2010年12月21日

試合で役立つ練習を!

 私が指導した頃の枚方FCでは小学生は学年別、中学生2〜3、高校生は1〜2クラスあって多いときは合計300人くらい。練習は小五以下が週1〜2回、小六、中学生、高校生は3回。土曜日は低学年が2時から始め、ほかは夕方5時からで大体1〜2時間半。
 だが借用した小学校の校庭が狭いので木曜が小六と高校生の練習日だと、小六が先に始めて、高校生は少し場所があく6時頃からになり終わりが8時前になってしまうので気の毒だった。本当によくやってくれたと思う。保護者のご協力に感謝している。
 練習内容は少しずつ異なり、小六中高生は最後のミニゲームに30分以上とった。やりたい事が山ほどあり時間不足だが最高の成果をあげるようありったけの知恵を絞り、いやでも上手くなるように練習法を考案工夫した。参考になりそうなものだけ紹介する。

ボールリフティング(ジャグリング)
 ボールつきでの柔らかなボールタッチと身のこなしは全てのプレーに役立つ。でも回数を競うコンテストは盛んだがボールつきそのものは試合中あまり実用されていない。それが残念で、枚方FCでは試合で役立つように動きを加えたプレーを練習した。
 通常、長時間利き足のインステップでついて、「苦手な足もやれよ」と言われるだけだが。うちは右足だけで、左だけで、両足でと指定して、インステップだけでなく、インサイド、アウトサイドつきもやった。だが他の練習もしないといけないので長時間はとれないし、初心者はすぐ飽きるから3分くらいで次に移っていった。あとは自習できる。

<基本練習>
1. 足で10回以上つけたら、額、腿でつく。肩や腕を入れたり組み合わせたりして。
2. 右インサイド、左アウトサイド、右インサイドと交互に。その逆も。
3. 足で高くつき上げ落ちてくる迄に一瞬両手を地面につけて、落ちてきたのをつく。
4. 時々ボールをインステップにのせる、同様にインサイド、腿、胸、額に。
5. 慣れたらボールを足ですくい上げてつく。
6. (周りを見る習慣づけ)2人組んで、1人がつきながら相手が出す指の数を読む。
7. つきながら歩いて前進、後退、横這い、ジグザグ、それを駆け足で。
◎ 練習日には何10回もつけるつき方はしないで、他のつき方やプレーを練習すること。

<実践的に応用>
8.2人組んで、軽く妨害する相手にボールを取られないようにつき続ける。
9.(a)駆け足つきからボレーやハーフボレーシュート
(b)いろんな方向からのボールを空中で受けツータッチで、振り向きざまでシュート
10.(a)2人組んで、1人数回ついて浮き球パス。前進、いろんな方向に移動。
(b)駆け足つきで浮き球パスからシュート、ワンツーから。
11.横からのボールを高くつき上げ反対側に落としてシュート。
12.後方からのを半身でアウトでオーバーヘッドさせて前方へ落ちるのをシュート。
13.ゴールを背に足でつき3回目にオーバーヘッドさせターンして落下地点でシュート。
14.足で高くつき上げ前にいる相手の頭上を越えさせて走り込みシュート。後方からボ    ールをヘディングで相手の頭上を越えさせて落ちてくるのをシュート。
◎ こういうプレーは難しいが、練習しておくと、試合中、咄嗟に身体が動いて応用できる事がある。使う機会がなくても練習すると巧さが増すのでやっておくとよい!

トラッピング(狭義のボール・コントロール)
(原則)トラッピングは、シュートする為にトラップするという具合に、次のプレーの始まりで、そのプレーにすぐ移れて成功するようにトラップしなければならない。
1. その前に周りの状況やゴールを見ておいて、トラップしてどうするのか決めて、
2. ボールに走り寄り、次のプレーが上手くできるようにワンタッチで柔らかく勢いを殺してピタリと止めて、すぐさま顔をあげて見て(ルックアップ)、次のプレーに移る。
◎ 状況や目的に応じて、スペースへ大きくトラップしたり、トラップしながら2、3歩前進して敵をおきざりにしたり、横に動いてかわしたりする事もある。
◎ 理想は、状況判断に基づき臨機応変、ボールを意のままによい所に止めたり置いたり動かしたり自然に出来るようになる事だ。突っ立ってボールを足だけで操ろうとするのでなく、膝と身体全体を柔軟にリズミカルにボールの動きに合わせていかねばならない。

