実体が良くわかっている。これは遊びがなく教わるだけの日本選手の多くに無いもので矢張り身につけるべきだ。

[育成するのはチームプレーができる個人]
 個人というと勝手気ままな選手を想像されるが、私が言う個人はサッカー選手なのだから個人技、個人力をつけるだけでなく、当然、連係、組織プレーなどが全てできてチームの一員として活動できるように幅広くいろんな攻守とチームの戦法やポジションなどをこなせる選手に個人を育成するのである。
 教育サッカーの日本は初めにチームありきで、チームと個人は相反するもので両立できないという固定観念があるが、本場の欧米では強烈な個性の選手が個人プレーとチームプレーをうまく使い分け併用している。頭から個人プレーが非難排斥される事も無い。
 でも流石にプロは個人力の強い外国人選手を雇う。本当はどこでも上手で強い選手が欲しいのだから、そういう選手を育てればいいのに、大人になってからでは手遅れで、幼少からだと底辺もチーム一辺倒の教条主義で個人育成反対だ。一人ひとり優れてないと優秀なチームはできないので、個人育成は間違い無くチーム育成に役立つのに理解されない。
 私の少年教育は従来と逆で、チーム育成も個人育成の一環だ。子供たちは指示で行動させられるのでない。毎回やる自由なミニゲームで自然に攻守や味方との協力連係などを、実戦的練習で戦い方などを身体で覚えていく。試合ではそれぞれ自ら考えて行動するのでチームも年齢相応の幼稚なチームでスタートして、彼らの成長上達につれてチームも成長向上していくわけだ。教えたりアドバイスはするが、自発自得が原則で強制はしない。

[基本方針]
 目標の大人の選手像は冒頭に述べた。私の少年サッカー教育は個人育成で、スキル、実戦力とサッカー頭脳の能力、特に自立創造性の向上を図る体験教育である。
1. 選手は自立自発、自得創造!試合も練習も上からやらされるのでは駄目!自分から進んでやること!何事も受動(受け身)でなく能動(自発行動)で!
2. 試合も練習も少年たちが面白くできるのがよい!幼い最初からミニゲームを毎回やるとサッカー大好きになって自然に自立し自発的になり向上心が起こる。これがコツだ!
3. 選手主動!試合は選手が頭脳を働かせ協力しあって進めること!試合は監督と選手の合作(オシム)で、選手は指示に従う立場だが、試合中、指令どおりに実行するか否かは、選手が判断して決めること!その旨、指導者は了解して頂きたい。
4. 従って試合を自主的に進め得るサッカー頭脳の良い選手に育成する!教え過ぎ、過干渉は選手の自立を妨げて考え工夫しなくなるので禁止!野性、積極性もなくなる。
5. 選手は臨機応変に攻守両方が、単独でも、連係して組織でも上手くできて、どんなポジションでもこなせるオールラウンド・プレヤーを目指すこと。
6. サッカー選手はゲームの中で育つので、練習は全習(ミニゲーム、試合的実戦的練習)を多用!分習を従とする。技術戦術修得は優先順位で行い、次に実戦的練習で試合で通用するスキル、実戦力を身につける。(プレーでは技術、戦術、感覚、頭脳の働きなどが一体となって発揮されるので、別々でなく一体化したスキルとして身につけること)
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2010年09月21日

サッカーはゲーム

[エンジョイ]
 日本のサッカー選手はフォア・ザ・チームで頑張ってきたが、最近は気の張らない試合だと、楽しもう!とか、楽しんだと言う声も聞こえる事があるらしい。
 欧米人は試合で闘志満々、日本人以上に真剣にプレーするが、こちらは尋ねると必ず、エンジョイした、と答える。もっとも何かにつけてエンジョイと口にするのでいろんな意味を含んではいるが、彼らは人生を楽しく送りたいから楽しくない事はしない。
 確かに、体格体力に恵まれ自我、自己主張の強い彼らが、ルールで守られたピッチで激しく戦って闘争心を満たし、勝つために智恵を絞り技能を発揮しやりたいようにプレーして自己表現できるのだ
から、これほど楽しい事はない。楽しむといっても彼らのエンジョイは我々の娯楽遊興や団欒での楽しむと全く違う。思い切り暴れまくってエネルギーを発散する快感に近いようで、観客も選手と一緒
になって巧技激闘を見て興奮し楽しむのでサッカーはいつどこでも大変な人気である。
 最近、私が一読、さもありなんと思ったとても痛快な記事を紹介したい。
 1970年、メキシコで初めてW カップに触れた。各国の選手たちは日本とは大違い!極めて我が儘で若くても堂々と振る舞い、譲れないところは譲らずプレーヤーとして強いものを持ち、まるで個人競
技の選手のよう!同じユニフォームだから一つになっているだけという感じでチーム内は一触即発、花火や爆竹がバンバンいってる。それぞれ爆弾みたいなもので強烈な個性が出て勝手に爆発しちゃう。
 それがチームの力となる。人々も日本のように整然美でなく、優れた体力、技能、アイディアを備えた彼らの爆発に魅力を感じ混沌の中にある勝利が一番と思っているのだ!日本選手にも爆発してもらいたい! 山本浩

