2011年07月22日

パスのパターン活用(3)

54 パスのパターン活用(3)
[プレーのコツは自ら体得するしかない!]
 サッカーは理屈は簡単でシンプルなプレーが良いとされている。もっとも、熟練するといろいろわかってきておのずとシンプルにプレーするようになるもので、下手な選手が教わり指示されてやるシンプルとは違う。
 以前、賀川浩さんが日本でコーチしていたクラマーさんに、「パスのコツをどうやっておしえるのか?」、と尋ねると、彼は、「それは教える、教わるといったものではない。選手が自分で体得するしかない」、と答えた。
 辞書に、コツとは要領、呼吸、かんどころ、急所とある。ピンからキリまであって、誰でもいずれわかるような事でなく、微妙な急所、極意となると説明しにくい。未熟な選手がよしんば教わって理解し納得して覚えたところで、それは所詮知識に過ぎない。
 結局、そういう事を知っていても知らなくても、とにかく向上心や関心をもって試合や練習で自分でいろいろ試み努力して経験を積んで身体とサッカー頭脳で会得するしかない。そうして身につけたものでないと活用できない、応用がきかないというのである。

[方向は決めるが方法は任せる。自覚、自発、自立、自得の方が身につく。創造性の世界は本音の世界だ。山内昭夫]
 そう言えば、大学で私に文句ばかり言っていた神戸一中出の名選手だった監督が珍しく、どうだ、大分わかってきたか?と言った事があった。
 これ迄、プレーなどの要領、コツといったものを会得するのにどうしてきたのかというと、私は名人上手ではないので明言ができないが、旧制神戸一中の選手たちのように自分たちで研究して身につけたのは例外で、普通は連日練習を続けて試合経験を積んでいくうちに然るべきレベルに達して、資質才能があれば次第にわかってくるか、突如こういう事かと気づいて開眼したのだろう。
 もっとも実際はコツなど知らなくても十分プレーできるし上手にもなれるけれども、会得するに越した事はない。だが教える事ができないので選手自身が自主自発自得するしかないとなると、これは発見、発明ほどではないにしても一種の創造性活動だから、指導者ができるのは選手たちが自分で体得し易いようにしてやる事しかない。
 そこで創造性活動に必要な自由に創意工夫、試行錯誤、体験ができる環境、場所、機会を充分に与える為に、ゲームや実戦的練習を数多くやって、選手たちに、見ろ、感じとれ、どうしたら上手くいくか考えろ、と言って、自由に創意工夫させてそれを習慣づける。
 指導は、上から教授や命令するのではなくて、横から適切な方向づけ、優れたヒントを良いタイミングでアドバイスして助けるのがよい。理屈は後でいい。頭のいい選手に育てるには頭脳を働かせる習慣をつけることだ!
◎ 以前は走るのと基本練習とチームの攻撃パターンの調教的反復ばかりで、試合に不可欠な智能や戦術力、スキルの必要性をわかってなくて、走力、運動量とプレーや突進の速さで勝とうとしていたから、1971年に来日したペレは静岡で、(私も見ていたが)、日本のトップレベルの走りに走るユースチームの試合を見て陸上競技だ、と言った。


[マーク外し]
 パスを受ける場合、受け手は、味方がどこへパスを出すか予想して、または、自分から、こういうプレーをしてやろう、あの辺でボールを受けようと場所を決めてタイミングよく位置をとるか、そこへ動く。当然、敵の位置や妨害を計算に入れる。
 例えばフリーで前を向いて受ける為に、気づかれないように敵の視野から消えて、敵から離れフリーになり、どこで、または、そこからスタートしてパスを受けようと狙う。
 敵にマークされたらマークを外してパスを受ける為に、どこで受けるか決めて、いったん逆に動いたり(右で受けたいなら、左へ、前方で受けたいなら一旦後退、内側で受けたいなら外へ開く、敵の背後で受けたいなら敵の前に動く)、予定地から敵を引き離すように動いて敵をひきつけておいたりして、或は違う所に何気なく立って油断させたり、こっそり敵の背後に入り込んだりして、味方がパスできる時に目的の地点、方向へスタートしてマークを外してボールを受ける。敵が離れないので振り切る為に動き回ることもある。

 68(A) 3人組んで、受け手Aとマークする敵Xが向かい合う。パスは斜め前のBが出す。AがBにボールを送って開始。Aは上記のような行動でマークを外してパスを受けてシュートする。Xは軽くマークしてAの練習台になってやる。上手くなったらマークを厳しく。
 68(B) Aは敵ゴールに背を向けてXは背後からマーク。パスはBが斜め前や後ろから出す。Aはマークを外しパスを受けてシュート。以上は2:1だが、3:2にしてもよい。
 68(C) タッチライン沿いで、ウイングAをXが軽く接近マーク。ボール無しでAは前後左右いろんな方向の動きや、停止と急発進など速度の変化で逆をとりマークを外して走る。Xは振り切られないようにどこまでもマークする。先ずボール無しで練習してから、内側の前か後ろにボールを持つBがついて、マークを外して走るAにパス。
 42、43でバックが接近マーク。53やパスゲームでもマークを外してパスを受ける練習。

