2011年02月24日

ドリブルと1対1

 サッカーは非常に難しい球技で、例えば、ボールを投げる時は目標を見て投げる。手に持ったボールは見ないが、サッカーは蹴る直前に目標を狙っておいて、蹴る時は目標を見ないでボールを見て蹴るのだから、なかなか命中しない。おまけに試合は敵に邪魔されるために急いでミスしたりするので、サッカーはミスの多いスポーツだと言われている。
 接近戦や1:1、そこからシュートするような時は、一瞬を争うので、独特の直感ないし直感で身体が反射的に活動して、なかば夢中でプレーしなければならないことが多い。
 むろん経験知や創造力、身につけ磨き強化してきたスキルなどが基盤になっているのだが、こうし能力の瞬間的発揮は現代人の日常生活に殆ど必要のない動物的なものだから、年長や大人になってから練習を始めたのでは、子供の頃に始めて続けてきた選手のようにはいかない。
 何事でも子供からの先取り教育がいいに決まっているが、特にサッカーは脳が発達する幼少からプレーして、いわばサッカー頭脳に成長させサッカー用の神経回路を作り発達させていかないと、ほんもののサッカー選手にはなれない。ドリブルや1:1のスキルは代表的なものだろう。

[ドリブルは悪いサッカー!]
 昭和50年頃、枚方FCはドリブルが上手いと有名だったが、別段勝つためとかドリブルサッカーを志したわけではなかった。以前から日本選手はドリブルや個人技が下手なのに、欧米選手はドリブルが上手で1:1が強いから見事なサッカーが出来るのを見て、我々日本もやるからにはもっと面白いサッカーができるようになりたい。それには日本の子供たちが皆ドリブルが80点くらいになり敵を一人くらい抜けるようになって、その上でパスを使えるようになるといい、と考えていたからである。
 だが当時、日本の少年サッカー界は、サッカーはチームスポーツだから個人プレーはよくないと行ってドリブルを目の仇にして、選手にドリブルなど間違った悪いサッカーをするな、と教える指導者が多く、私は異端者で敵視された。それでよそがあまりドリブルを練習しないで下手だった為に、枚方が一層上手く見えて評判になったわけである。
 練習日には必ずドリブルといろんな1対1をやったので子供たちはサッカー大好きになり上達した。年少でまだ守備力が弱いのも好都合であった。
 年長になるにつれて守備力は強くなり、子供の頃のように相手に抜かれなくなるのでそうはいかなくなる。チームの攻撃もドリブルを減らし1対1を避けてパス主体になる。だが、それでドリブルや1:1の練習など無駄というのは間違いだ。
 というのはユースでも大人でも、球際やシュート圏では1対1の勝負になることが多いので、矢張り1対1の戦闘力は重要不可欠で、これは短期間で力がつくものではなく、幼少から身に付け磨いてきた感覚、技能が必ずそこでものを言うからである。
 それに1対1に自信があれば、万事に余裕ができて良いプレーが出来る。欧米と違って幼少からそれを身につけてこなかった従来の日本選手はこの自信がない為にミスしやすい。

[前もって考えておこう!]
 少し上達したら、前方の敵味方を見て襲って来そうな敵を予想し、敵と1対1になる時も、彼を抜いたらカバー役の敵が来るとか、大きくかわすと2人目にぶつかるといった事を計算に入れてドリブルして、抜き方、避け方を考え工夫するべきである。当然コース変更やパスすることも出来る。
◎ リベロの名手ベッケンバウアーはドリブルで上がっていくとき、斜め前から襲って来ようとする敵がいると、自分から方向を変えて向かって行きそうにして、相手が向かえ撃とうと立ち止まった瞬間、身を翻し元どおり直進して見事に相手を振り切ったものだ。
◎ 外国人は、日本選手は何故わざわざ待ち受けている敵を目がけて行くのか?スペースや敵と敵の隙間、相手の横にドリブルして行けばいいのに、と言う。敵の正面でなく横をつけば相手が動くので、抜いたりシュートするチャンスができるかも知れない。

[目的に応じたドリブルを]
 試合ではドリブルからパスしたり、始めからパスする為にドリブルしたりする事が多い。その場合、侵入してのセンタリングや、わざと敵を引きつける為でなければ、1:1やキープにこだわらないで、早めにパスする方がよい。ドリブルが長くなると、敵がパスを読み易くなり、守りを固めるからだ。
◇攻撃側の選手は、突破する為に相手を抜こう、よけてパス、かわしてシュートしてやろう、持ち込んでセンタリングだ、という具合に目的を持って1対1をやるので、抜き方、かわし方は状況や目的、アイディアによって違ってくる。
 特にシュートはその直前でなく、かなり前から得点してやろうと狙ってないとできないものだ。前もって、シュート出来なくなった場合にやるラストパスなど、2番目のプレーを考え用意しておく事も必要で、シュート得点が無理になったらそれに切り替えればよい。