[ゲームをしてない?]
 以前、アルゼンチンの名監督メノッティは日本の試合を見て、「何故あんなにゴールへ直行するのか?サッカーは、あっちへ行って戻って、また行って戻って遊ぶ。そうして相手の気を散らせて、隙ができたら攻め込むゲームなんだ!」と言った。
 もっともな指摘だが、日本は独特で、遊びに由来する欧米サッカーと成り立ちからして違う。それについては後述するが、彼らの試合ぶりには思い当たる節があった。ワールドユースで欧米選手がま
るでトランプをしているかのような頭の働かせ方をしていたからだ。
 調べると欧米ではサッカーの試合はゲームで、ゲームには勝負事、遊戯、駆け引き、策略などの意味があり、彼らはサッカーもトランプもゲームなので同じような頭脳の使い方をしていたわけだ。プレイにも競技する、勝敗を争う、遊ぶ、自由に動くという意味があり、彼らのサッカーがどんなに真剣でもゲーム(遊び)なのだという事が良くわかった。
 明治時代、欧州サッカーは世界中に伝えられ、南米では欧州同様遊びで民間に広まり選手が作り出して楽しむ南米サッカーになったが、日本は渡来した英国サッカーが学校教育の中で武道精神サッカー芸的に日本化され独自のチーム原理主義的サッカーになったので、スポーツは楽しむもの、サッカーはゲーム(遊び)だ!という本質は伝わらなかった。
 だから今でも教育者やマスコミがよくスポーツを誇らしげに文武両道の武になぞらえる。武とは軍事、戦闘、武道の事でサッカーという球技まで、武、つまり戦争の戦いになぞらえているわけだが、
文武両道と言われるとまんざらでもないのか、否定も抗議もいっさいない。現に外見は欧米スタイルになってきたが、武道的な精神主義もあるし、欧米人が愚行と見るゴールへの直行反復に至っては日
本人なら誰でもできる伝統的突撃戦法で玉砕美学だ。メノッティの指摘どおりゲームではないのである。

[日本の大組織は軍隊と同じ型だ!山本七平]
 昔は先生は指導しなかったが、戦後、熱心な指導者が増えて勝利至上で厳しく教え込み鍛えて指令で行動させ、戦うチームの典型である軍隊のようになっていった。指令違反やミスした選手が殴られるのを何度も見た。強チームでは練習前に数キロ走らせたり最後に100 米走を数十本やってビリを竹刀でたたく。倒れる者もでるが、耐えないと一軍になれない。それでも保護者は感謝しているそうだ。
 皆さんはご存じないが、そうして鍛えに鍛え苦しめて耐えさせるのは、指揮官の意のままに動く強い兵士を作る日本古来の伝統的訓練法なのである、頭を使ってチームを動かすのは指揮官で、兵士は
命令に従うだけだから知能を高めることはしない。
 以前、ブラジルで明大野球部の監督が選手を殴って問題になったが、高校サッカーチームのアルゼンチン遠征で熱血先生がミスした選手を殴ろうとすると、向こうの人が飛んできて、虐待で問題にな
るから!と止めた。欧米人選手は日本の指導者が選手を殴るのを理解できない。サッカーと関係ない。
殴っても上手くならないよ!と言う。
 この根は深い。日本人は頭も悪くないしデリケートなくせに暴力に鈍感だ。相変わらず愛の鞭が好きでTV番組で希望者がプロレスラーに殴られて喜ぶ。かつて日本の軍隊では殴打されて強くなると
公言して下級兵士は連日殴られ、海軍では軍人精神を入れると称して精神注入棒で叩いた。学校でも教師がよく生徒の頬を平手で張り飛ばしたものだ。
 いまだに学校やスポーツで暴力が続いているのを見ると日本人にそういう劣悪な遺伝子があるのだろう。良い事はなかなか覚えないし伝えられないが、悪い事はすぐに覚えて伝えられていく。暴力を
絶滅しないと真のスポーツとは言えない。同質同調でない者へのいじめが続いているのに、いまだにコミュニケーション(人間関係)教育がない事も問題だ。

