2011年01月24日

自由自在のドリブルを

ドリブルは、初心者のように夢中でボールを蹴って追いかけるのから、ボールコントロールの効いた突進、状況に応じてスピードを落とした曲折など、各人各様で、以前称賛された終始ボールが足に吸い付いているようなドリブルは古き良き時代の名人芸になった。
だがいくらスピードアップしても、ドリブルで疾走すると大抵すぐに敵が迫ってくるので、ボールに素早く追いつき、パスしないのなら、スピードやフェイントで敵を抜くか、タックルをかわすか、キープするか、意のままに緩急をつけ方向を変え自由自在に動かせる巧妙なボールコントロールはやはり必要不可欠である。
ボールは一寸触れるだけでも意外によく転がる。走る速度を上げるにつれてコントロールが難しくなるので、ボールと程よく一体になってドリブルするには、ボールを足だけで操るのでなく、適度に膝を曲げ腰を低くして身体全体でボールを動かすようにして、ボールの動きに合わせて離れないように行動しなければならない。
ボール扱いの技術は身体で覚えるしかないのだが、特に自然に身体が動いてボールと一体になってドリブル出来るようになるには年季がいる。幼少から絶えずボールに馴染んで長い年月練習して、あまりボールを見なくてもドリブル出来るくらいになって欲しい。ドリブルの名手たちは皆そうして上手くなったのである。

[極力、周りを見よう!]
 だがドリブル出来ても周りが見えないとか頭脳が働かない選手はチームの為になる良い仕事はできない。それにドリブル中は自然に楽に周りが見える事はないので、いろんな方法で前や周りを見る習慣を身につけなければならない。

1. 意思!ボールばかり見ないで、周りや必要なものを見ようと絶えず努力せよ!

2. ルックアップ!ボールタッチしたら、すぐさま顔を上げて前方や周りを見る癖をつけよう!安全な時は少し前方にボールを置くと見やすくなる。

3. 姿勢!そして俯かないで、顔をあげ上体を起こし前傾した良い姿勢で!

4. 間接視!3m 前を見て、ボールと前方を同時に視野に入れながらドリブルしよう!

5. ドリブル中、安全な時、楽な余裕のある時があれば必ず見ておけ!


[練習法]
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(A)まっすぐに30m ドリブル。
始めはゆっくりドリブルして、慣れたら次第に速く。ボールを蹴って追いかけてばかりでなく、ボールと一緒に走るにはどうしたらよいか?ボールタッチの仕方、強さとボールが転がる速さ、自分の走る速さと走り方、両者の調節、調和などを研究工夫すること。
例えば4、5 歩目にボールタッチと決めて、ゆっくりから少しずつ走るスピードを上げてみる。蹴るのではなく、ボールを押す。ボールを運ぶ、持っていくという気持ちも必要だ。

(B)全速力ドリブルシュートでルックアップを習慣づけ!
ボールタッチするたびに素早く顔を上げてゴールを見て、ペナルティエレアにかかる辺りで狙いを定めてシュート。
シュートに入る前のドリブルの最後のボールタッチはその準備だから、ボールに軽く触れてシュートしやすい所へ転がすだけ!そして必ずボールを見て狙いを定めて、2、3 歩から数歩で足を合わせて、転がって行くボールより少し向こうに踏み込んでシュート。
敵をかわしてボールを横にやや大きく1.5m 以上動かした時は、横這いなのでボールを追い越せ
ないから、素早く回り込んで必ずゴールを見て狙ってシュートする。

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(A)ジグザグドリブル。
棒やコーンを5 本、縦に1〜2m おきに立ててその間を縫ってドリブルで往復。身体をリズミカルにボールよりも外側へ大きく動かし、最初両足で、2 回目は右足だけで、3 回目左足、4 回目両足のアウトサイドだけで、5 回目ボールを引いてバック。良い姿勢で顔をあげ3m 前を見て間接視!いろいろ研究工夫すること。

(B)他に、ボールタッチの多い小刻みなドリブル、スピードを上げ急角度で曲がるやや大きいドリブル、ただ隙間を通り抜けるのでなく、障害物を敵に見立てて適切な間合いをとりフェイントを入れたり、外や内へホールをまたぐドリブルなども練習。
※ 幅のある高い障害物が良い。小さいのはまたぐから駄目!並べ方は変えてもよい。

(C)身のこなしを敏捷にする為に隙間を狭く70cm 以内にして、ボールなしでジグザグに素早く走り抜ける。フェイントを入れたり、ドリブルしてもいい。

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(A)A 組、B 組が年齢に応じて3、40m 離れて向かい合う。A の選手はB に向かってドリブル、時々後ろ向きになって2、3 回ボールを引いてバックするのを入れる。5m 行ったら次の選手がスタート、B 組に着いたらその後ろにつく。B 組の選手は次々にやってくるA の選手をフェイントしてかわしてドリブルしてA 組の後ろにつく。

(B)他に、A は途中で5 回くらい停止、ボールを引いたり、円を描いたりする。

(C)A もB もやってくる相手に向かってドリブルしていって衝突直前にかわすなど。

30 直径3m の円2 つから成る8 の字を描くようにドリブル。両足で、右だけで、左だけで、インサイドだけで、アウトだけでと指定。

31 四角の中で数人がぶつからないようにドリブル。止まらないで絶えず動け。上手くなったら人のボールを蹴りだしたり、一人妨害役が入ってボールを蹴り出したりする。

32 数m ドリブルしてターンを繰り返す。ターンに使う足を左右、足の裏、インサイド、アウトと指定。
ボールを止めてから向き直るのでなく、一動作で止めながら向き直れ!

