2011年09月25日

守備の戦い方(1)

[守備は攻撃展開のための土台だ。4失点しても5得点して勝つというのは無理で、失点1以下で抑える堅実な守備あればこそ大胆に攻撃できる。クラマー]
 一般に攻撃は相手が相当劣る場合以外は、突破やシュートは失敗が多くても当たり前というか、大目に見るようなところがあり、得点など10回狙って1回でも2回でも成功すれば良しとされたりする。
 だが守備はどんなプレーでも10回すべて成功して当然で、特に、たとえ僅かでも失点の恐れがある場合は1回でも失敗してはいけない。攻撃と正反対で、守備は絶対に負けてはいけない減点法の厳しい世界である。

 (1)現代サッカーは攻守の切替えが早い。守から攻へ切替えが早いほどよい理由は攻め込まれて守っていたチームが、攻撃中の敵からボールを奪ってすぐさま攻めれば、敵はまだ守りを固めてないので容易に進攻できるからだ。
従って、攻撃中にボールを奪われたチームの方は、ぐずぐずしていると攻め込まれ、ピンチになるからそうならないように、ボールを奪われた瞬間から即座に攻守を切替え素早く守備を開始して後方の守備も固めなければならないわけである。
 (2)現代サッカーでは全選手が攻撃と守備を行う。こうして敵も攻守の切替えが早いので、ボールを奪われた瞬間からフォワードも守り、マイボールになった瞬間からバックも攻めなければならない。従って現代の選手は攻守両方でとっさに適切に対応して上手くプレーできないといけないのである。無論攻守の戦術知識も必要だ。
 (3)失点を防ぐ為に(ゴールの近くほど)安全第一主義に徹して守れ!万一に備えよ!
 (4)守備のプレーには順序がある。敵の攻撃の中で最も危険なものから防いでいけ!一番危険な敵の選手から先にマークして、危険な所やコースを塞げ!
 (5)ボールを持つ敵に必ず圧力をかけ身体を寄せ妨害して自由にプレーさせるな!阻止できなくてプレーされる場合でも、諦めてはいけない。何とかして失敗させろ!
 (6)守備には組織的安定秩序と選手の責任感、助け合いが大切だ!数的優位を作ろう!


[守備の巧妙なポジショニング(位置どり)は攻撃を未然に制限防止する!] 
 選手は以上の基本を守って、システムでの配置と役目をもとに、担当する敵や近くの敵をマークし、前や隣の味方をカバーして、敵のプレーとボールの動き、次に起こりそうな変化を予想し意図を読んで、先手を打ち早めに適切に位置を変えて対処しなければならない。
これはミニゲームでも同じで、基本だから必ず身につけること!
◇ 自分の担当だけでなく守備陣全体の事も考えて、マンツーマン・ディフェンスとゾーン・ディフェンスを併用する!味方と手分けして、敵の選手をマークの三原則どおりにマークして、危険な地域と中央を守り、スペースを塞いで無くせ!
◇ フリーな敵を無くすにはマークに相手と同数の味方が要る。数的劣位は一刻も早く無くして、危険な状況や地域を応援して数的優位で守れ!1:1を2:1にしよう!
◇ 敵を前進させないように浅い守備ラインが流行だが、最終守備ラインの選手たちが横一線になるのはオフサイド・トラップを狙う場合だけで、それ以外は原則として、ボールから遠い側の選手が後退してバランスをとってカバーする。
カバーなしで横一線で行くのなら、敵に裏や背後を突かれないか警戒して、そうなったらどうするか、最終ラインの選手とキーパーは対策、行動を考えて決めておくこと!

[場所や戦況に応じて守り方を変えよう] 
 チームとしての基本的守り方は次回に述べるが、試合の様相は守備の仕方でかなり変わるので、試合中は地域、形勢、状況、チームの状態などに応じて守り方を早めにかえていかねばならない。例えば次のような事だ。
◇ 自分がプレーする場所が、敵陣内か、中盤か、自陣内か、味方のゴール前か?
◇ これから戦おうとしている相手が完全にボールコントロールしているか、否か?
◇ 敵味方の状態、優勢劣勢、後方の守りが少ないか、大勢か、逆サイドはどうか?
◇ 敵の戦法、出方、速いか、強引か、ボールを上げてくるか、ゆさぶってくるか、縦を突いてくるか、裏狙いか?敵のどの選手が強いか、弱いか?