☆ 日本の教育は日本の軍隊と同じ、失敗を分析して二度と同じミスを冒さないようにしようとする発想がそもそも無い!中津遼子

☆ 日本人は集団主義!グループ主義!群れて安心して異質を認めず皆で排除する。欧米と違ってもともとコミュニケーション、人間関係の教育が無いのだ!ヤンソン由美子

◎昭和44 年(1969)から20 年間、枚方フットボールクラブで独自の少年サッカー育成で成果をあげて、長沼、川渕前日本協会々長にもパイオニアとして認められました。故松木さんにすすめられて始めたこの連載も既に4 年、魅力的で優しかった松木さんが今でもグラウンドに立っておられるような気がします。小生の方は馬齢を重ねて81 歳、いまだに下手なプレーをさせてもらって暁の皆さんに感謝しています。幸い識者諸氏に今でも新鮮だと言われて書き続けてきましたが、次回から皆様のお役に立つように練習法などまとめて、来年いっぱいで終わりたいと思います。今暫くお読み頂いて少しでも参考になれば幸甚です。
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2010年08月20日

1対1はサッカーの原点

[技術、戦術、体力の乖離]
 以前、小学生のサッカー教育は中学生と同じだった。子供は無知で自由だと悪い癖がつくと言われたりして、熱心な指導者ほど早く正しい事を教えて理想とする大人のサッカーを命令的に仕込んだ。高校生になって絶対服従が難しくなると、大人になるのだから自分で考えてやれ、と理解も示したが、幼少から教えどおりにして来てなまじ自分で考えてやると、勝手な事をするな!と叱られた選手たちは、急に言われても指示には従わないといけないし戸惑って、結局、厳しい指導が続いた。
 いまだに階級制でレギュラーと上級生だけ戦術戦法を教えて下級生にはまだ早いと言って教えないとか、一年生は体力強化だけでボールを扱う練習なしのところさえ珍しくない。
 連日、長距離走で鍛えて長時間練習したが、敵なしの基本練習が主で、柔道で投げの型の稽古だけで試合に出るようなもので実戦のプレートは違いがあり、試合では苦労が実らなかった。試合ではトラップ、キック、など技術だけという事はない。敵をかわす為とか、パスする、得点するといった戦術的判断で技術を使うのだが、選手は何よりも先ずチームの戦法、指示に従って行動するので、それ以外に戦術的判断工夫をするのはよほど止むを得ぬ場合に限られた。戦術教育も教えて叱って命令するだけで敵ありの攻守練習やゲームはなかった。戦術を考案する事を智恵を働かせるのでなく知識を使う事と考えていたのだ。
 そんな教育の為に日本選手のプレーは型通りで教育臭が強くぎこちなくて、技術の頂点は20歳過ぎの体力の頂点から何年も遅れ、戦術力はさらに遅く体力が落ちた30歳以後になり、ゲーム育ちの欧米選手にかなり遅れた。各頂点はもっと早く一致すべきなのである。

[自作自演、全習]
 その点、欧米選手は自我、個性、自己主張が強く、日本のように分習に凝らないで、幼少からずっと試合でも練習でもゲームの中で自ら考え判断工夫してやりたいようにプレーして、体験から必要な事をまるごと身体で覚えて実戦的スキルと実力をつけてきたので、普通20歳で技能など全て一人前で自立している。
 本来、サッカーの試合は指示を受けた選手たちが自作自演で進めるものだから、彼らのように少年時代にどんどん挑戦し大いに経験を積んで向上していけば良いのだ。しかし日本は何でも教え指示してそのとおりにしないと叱られる。でも試合はそうはいかない。
 選手が敵と戦うとき、反射的、直感的に頭脳と身につけたもので自然に身体が反応して動くか、瞬時に頭脳が働いて即応的にプレーしないといけない事が多い。これは教えられないので、欧米のように幼少から遊びや試合はむろんのこと、敵ありのゲームや実戦的練習で全習し現場で戦いを体験して身体で覚えて力をつけていくしかないのである。

[パス重視と1対1軽視]
 日本式正しい教育で小学生に、ドリブルするな!1:1より2:1だ!ダイレクトパスだ!と教えると連戦連勝できる。だが小さい頃カモにされた相手は成長するにつれて守備力が強くなり、単純なパス攻撃を防げるようになって1対1の場面が増えてくるから、ずっとパスだけで来た選手は1対1が弱いので困る事になる。
 少年チームをパスで勝たせる指導は目先の試合や大会の勝利という近い目標を達成できる。しかしずっと続いてきたドリブルや1対1の軽視は、日本選手のそれらの弱点を強化し個人技の優れた大人に育てるという遠い目標達成を不可能にしてきた。それだけでなく、次に述べるようにパスサッカーそのものの向上まで阻んできたのである。

[先ずドリブル、1対1を!]
 1対1は軽視されているが、個人の全能力や実戦感覚、サッカーの頭脳が使われ、パスなどあらゆるプレーに関係があり、ボールを確保できれば試合の主導権を握れる。だから将来の為にドリブルと1対1の練習をもっと重視して、大人になって練習しても上達しないので、幼少からいろんな形でずっと続けねばならない。
 パスは少し大きくなった方が視野が広がり感覚、判断、キック、走力などが良くなるので、長いパスは小五以後でもよい。従って年少の間に先ずドリブル、1対1を練習して上手くなるべきで、パスは短いパスを正確さと判断、感覚を重視して練習するのがよい。ドリブルがパスか、の判断はミニゲームなどを続けていくと自然にできるようになる。