33(A)ドリブル前進で時々急停止。止まると見せて走る。方向を変える。変えると見せて直進。半分ターンから反転して元通りに。ボール無しで動きを練習するのも良い。

(B)軽く妨害する相手をつけて行う。相手役は上手いフェイントにはかかってやれ。

34 ダンゴを丸めるようにボールをこねて転がしてドリブル。前進、横這い、ジグザグ。

35 殆どボールを見ないで両足の間でボールを速く往復させながら前進、後退、横這い。

36 ボールを見ないでドリブル。方向変え、ジグザグなど。ゆっくりから始める。


[試合中、どんな時にドリブルするべきか?]
1 スペースがあるか、コースが空いていて、ドリブルすれば突破、シュート、チャンスを作りを狙える時。
※ その時でも、周りや前方を見て、突破、得点できそうな味方がいたら、自分がドリブルするか、彼にパスするか、チームの為に成功率の高い方を選ばねばならない。

2 自分が妨害されてパス出来ない時。

3 パスを受けられるフリーな味方がいない時。
※ フリーな味方がいても下手か、彼より自分の方が良い位置で、パスしても効果が期待出来ない場合は、ドリブルしてもっと良い味方が現れるか状況が変わるのを待つ事がある。
※ マークされた味方でも、彼が上手ければ速いパスを送れば受けられる。壁パスの壁も出来るので利用するとよい。


[戦術、戦法として]
通常、年長になるとボールを盛んに動かす方が試合運びが良いのでパス主体になる。ドリブル向きのコースやスペースがなければパスが原則だが例外もあり、特に敵の最終守備陣に対しては、次のように敢えてドリブルをする事がよくある。

1 僅かな隙を見つけて、(時には隙がなくても)ドリブルであわよくば突破、シュートしようと試みたり、敵陣に変化を起こしてチャンスのきっかけ、糸口を作ろうとする。

2 ドリブルで相手を一人2人引きつけて敵陣を手薄にしてパスを送ろうとする。

3 ドリブルしたあとにスペースを作って味方に利用させるなど。


[各地域でのドリブルの可否?]
ピッチを三分し自陣(味方ゴール前の守備ゾーン)、中盤(ハーフラインの両側の地域)、敵陣(相手ゴール前の攻撃ゾーン)と呼ぶと、

1 失敗は失点につながる恐れのある自陣内、守備ゾーンは原則としてドリブル禁止!

2 中盤は主にパスで通過!ハーフラインを越えると守備を崩し突破する為にドリブルも必要だが、一人で長くキープすると、敵が次のパスを読みやすいし守備を固められる。

3 ペナルティラインの手前から敵陣内、攻撃ゾーンはドリブルが必要不可欠で、目的は突破得点、隙あらばすかさずシュート、得点するぞと決意してかかれ!それが無理なら味方へラストパス、粘ってチャンスメイク!仕方がなければボールを味方に戻せ。


[注意]
以上の原則を守ってドリブルかパスか正しい判断選択をしなければならない。

1 相手が困る致命的なコースへドリブルせよ!相手が取れない所へボールを動かせ!

2 ドリブルするがいつも何も役に立っていないとか、何をしたいのか不明なものもある。始める迄に何をするのか決めておけ!アイディア、計画、目的を持ってドリブルせよ!例えばこちらへドリブルして敵を引きつけて逆へパスしようと決める。突破する時は、先ず第一にシュート得点、第二ラストパス、という順序で二つ用意してかかる。

3 ドリブルは最後が肝心、必ずマイボールで終われ!相手ボールにするな!
◎ 上級になると、それだけでなく、チームが試合を有利に運んで敵の守備陣を崩して破る為に、何処でどのようにどの程度にドリブルとパスを使い分け組み合わせ配分するか、指導者だけでなく、選手各自も頭脳を働かせてプレーする事が必要になる。例えばパスにせよドリブルにせよ、単調で効果がないので変化をつけリズムを変える。敵に手の内を読まれているのでやり方を変え敵の意表をつくなど。


[いわゆる持ち過ぎの矯正]
 持ち過ぎには、周りが見えず判断選択ができない、持ちたくてパスが頭にないなどがある。必ず何回かボールタッチしてからか、少しドリブルしてからでないとパスやシュートをしない選手もいる。
 それで指導者が、持つな!早く!と怒ってばかりだと、選手は怒られないようにするだけになって、ドリブルかパスかの判断選択力は身に付かない。私は叱責や命令ではなくて、いろんな練習法を使って、彼が自分自身でそれができるようになるように工夫した。 ツータッチやダイレクトでのパスゲームでは機敏に決断させる為に、競り合い以外でのスリータッチ反則を厳しく取り、(後述予定の)必ず指定したパスを使わないといけない実戦的練習や、ラストパスからの得点だけ認めてドリブル得点禁止とか、2人抜きは反則などの条件つきミニゲームも大いに有効であった。
posted by HFC at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記