[シュート圏での1:1]
 シュート射程内の敵は全員がボールに触れたらシュートすると想定して、フリーにしてはいけない。必ずマンツーマンでマークしつきまとって身体を寄せ利き足で蹴らせるな!
 1:1で敵は横に50センチずれたらシュート出来る。相手がどう動いても置き去りにされないよう素早く追いつき、正面へ正面へと立ち塞がってシュートコースを消しゴールを身体で隠せ!味方と協力して数的優位で守備ラインの隙間を無くせ!
◇ シュートさせるな!されるなら失敗させろ!敵が外すか、キーパーが防ぐかだ。
◇ 後方から上がってくる敵、不意に味方の裏へ走り込んでくる敵を見逃すな!フリーで進んできた敵に横や斜めから向かう場合は、シュートコースへの最短距離を走って先ずコースを塞いでから、間合いを詰めて1:1に移れ!外へ不利な方へ追い出せ!
◇ 敵を追いかける時は、内側から外へ追い出すようにして追いかける。追いついたらショルダーチャージして前内側からゴール側、正面に回れ!外側から追うのは間違いだ。
◇ ワンサイトカットして、キーパーにボールが飛ぶコースを知らせたら、シュートさせないように食い止める!ボールが自分に当たってゴールに当たることがあるので注意!
◇ 敵が今にもシュートしそうでタックルが間に合うかどうかという時、距離がある場合は遠くから一気に足元に飛び込まないで、シュートコースに最短距離で入り身体でボールを止める!
◇ シュート地点から離れた所にいる選手は、どうしてもシュートされる場合は自分にできる事を考えて、直接ゴールを守る以外に、こぼれ球や跳ね返りなど、起こりそうなケース、万一に備えてよい位置をとって冷静機敏に行動しなければならない。競り合ったら敵よりも早くボールタッチしてクリヤせよ!必ずゴールを背にしてプレーし、味方のゴールに向かってプレーしてはいけない!


[シュート圏以外での1:1]
 敵がシュートする時は、何処であろうと、たとえハーフラインからでも阻止しなければならない。それ以外は、次のように、相手のボールコントロールの状態でプレーの仕方を変える。
◇ マークしながら次の事態を予測して位置をとり、敵がパスを受けようとする場合はパスをインターセプトするのがベストだ。それができなければ、相手がボールをトラップする所を襲う。それも無理なら、まだ受けたボールを充分にコントロールしきらないか、向き直ったりするところを妨害してタックルする。相手がダイレクトパスする場合は、ボールを奪うか、パスさせないか、失敗させる。
◇ 敵が完全にボールコントロールしてしまったら、安易にタックルするとかわされるので、先ず最も危険なプレー(シュート、ドリブル突破、ゴールへ直行、決定的パス)をさせないようにゴールへのコースを遮断して、素早く間合いを詰めておどかしてミスを誘い、隙をみてタックルする。粘って外側へ追い出せ!
◇ 当然、その前に敵味方の所在、動きなどを見ておいて、突破やシュートにつながる危険なパスを出させてはならない。特に敵の強力な選手へ送らせてはいけない。また味方の弱い方へ行かせないように戦うこと。
◇ 相手のやりそうなプレーを計算に入れてかかること。例えば、こちらがタックルしようと飛び込む瞬間、敵が大きくトラップしたり、足元のボールを蹴ってダッシュして置き去りにする、フェイントでかわす、パスのスルーなど。相手の得意技を封じろ!
◇ 弱気では負けるから、気持ちで負けるな!強気で絶対抜かせないぞ!ボールを取ってやる、失敗させるぞ!という気迫で、戦いの主導権を握れ!諦めないで粘り強く戦え!どこまでもしつこく追いかけろ!


[プレス]
 相手をマークし圧力をかけるのは、自由にプレーさせない、向き直らせない、行きたい方へ行かせないようにする為で、プレスに続いてタックルする。
 何処であろうと相手がシュートしようとしていたら、シュートさせないように食い下がってシュートの動作をさせないだけでなく、キックに必要な場所、広さ、時間を与えないように接触妨害する!無論、ボールがゴールへ飛ぶコースは消すか、与えない。
 ゴール近くの反則でフリーキック、ペナルティーキックを与えないように注意!足が少しひっかかっただけでも、相手が倒れると反則をとられやすい。