[1対1はサッカーの原点]
 欧州では今の教育された選手よりも昔のストリートサッカー出の方が面白いプレーをした、天才的な選手がいた、と言われている。遊びで子供たちは抜き合い、点の入れ合いに熱中し智恵を働かせて自然に自分で必要なものを身体で覚える。教育による画一化がなく、個性的、独創的に上達して自由に才能を発揮して実戦力をつけていく。ジダンやロナウド、メッシたちのように、それが大人になってものを言う。
 日本人の盲点はこの遊びのサッカーの価値や必要性を知らないことだ。器用な日本人が欧米人より下手なのは子供の遊びのサッカーが無いのと、指導者がボールを持たせないからで、自由にボールを持たせて、怒らないで見守ってやれば、必ず皆上手くなる。
 それに肝心のパスが下手で困る。早く速くと焦るのと、1対1に弱いので少し妨害されるとパスの正確なやり取りができなくなるのだ。強いと落ち着いて見て、無理ならキープして他を探し、状況判断して的確にパスを送れる。味方も次々にコースを作り上手く受けられるので、競り合い当たられても突破、シュートの可能性がある。この差は大きい。
 パス本位の大人の試合でも相手守備が強いほど優れた1:1などの個人技が絶対必要になる。難しいけれどそこで自信があれば意欲と勇気が湧き、余裕ができて成功率が高まる。
 例えば辛うじてシュートしたのでは通常得点できない。難しい状況で得点できたときは、シュートの瞬間、0.5秒あるか無いか、ほんの僅かだが余裕があったときだ。夢中でからだが動いたのだろうが、潜在意識に自信があるので慌てないで一瞬狙い定めたり、無意識にキックやボールタッチの微調整や相手に当てない工夫などが出来たのではないかと思う。
 日本選手に少ないこのスキルや対敵能力から来る実戦的自信と余裕が是非欲しい!得にシュート、得点の自信だが、まず何でもいい。上手くなって、この形になればいける、負けない、という得意なプレーを身につけて、試合で自信をもってプレーをして欲しい。それが出来たら余裕が生まれて頭脳が働き成功して、されに向上できる。

◎今回、W杯のスペインの変幻自在のプレーで、上記したように1:1やドリブルなど見事な個人技と自信、余裕が素晴らしいパスワークのもとになって、優れた個人の視野、判断、センス、駆け引き、動きなど、サッカー智能がそれを作り出す事がよくわかった。
 あのように選手たちが臨機応変に呼吸を合わせて自由に作り出すサッカーは、指揮してやらせる日本の指導者の発想にはない。選手もシンプルで頑張りズムのドイツサッカーの方が親近感がある。優秀な選手が2、3人では無理、6人以上必要だから、従来の教えてその通りにさせる将棋の駒教育ではできない。幼少からゲーム多用、自由度の高い放牧的サッカーの場と、すべて自分でやっていく自立自発創造性教育が必要になる。

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2010年07月20日

選手は戦いの中で育つ

[実戦力をつけよう!]
 サッカーは相手に激しく当たられるので大変だ。一瞬を争うので冷静さを失いがちで、急ぐあまりよく自分で失敗してしまう。
 そこで枚方FCでは妨害されても慌てないでプレーできる選手になるために、先ず敵との戦いに慣れるように初心者から必ずミニゲームと1:1をやった。そして小学三年生頃から、心技体に智を加えたいので対敵動作、技能の習得と同時に、周りや状況を見て考え判断工夫してプレーする事を少しづつ教えて、それが、習慣になるように指導していった。
 ミニゲームや敵ありの実戦的練習を続けるのは、サッカーは試合なのだから、畳の上の水練でなく水中で練習しないと水泳選手になれないように、絶えず試合やミニゲームの中で敵と戦って成長していかないと本物のサッカー選手になれないからである。
 欧州でプレーした中田英寿は、「日本選手は練習では上手い。世界一だが試合では出来ない。技術を使えない。使い方を知らない」と言う。プレーで練習がわかる。毎日長時間練習するので敵なしだと上手いが、敵ありで練習しないから試合になると出来ないのだ。
 実戦的な事は教われば出来るというものではない。精神力や智恵、感覚、スキルなど試合に必要な技能の総合を実戦力と呼ぶと、試合で臆せず意図をもって活動できる実戦力は、結局、戦いを、それも長年無数に体験して身につけ自ら磨き高め強化するしかないので、幼少から試合とミニゲームや実戦的練習をいっぱいさせないといけない。
 本場欧米ではそれが自然に遊びとクラブで続けられてきたが、日本は輸入スポーツの為に体験教育の必要性がわからなくて殆ど行われなかった。この違いはいまだに大きい。