<基本練習>
15.(a)2人組んで前から足もとに投げられたボールを左右の足の裏で柔らかくワンタッチで止め、素早く相手を見て返す。インサイド、アウトで止めて。インステップにのせて。
(b)2、3メートル前や2.3メートル横に投げられたボールに走り寄って。
(c)以上の練習で右で止めて左で返す、逆も。アウトを除く。
16.(a)(b)同様に投げられたのをヘッド、胸、腿で受けてボレーかハーフボレーで返す。
(c)後退しながら投げたボールを、前進しながら受けて返すのを続ける。
17.(a)自分で投げあげて(ついてヘディングで)前、横や後ろにトラップ。
(b)3メートル前や横、後方に投げたのを違う方向にトラップ。
(c)座っていろんな方向に投げ上げたのをトラップしシュート。
18.駆け足前進する選手にコーチが横からいろんなボールを投げてトラップしシュート。
19.(a)前から投げられた頭を越えるボールをトラップして返す。
(b)それを向き直りながらトラップしてシュート。
20.コーチがいろんな地点からキックしたボールに走りよりトラップしてシュート。
21.3人組んで、Aが投げたボールをBが足、胸で受ける練習に、近くから軽く妨害する選手Cをつける。Cは1:1でなくBの良いプレーは見逃して失敗したらボールをとる。

<実戦的にフェイントしてトラップ>
22.(a)2人組んで、前からのボールを右へ動くようなフェイントから右インサイドで左へ出て行くようにトラップ、またはトラップしてから左へ。
(b)左へ動くとみせて右インサイドで右へ出るようにトラップ。または止めてから右へ。
(c)左へフェイントして右アウトで右へ。左は逆。
23.(a)3人組んで、ABの10メートル前にC、AはCにボールを投げてから、Cに迫り軽くおどかし妨害するが、しつこく追わない。チャトラップしてからAをかわすか、フェイントしてトラップでかわしてBにパス。Bはパスを貰うために少し動いても良い。
(b)2人組んで、Aは投げてBに迫る。Bはフェイントしてトラップで、またはトラップしてからAをかわしてシュート。トラップで敵をかわせるのがベスト!

 ◎ボールを見てプレーするのは当然だが、試合中はボールを見ながら周囲も同時に視野の端で見る間接視ができないといけない。迫ってくるAを直接、間接に見ること!

<横からのボールを受け相手を背に回転して逆へ>
正面に向かっていて右横からパスがきた時、通常相手をブロックして右足で受けて前進するが、それと違う処理法を練習する。
24.右インサイドで受けてボールを右足につけたまま左軸足を中心として身体を時計回りに180度以上回転、ボールを反対側ないし正面へもっていって左足シュート。真上から見ると3時で受けたボールは円を描き、9〜12時に来る。左からは逆。
(a)これを3人組んで練習する。正面へ向かっているBにAが横からパス。Bは受けて回転して(シュートの代わりに)正面のCへパス。
(b)要領がわかったらコーチが横からパスして選手は受けて回転してゴールへシュート。
(c)できるようならマーカーがつき軽く妨害する。受け手はマーカーをブロックしてボールタッチ、マーカーを背にスクリーンし回転してシュート。

<向き直りからシュート>
25.試合中、パスが来る直前に自分の背後を見てノーマークなら、後方からパスされたボールに走り寄って右足で受けたら時計回りでトラップしながら向き直り左でシュートする。左足受けは逆回り、右でシュート。ボールを引いたり横に動かしてもよい。
26.(a)背後からマークされていたら、バックパスするか、フェイントしてマーカーをかわして向き直らねばならない、ABCDは両端がADの一直線上、中央にBC。AB間とCD間は10メートル以上。Aが後方からBにパス、Bは背後からCにマークされていて、自分の右へ出るようなフェイントから右足インサイドで受けて、時計と反対回りでCをかわして向き直り逆へ出て前方のDにパス。マーカーは軽くついているだけでフェイントにかかってやる。次はDがCにパス、Cは同じプレーでマーカーBをかわしてAにパス。左足インサイドで受けるときは全て逆。
(b)同様に左へフェイント、ボールを右足アウトで受けて時計回りで向き直り、逆へ出てパス。逆は右へフェイント、左足アウトで受けて反時計回りで向き直り逆へ出てパス。
(c)要領がわかったら密着マークし妨害を少し強める。フェイントやかわし方は自由。
(d)ゴールありで密着マークされての1:1に進む。

 ◎試合中、ボールを扱っている時や、今にもそうなりそうな状況だと、なかなか背後を見る事ができないので、敵に背後から密着マークされると、その気配に自分で気づいて妨害やタックルを早めに感知して対応するしかない。だがこれは至難の技で体得に長年の経験が要る。この練習法は、私が学生時代苦しんだ経験から、これは幼少から実戦的練習で密着マークに慣れて必要な感覚を身体で覚え対応打開力を培うしかないと考え独創したもので、実施したところ狙いは的中、選手はマークに平気で対応できるようになった。
posted by HFC at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記