[タックル]
 1:1で敵が最初に仕掛けるのはフェイントが多い。こちらもいろんな手を使うべきだ。例えば、急接近しておどかす、タックルするようなフェイントでミスさせる。そうして仕掛けて、敵が逆へ避けて出るところをタックルする。敵のフェイントにかかった振りをしたり、わざと左右どちらかに隙を作って、相手が占めたと思って出てくるところを襲う。
 上手くいかなくても、あっさり逃してはいけない。タックルして成功しなかったら1回で終わらないで、2発目、3発目と矢継ぎ早にしつこくタックルする!
◇ タックルする時は、素早く間合いを詰めて、相手に身体を寄せ腰を低く、タックルする足に体重をかける。ボールをはさんで押し合いになった時、相手に押させてこちらが引くと、上手くボールを奪えることがある。
♯タックルする足に体重をかけないで軽くやると、膝をひどく痛めるので注意!
♯よく目にするが、前進を急いでタックルして上体が前のめりになると負ける。
◇ いわゆる懐の深い相手には接近して身体を寄せて深いタックルをする。スライディング・タックルは必ず為留めること!失敗すると置き去りにされるので無闇にするな!
◇ 相手に隙がない場合、性急にタックルするとかわされる。しつこく付きまとって余分なドリブルやパスをさせたり、相手を困らせてミスさせたりして、隙ができたらタックルする。
 一発必中が理想で、凄まじいタックルが人気で褒められる。だが、ボールを取るか、失敗したら完全に置いて行かれるか、勝つか完敗か、どちらかだというタックルはよくない。
 守備は状況や場所にもよるが、失敗した時のことも考慮して完敗しないように、チームがピンチにならないように戦うべきだ。少々かわされたり逃げられたりしてボールを取れなくても、抜かれない、前進させない、敵に良いプレーをさせない事も大切である。
◇ 周りや後ろに味方がいるかどうか見ておいて、敵を襲ってこぼれ球を味方に拾わせたり、追いこんでパスコースを限定して、味方にカットやタックルさせるとよい。臨機応変に味方と呼吸を合わせてペアの守備をするのである。
◇ 1:1に加勢して2:1にしたり囲んだり、次々に追い込んでパスコースを限定し絞っていってボールを奪うか、ミスさせるグループ的守備も面白い。それには周りや次の味方がそのつもりで用意して合わせないとできない。
♯但し、2、3人で囲む場合は、失敗すると一度に皆抜かれて置いて行かれて、ほかが手薄になるので、必ず勝たないといけない。


[マークの三原則]
(1) マークする選手は、その敵の選手とゴール中央を結ぶ線上で味方のゴール側から
(2) ボールと敵を同時に見て、
(3) 敵がボールを受ける時にタックルできる距離の地点でマークしなければならない。
その際、次のような状況などに応じた適切な対応が必要である。
◇ 接近してマークしていて、ロビングやハイクロスでボールが自分の頭上を越えるとピンチになるので、そういうボールが来そうならオーバーされないように後退して構える。
◇ 足の速い、スタートの素早い敵に対しては、味方ゴール側にパスが出てボールを追いかける競走になった時に負けないよう充分に距離をとってマークする。いわゆる出足、機敏なスタートが必要だ。
◇ 後方から上がってくる敵をいち早く発見して、マークして食い止めねばならない。その時、守備陣が混乱したりフリーな敵ができないように次々にマークをずらせて対応する。


[オフサイド・トラップ]
 危険がなければ、先ず浅いか横一線の最終守備ラインを保って、後方の敵が前方へボールを蹴ろうとして助走しかけた時に、最終ラインの選手が、一斉にダッシュ、前進して、敵のトップを追い越してオフサイド・トラップをかける。
 だが、最終ラインの1人が遅れたり、敵がトラップに慣れていてかからなかったり、僅かにタイミングと位置がずれたりして、いわゆるオフサイド崩れで危機に陥ることもある。
 敵のトップが囮になり守備陣を引きつけておいて、より後方の敵がパスやドリブルで突進しトップを追い越して突破することもあるのでよく注意すること!
 ♯敵がトラップにかからないとか、成功するかどうか疑わしい場合は中止する!
 ♯ペナルティ・エレアでオフサイド・トラップをかけるのは危険なので禁止!
(練習)攻撃陣vs守備陣で打ち合わせて考えながら、トラップの掛け方、破り方などいろんなケースを練習しておく。
posted by HFC at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記