[指示は命令ではない。チームは軍隊ではない! オシム]
 試合中、選手は指導者の指示に完従しないで自分の考え判断でプレーしてよい。というよりそうしないといけない。
 例えばサイド攻撃を指示されたが、中央が空いているのを見つけたら素早くそこを突く。チャンスなのだから、指示になくても指示にそむいてでもチームの為に当然やるべきで、欧米ならサッカーで遊んでいる子供でもそうする。だが日本の少年サッカーではチャンスと気づいてもそうしないで、指示されたサイド攻撃しかしない選手やチームが少なくない。
 理想のチームを作りたい指導者は選手が指示以外のプレーをすると怒るから、少年選手は指示された事しかしない。そのため自由にチャンスを見つける、作るといった創造性、自分で創意工夫してプレーする能力がつかないので、大人になっても守備はともかく攻撃が下手で、特に得点が苦手だ。日本選手共通の弱点で少年教育の改善が必須である。
 それに型どおりの攻撃だけではなかなか守備陣を破れない。選手たちがそれ以外に積極的に突いたりかき回したりいろいろ攻撃を仕掛ける事が絶対必要なのである。1:1やロングシュート、ドリブルなどの個人力は強いほど良いし、組織攻撃も個人が上手くやってこそで、当然、選手の自由度を高め個人力をもっと強化するべきなのに力を入れなかった。
 選手は指示に従わないといけないので、どの程度自分の思いどおりにプレーしてよいのかよく悩む。大事な場面でそれでは駄目だからストレスを無くさないといけない。それには指導者の意識改革が必要で、指導者が選手を動かすのでなく、試合は選手が考えて進めるものだ、という事を幼少の頃からハッキリ教えて自立自発、創意工夫させて思いきり活躍出来るようにのびのび育てれば自由奔放にプレーして攻撃力が増すに違いない。

[昔からあった教えない教育]
 創造性という言葉はなかったが、自発自得の教えない教育は次のように昔からあった。今と違ってむしろ教育の本筋だったように思われる。
 ☆三度問われて一度答うべし。多言するなかれ!道元
 ☆言葉は八分にとどめて、あとの二分は考えさせよ!伊庭貞剛
 ☆何も教えないのが一つの教えだ。本当の芸は身体で覚えるものだ!内藤国秋
要するに昔も今も、やらされてでなく自ら努力しないと本物は会得できないのである。

[欧米では?」
 最近、日本が学ぼうとしているスペインではシステムなど子供に大人と同じ事を教えるが、大体欧米の小学生教育はのんびりしている。ゲームも11:11でなく少人数に制限しているところがあるが、中学生から大人とほぼ同じになる。
 しかし、向こうには私の言う子供を自立させる為にあまり教えないといった配慮はない。欧米は子供でも自我、個性が強くて自己主張する。幼いなりに考えて自己流にプレーするので、教わったとおりにしないとか指示をきかない子供が少なくないけれども、日本のように教えた為に自分で思考工夫する事をしなくなる子供はいないからだ。
 ☆ソフトボール女子代表チームの女性監督(中国から帰化)は日本選手が黙々と服従するので驚いた。中国人は黙っていない。必ず口々にやかましく自己主張するからだ。

[自発自得できる練習法が必要]
 教えないでゲームをさせるだけか、とよく言われたが、少年たちは、私が智恵を絞って、やればいやでも上達するように考案した実戦的練習が面白くて熱中し、自分で考え工夫して上達したのであまり教える必要がなかったし、サッカーは教えられない自得するしかない事が多いが、充分教師なし学習したから必要な事は大抵会得した。だから私が黙っているのに上手くなると不思議がる人もいた。
 とはいえクラマーさんも、教えないと年取ってしまう、と言ったように、全てを体験する事は出来ないので、サッカーも教えて選手が教わるとおりにして覚える普通の教育と、あまり教えないで選手が自ら考案工夫する創造性教育と両方必要で、私も併用した。
 例えば、アルゼンチンのコーチはタッチライン沿いからセンタリングする日本選手を見て、「我々は切り込んでゴールライン沿いからゴール前か、マイナスの得点に結び付くラストパスを送るように教えている。日本は何故教えないんだ!」となじった。それはそのとおりで、常識的な事が高校生でまだ出来なければ教えて練習させないといけない。