[センタリング]
 ウイングが試合でとるいろんなコースを練習。
69(A) タッチライン沿いにドリブル、ゴールライン手前でセンタリング。受け手は2、3人でシュート。ゴロも送るが、主にボールを上げる。高いとキーパーに捕られるので低めのライナー気味の方がよい。目標は味方の選手、または味方が走り込める地域。ゴールエレアの角から同じサイドのペナルティーエレアの角にかけてが多い。
69(B) タッチライン沿いにドリブル、ハーフラインから20mくらい進んで、ゴールへ突進する味方にゴロかライナーでパス。
69(C) タッチライン沿いから方向を変えゴールへ向かってドリブル、ペナルティー・ラインの角に切り込みシュートするかパス。
69(D) タッチライン沿いからゴールライン沿いに侵入、ペナルティー・エレアで速いゴロか低いライナーを、ゴールに向かう味方へ送る。キーパーの前を横切るボールが通ればベスト。またはもっと後方の味方(ニアポストなどの)にいわゆるマイナスのパスを送る。
 以上を精度をあげるように練習、あとで軽く妨害するバックを入れる。

[受け手の位置どり]
1. センタリングを受け手シュートする場合、飛んで来るボールのコース、高さ、落下地点を予測して、シュートする地点ではなくて、その手前で、その地点に少し膨らんだコースをとって走り込める位置をとる。なるべく、目の前を一瞬横切るボールをたたくのでなく、ボールのコースに入って迎えるようにする。
2. 受け手が2人なら、ニアとファー(ゴール手前と遠い側)にわかれて狙う。
3. 1人が既にそうした場合、あとから来た選手はその次に飛んで来る可能性の大きい地点やボールの飛び過ぎ、逆に飛ばなかった場合などに備えてわかれて位置をとる。
 待ち受けるのが数人なら、暗黙の了解で、同じ所に集まらないようお互いの位置や動きを見て、どこへボールが来ても誰かがシュートできるように手分けして位置をとるわけだ。
だが近頃、皆ゴール近くに集まってしまって、誰も遠い外側にいない為に、シュートなしでボールが飛び越えていってしまう事が多いので注意!
◎ 昔はセンタリングの詰めにうるさかった。逆サイドのウイングは受けて直接シュートするか、キーパーがはじいたのを押し込む為に、毎回忠実に走りこんで、ボールに触れる事ができずに終わっても、必ずゴールポストにさわってから帰って来たものだ。
 大学時代、私はキーパー以外のポジションが少しできたので、新入生なのにたまたま専門の選手がなかった苦手な左ウイングをやらされた。お陰で、戦後復活第一回の東大京大定期戦で右からセンタリングされたボールを左ポスト横に蹴り込むと見せて、右インサイドで右ポスト内側にシュート、ポストに当たって両軍通じての歴史的初得点をあげる事ができた。後半、足を踏まれて動けなくなったが、元気なら右のバックを抜けたからもう1点取れたかもしれない。(試合は終了間際、押し込まれて1:1の引き分け)
4. ゴロでセンタリングされた場合、遠い逆サイド(ファーポスト側)の選手はボールは敵の選手の間を通って来ると見当をつけて位置をとる。キーパーの位置にもよるが、キーパーの前後を速いボールが横切ると絶好の得点チャンスだ。
 キッカーに近いニアポスト側の選手は、ボールをクリアしようと出て来る敵の手前でシュートしないといけない。タックルされる覚悟で負けないようにブロックする事も必要だ。

[センタリングを受けて]
70(A) ヘディングで得点が無理なら、折り返すか、バックヘディングで中継ぎして味方にシュートさせる。味方は必ず準備しておくこと。
70(B) ゴロでセンタリングされた場合、直接シュートする以外に、自分よりも有利で確実に得点できる味方がいたら、パスしてシュートさせるか、意外性でスルーして味方にシュートさせる、
残すかバックパスしてシュートさせる、などの得点法がある。以上を練習。
70(C) センタリングからの得点だけでミニゲーム。正規のピッチの縦を短縮、大ゴールで7:7くらいに人数を減らして同様に。

[コーナーキック]
71 味方数名が一団になって、そこへボールを送る攻撃法があるが、最近、よく敵味方がゴールから遠い所に集まり、キックで走り出す光景が見られる。
 本来は、キーパーの前に味方が1人、他は上記した4のようにゴールを取り囲んで、各自、想定しているシュート地点に走り込める位置をとるのが正統的配置である。
 ボールが来たら70のとおり。通常マークされるので、マークを外して敵の前や背後でシュートしたい。マークがずれるだけでも競り合いで有利になる。1人、2人がわざとボールに向かって行って敵をおびき出してジャンプ、から振りして、後ろの味方にシュートさせるトリックもある。いろんなフィニッシュを練習して得意なコーナーキックを作ると良い。
 守備はキーパーが遠いゴールポストの前、近いポストの内側にバックが1人位置して、他の選手は敵をマンツーマン・マーク。キーパーが出たら空いたゴールをバックが守るが、バック以外の選手も臨機応変にゴールを守るように心がける。集中してこぼれ球、跳ね返り、ミスキック、接触してコース変化などを機敏に処理すること。クリアは外へ大きく!
posted by HFC at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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