[1:1はマイボール、味方ボールで終われ!]
 1対1を仕掛ける時、敵を抜けるかどうかの判断、見極めが大切で、無理すると大抵失敗する。上手いプロは抜ける時にしか抜かない。抜けなくても横にかわすか、ずれるだけでシュートやパスが出来る事があるし、後退して敵から離れてやり直してもいい。無論バックパスしてもよいのだから、闘志も強気もいいが、抜く事にこだわって失敗しないように柔軟、冷静に、粘り強くやることだ!
◇ 1対1でボールを取られそうになったら、相手とボールの間に身体を入れスクリーンしてキープし、周りを見てパスするか、ドリブルで相手から離れる。ボールを奪われたらすぐ取り返す。普段からこうなったらこうすると一連のプレーを用意しておこう!
◎ 但し幼少時代はまだそれは望めない。どんどん1対1をやって技能を磨き勝つコツを覚えて力をつけよう。経験を積むうちに、抜けるか無理かの判断もできるようになる。

☆ ブラジルのコーチが(留学中)の三浦和良少年に言った、「相手が大きかろうが何だろうが、向かって行け!お前がドリブルで勝負すれば、怖がるのは相手だ!」

[注意点]
1. 接近の仕方にはドリブルで真っすぐ突っかけるのと、遠目から踏み変えや身体をゆらせたり緩急をつけ方向を変えそうにしたりフェイントを入れたりリズミカルにドリブルして近づくのとある。接近しすぎて間合いが近くなり過ぎないように注意!
2. 接近しながら相手を見る事が大切で、抜き方、かわし方、フェイントを考えてボールを足元か少し前に置いて、相手にタックルされても咄嗟にかわせるように警戒する。
3. 止まりかけはいいが、相手の前で完全停止しては駄目!その時はパスに切り換える。
4. 相手が正面だと、敵をずらせるか、自分がずれてかわす為に、適切な間合いでフェイントを相手をおどかすように大きくかけるか、素早く逆をつくようにかけて、相手の動き、反応をみて、相手が重心がかかって動けない、足が出ない瞬間を感知して、素早くかわすか抜く。ボールタッチから次のタッチまでの時間が短いほどよい。かわしがら全速力で抜きされ!
♯間合いは少し遠目が安全!特に、荒っぽく激しい素早い相手、深くタックルしてくる敵には遠目で、動作を全て機敏に速く!近づきすぎたらボールを引いて離れる。
◎ 往年の名手、金田は、抜くには逆をとるか、先手をとることだと言った。その為にいろいろフェイントするのだが、要は、相手がタックル出来ない、足を出せない瞬間に、タックルして来ても足が届かない所を通過すればいいわけだ。
◎ それを感知して抜いたのがマラドーナで、敵が、さあ、これから1:1だと向かってくる前に、タイミングとコースの僅かなずれだけで快速で通過してしまった。
◎ ロナウジーニョは犬と遊んでボールを捕られないように練習して名手になった。

[練習法]
基本練習とゴールありの実践的練習。フィールドの広さは年齢に応じて。
37 3人組んで交代で四角の中で1対1。自分のコーナー2つと相手のコーナー2つがゴールの代わりで、相手のコーナーにボールを止めたら得点。
38(A)大きくHという字を地面に書く。2〜4mの横線を境に向かい合ってボール無し   で1対1。先攻、攻守を決めて3回で交代。攻撃側はフェイントして相手陣地内に走り込んだら得点。守備側は正面に立ち塞がるか、ショルダーチャージで入れないように防ぐ。
38(B)攻撃側は後ろ向き、守備側は背後からマークで開始。
38(C)ボールを使って1対1。
39(A)小ゴール2、キックオフから1対1。
39(B)双方のゴールラインからスタート、コーチが中央横からボールを出して1対1。
39(C)中央横からスタート、一方のゴールラインからボールを出して。
40(A)小ゴール2、Aは2m前に立つBの頭上を越えるボールを投げてから1対1。
40(B)AはBの股間にボールを通して、Bはボールが通ってから反転し追いかけて1対1。Aは追いかけてくるBの前に入って、BがAを追い越せないようにドリブルする。
41 ハーフラインからゴールまでを3ゾーンに分けて各ゾーン内を一人づつ守る。攻撃側は一人でドリブルして相手を抜いて行ってシュート。大ゴールの場合はキーパーが守る。
42(A)小ゴールとキーパーありの大ゴール。ハーフラインで向かい合ったウイング対サイドバックがスタート。中央や反対側からコーチがバックの後方にボールを出して1対1。
42(B)中央で後退したセンターバックに対してタッチライン中央沿いのウイング、コーチが両者の間に斜めにボールを出して1対1。
42(C)ハーフラインのセンターフォワードに対して、向かって左に開いて後退した右サイドバック、ハーフラインの左端から中央前にボールを出して1対1。右端からも出して。同様に左サイドバックも。
43 ペナルティーエレアの少し外のいろんな場所や位置、状況で、いろんな方向から来るボールで攻守の1対1。コーチがボールを出す。パス練習として選手が出してもよい。
 ♯いろんな相手とやるのがよい。オールラウンドの感覚、スキルを身につける為に、年少ほどいろんなポジション、攻守両方をやるべきである。
posted by HFC at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記