 ☆ドイツのプロチームで、日本のように言われたとおりにプレーしていると、もっと自分で考えてプレーしろ!とよく言われた。元日本代表 奥寺康彦

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2010年06月19日

創造する楽しさ

 私が生まれた神戸は戦前のサッカーどころで、8歳から校庭、空き地は無論のこと、うちの前の坂道でもストリートサッカーに熱中した。六年生の頃には自分がサッカー向きのような気がして公式のサッカーボールを買って貰った。今と違って学校中で私一人だったが何しろ何しろ運動靴にすぐ穴があいてしまう。戦争中で物資不足の為に何か物をあげないと修繕してくれないので母は随分困ったに違いない。でもサッカーをやめろとは言わなかった。

[創造的プレーのすすめ]
 スコットランド・リーグでMVPになった中村俊輔は創造性豊かなフリーキックやドリブルの名手で先日出版した「夢をかなえるサッカーノート」が好評だ。近頃流行の何とかノートという題名の元祖は戦前の名著、哲学ノート(三木清著)で、1972年に私が出した日本で最初のサッカーノート上下巻がその次という事になる。38年前で俊輔君はまだ生まれてなかったのだから今昔の感がある。
 創造的プレーには日頃考えたものと、試合中に思いつくのとあって直感的に閃くこともある。相手の裏をかき意表をつくには鋭敏な感知力と機智、気転、それに相手を騙したりごまかしたりするずるさ、ブラジル人の言うマリーシャも必要だ。
 私は子供の頃から相手の意表をつくプレーが好きだった。意外性や創造的プレーは興味のない選手はしない。するのは遊び心というか、そういうプレーが好きとか面白がる選手で、遊びからサッカーが生まれた本場の欧米では盛んで喜ばれる。だが日本は遊び禁忌の学校教育と社会体育系のサッカー界だから枠外というか関心も要求も無い。
 選手もその種のプレーを知らないので、折角意外なパスなどやっても味方が受けてくれなかったりして、逆に、生意気とか変な事するなと怒られたり反感を買ったりした。
 意外性とか創造性と言っても実際は自由な思いつきだから子供でも出来る。やる方は簡単で、受ける方が慣れてないと難しい。その点、ブラジルなどは誰でもやるので慣れっこでいい。だから少年選手は皆創意工夫や意外なプレーをどんどんやって欲しい。枚方FCのように子供の頃からお互いに合わせられるようになると面白くなってサッカーが変わる。

[日本の子供にも自主自発性、創造力がある!]
 40年前、子供たちに教え始めたとき、かれらをこれまでと違う個人技の優れた創造性豊かなサッカーを展開できる選手に育てたいと思って、既成の全てを白紙に戻し自分で練習法などを考案して進める事にした。
 試行錯誤して落ち着いたのは、先ず第一に子供たちを一日も早くサッカーは面白いと大好きにさせる事で、練習日には必ずドリブルと1対1、ミニゲームか紅白試合をした。
 紅白試合やミニゲームで子供たちは始めボールに集まり団子になって、注意しても全然きかない。だが数週から数カ月経つとゲームに慣れてきて、自分で密集は拙いとわかってくると自然に団子がほぐれて、ドリブルとシュートパスが見られるようになった。
 そのうちに意外なことが次々に起こった。今のように大人の試合を見る事も少なく先輩もいない。教えてないのにセンタリングするものが出てきて、やがてゴール前でつめるものが現れ、さらに反対側からもつめるようになり、横パスに突破を狙う縦パスが加わった。
 もっと驚いたのは、例えば右からの攻めが上手くいかないと見ると、変更して反対側へボールをさばく、といったゲームメイク的にプレーする少年が自然に出てきた事だ。守備もずっと全員攻撃だったのが、そのうちに一人守り二人守り次第に人数が増えていった。当然とはいえ期せずして全く知るはずのないシステム発展の歴史を辿っていたわけである。
 彼らの変化と成長は、子供の頃からサッカーをやってきた私の経験や見聞を遥かに越えるものであった。その間、練習は普通にしたが、試合やミニゲームでは散開するように注意してもきかないので諦めて叱責や命令強制もしなかった。数週から数カ月経ってやっと自然に団子がほぐれて散らばるようになったのでそれから簡単な注意をしただけだ。
 子供たちは蹴って走るのがサッカーだと思っているので、「蹴り合いしないでドリブルで抜け!周りを見て自分で考えろ!」とか、「皆攻めるだけでなく、危ない時は皆で守ろう!」、などと時折おだやかに言った程度で、ゲームが始まると黙って見ていた。
 それでも彼らは始めるとやっぱり夢中になってそんな事など殆ど忘れてしまう。だから、結局、彼らは教えたからではなくて、自由なゲームが面白くて熱中して、彼らなりに経験を積みそれぞれ自ら考え判断工夫して少しずつ上達し成長して、ゲームの仕方もサッカーらしくなっていったのである。その後も順調に伸びて毎年の新入生もほぼ同じ道を辿った。

[創造力を育てる教育]
 欧米では昔から教えなくても遊びのサッカーで上手くなって優秀な選手が育った。私も自由なゲーム本位で育ててみてそれが本当だとわかった。
 古来、教育は厳しいほどいいとされてきたが、厳しく教えると選手はその通りに行動するようになるけれども、自分で考案工夫する事をしなくなる。教えたとおりにしろと怒ると怒られないように気を付けて言われるままになりロボットや将棋の駒になってしまう。
 だから創造性育成にはそういう兵士作り的教え込みでなく、少年たちに殆ど自由にミニゲームをさせて先ず彼らがサッカーが面白くて大好きになるようにする。そして自然に自分で考え工夫してプレーするように仕向けて、自立自発創造の習慣化を図るのがよい。

[子供はあらゆる可能性を秘めている]
 アメリカでは子供はあらゆる可能性を持っていると見ていて、創造性を引き出す教育では、教師は何も教えないで子供たちを自由に遊ばせる。すると、子供がある事に興味を持った場合、記憶、発見、創造などの能力は、興味を持たない場合の10倍伸びるという。欧州南米の遊びのサッカーはその好例だろう。
 私の上記の経験でもそのとおりで、面白く取り組める機会さえ与えてやれば、日本の子供にも必要なものを自主自発自得できる能力や創造力が充分ある事がわかった。子供は無知無能で全て教えて命令どおりにさせないと駄目だ、という従来の教育は間違いで、彼らをもっと放牧的に自由にプレーさせて潜在能力を発揮させ伸ばしてやるべきなのである。
 ただし、子供は急におとなと同じ事はできない。時間、年月がかかる。自由にさせると始めは見るに耐えないけれども、そういうトンネルを必ず通り抜けて少しずつ良くなっていくから指導者は焦らないで見守ってやって欲しい。根気と辛抱が必要で、考えやプレーが稚拙でも急がせたりむやみに叱ったりしてはいけない、内容やプレーより彼らなりに自分が見て考え判断工夫するという事が大切で、その習慣がつけば必ず伸びていく。
 だがそれがなかなか出来ないようで、或るコーチは自由にさせたらどんどん悪くなるので我慢できず、前のように叱って教える通りにさせたら直った、と語り、私の気が長いのに呆れる、と言った。だが指導者は満足でも実力は選手が自分で努力しないとつかない。

☆大人が口をださなければ、子供はすぐに元気になる! アニメ映画 宮崎駿
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2010年05月20日

教えないから自分で工夫しろ!

 その昔、師は敢えて教えず、弟子は見様見真似、自ら工夫に明け暮れひたすら名人上手を夢見て切磋琢磨、或いは一途に修行三昧、道を極めて名を挙げるに至る世界があった。

[突き放す伝統]
 世の中、日進月歩で人は大なり小なり変化に影響され適応しつつ生活していくが、武芸や工芸、芸能のように技(わざ)を芸と呼ぶ世界にはそれをよそに、古来、教えないから自分で工夫しろ!と突き放す伝統が今なお地味に生き続けている。
 瞬間ごとに詩が現れる(ゴダール)!唯美リアリズム!と欧州ヌーベルバーグに絶賛された名映画監督溝口健二は俳優の演技になかなかOKを出さなかった。しかも、「やってみて下さい、反射して下さい」としか言わない。役者でないので教えられぬとにべもない。
 森鴎外原作の映画、山椒太夫の撮影で、何回やってもダメで疲れ果てた女優香川京子は、次を最後に死のうと決心して、何もかも一切無にして姉の安壽に成りきり演じ終わって倒れた。するとやっとOKが出た。余分なものがなくなり溝口の不満が消えたのだろう。
 彼は滅多に指導しなかったので、女優浦辺くめ子に、「ボヤッと歩くな!電車に乗っても歩いていても人の表情を盗め!拾って来い!」と言ったという伝説が残っている。

[すぐに教えては駄目!]
 俳優、高橋秀樹は芝居で上手くいかず、共演している歌舞伎の尾上松禄に教えを乞うたが知らん顔!どんどん日が経ち千秋楽近くにやっと教えてくれて上手くいった。もっと早く教えてくれたらいいのに、と恨むと、松禄は、「でもしっかり覚えられたでしょう!」と笑った。「すぐに教えるとすぐに忘れる。ひと苦労もふた苦労もさせてから教えないと身につかない」、という歌舞伎役者相伝の仕来りがあったのだ。

[苦労して身体で覚えろ!]
 プロの将棋界は有望な少年が師匠の家に内弟子で住み込み雑用を済ませてから勉強する。だが兄弟子に教わる程度で師匠が直接教える事は先ずない。弟子同士対局し研究し合って腕を磨く。そうしてプロの雰囲気が身に染みこんでいく。
 内藤八段は、「何も教えないという事が一つの教えになっている。本当の芸は言葉では伝えられない。身体で覚えるものだから、徹頭徹尾、自分でつかみ学び見つける、それだけが本物だ。プロは本物を見につけねばならぬ。高みに達した人はなかなか教えない。適切でない教えはマイナスになりがちな事をよく知っているからだ」、と語っている。
 そこには創造性育成に不可欠な要素がすべてある。現代は教育万能的信仰があって一から十まで教えないと非難されるが、彼らは、本物をつかみ実力をつけるには自分で苦労するしかない事を知っていて、その為にも教え過ぎるな!と言う。大いに同感である。

[アメリカ人の学生は事実を知ろうとして、そこから自分で考え読み取ろうとするが、日本人の学生は事実より答えだけ知って利用しようとするので間違った事を鵜呑みにする恐れがある。広中平祐]
 高名な数学者岡潔は普通の靴は脳に悪いからと年中ゴム長靴で通した奇人で、学生時代、数学を暗記してテストは易しい問題でなく難しい問題からとりかかった。大数学者に敬意を表して日本の学生の暗記流行は大目に見るとしても、考えないのは明らかによくない。米国人の学生はそんな事より人生を楽しく過ごしたいので好奇心や興味があると探求に乗り出す。成果もさる事ながらそういう意思が創造性につながる。
 スポーツでもそれに似た違いが見られる。「結果を出す」という流行語のように日本人は結果、勝敗が全てといえる。だが欧米人はプロセスを楽しむ。勝敗までのプロセスが試合だよ!途中の戦いや技術戦術の応酬、駆け引きが面白いじゃないか!と言う。
 それは教育をも左右する。創造力をつけるには、指導者が選手に自由に創意工夫させないといけないのだが、試行錯誤を伴うし、チームが負けると困るので、勝つ為に選手に枠外の自由を許さない指導者が多い。だから創造性豊かな日本選手は稀で欧米に及ばない。

[百聞百見は一験に如(し)かず!松下幸之助]
 失敗は創造性向上に役立つが、成功もむろん有用だから、スポーツでは経験から学ぶ事が大切だ。戦争ではもっと切実で、日本海海戦の名将、東郷元帥は、「戦いに勝つ方法は適切な時機をつかんで猛撃を加える事だ。その時機の判断力は経験で得られるもので、書物からは学べない」と語っている。
 少人数の部隊が不意に敵襲を受けた時、応戦しつつ隊長はどうするか判断を迫られる。だが、全滅しかねないピンチに陥ると、若い隊長は狼狽して適切に命令できなくなり、古参の部下が代わりに指揮して切り抜ける事があるそうだ。よく教育されていくら知識があっても実戦では裏付けになる経験がないと難しい。経験、創造力と精神力などがものを言う。
 日本海々戦の名参謀、天才秋山真之は、「作戦案出、実施方法までは頭脳が考えるが、これを水火の中で実施するのは頭脳ではない。性格だ。平素からそういう性格を作らねばならない」、と説いている。
 サッカーの場合、たぶん真っ先に闘志満々の性格が浮かぶと思う。だが冷たく見える青白い炎の方が実は真っ赤に見える炎より熱いという事もある。冷静と勇気、度胸だろうか。

[フットテニス!実戦的練習が全てだ!]
 1980年、全米テニス決勝はボルグとマッケンローが死闘4時間、マッケンローが優勝したが、痛快なハプニングがあった。
 ボルグが強打した瞬間、ラケットが折れて飛んでしまった。球は相手コートに入り返球が来たが打ち返せない。歯がみしたボルグは何と!インサイドで見事にボールを相手コートに蹴り込んだ。これにはアッと驚いたが、それを見たマッケンローは流石、問題児!わざわざラケットを置いて蹴り返しボールは満員の客席に飛びこんで場内はドッと湧いた。
 歴史に残る珍プレーだが、それ以外は滑りこんだり、倒れながら打ち返したり必死で秘術をつくした真剣勝負!そんな中でユーモラスなプレーが自然に生まれるのだから素晴らしい。とっさの即興性、遊び心というか、遊びから生まれた本場のスポーツなればこそで羨ましく思った。スポーツと呼ばれてはいるが生真面目な体育、学校教育的運動競技が実体の日本ではあり得ない、もしやった日には、ふざけるな!と非難轟々だろう。
 世界的名選手、ボルグは北欧生まれの独学で、「コーチや教科書に頼るな!自分の感覚にしがみついてそれを生かせ!私は9歳から壁を相手に自分自身をコーチとして教育神話に勝った。皆、形式練習をしたがるが、テニスはゲームだ。ゲームスタイルで戦う練習でないと上達はない。実戦的練習が全てだ!」、と語っている。まさしく真理である!

☆習う、なぞる、真似るだけでは、弟子は師匠の半芸! 中村翫右衛門
☆教わった事しかしないのでは師匠を越えられない。飛躍があるから進歩が生まれる。稚拙であっても自分で考えなあかん!梅棹忠夫
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