2010年09月21日

サッカーはゲーム

[エンジョイ]
 日本のサッカー選手はフォア・ザ・チームで頑張ってきたが、最近は気の張らない試合だと、楽しもう!とか、楽しんだと言う声も聞こえる事があるらしい。
 欧米人は試合で闘志満々、日本人以上に真剣にプレーするが、こちらは尋ねると必ず、エンジョイした、と答える。もっとも何かにつけてエンジョイと口にするのでいろんな意味を含んではいるが、彼らは人生を楽しく送りたいから楽しくない事はしない。
 確かに、体格体力に恵まれ自我、自己主張の強い彼らが、ルールで守られたピッチで激しく戦って闘争心を満たし、勝つために智恵を絞り技能を発揮しやりたいようにプレーして自己表現できるのだ
から、これほど楽しい事はない。楽しむといっても彼らのエンジョイは我々の娯楽遊興や団欒での楽しむと全く違う。思い切り暴れまくってエネルギーを発散する快感に近いようで、観客も選手と一緒
になって巧技激闘を見て興奮し楽しむのでサッカーはいつどこでも大変な人気である。
 最近、私が一読、さもありなんと思ったとても痛快な記事を紹介したい。
 1970年、メキシコで初めてW カップに触れた。各国の選手たちは日本とは大違い!極めて我が儘で若くても堂々と振る舞い、譲れないところは譲らずプレーヤーとして強いものを持ち、まるで個人競
技の選手のよう!同じユニフォームだから一つになっているだけという感じでチーム内は一触即発、花火や爆竹がバンバンいってる。それぞれ爆弾みたいなもので強烈な個性が出て勝手に爆発しちゃう。
 それがチームの力となる。人々も日本のように整然美でなく、優れた体力、技能、アイディアを備えた彼らの爆発に魅力を感じ混沌の中にある勝利が一番と思っているのだ!日本選手にも爆発してもらいたい! 山本浩

[ゲームをしてない?]
 以前、アルゼンチンの名監督メノッティは日本の試合を見て、「何故あんなにゴールへ直行するのか?サッカーは、あっちへ行って戻って、また行って戻って遊ぶ。そうして相手の気を散らせて、隙ができたら攻め込むゲームなんだ!」と言った。
 もっともな指摘だが、日本は独特で、遊びに由来する欧米サッカーと成り立ちからして違う。それについては後述するが、彼らの試合ぶりには思い当たる節があった。ワールドユースで欧米選手がま
るでトランプをしているかのような頭の働かせ方をしていたからだ。
 調べると欧米ではサッカーの試合はゲームで、ゲームには勝負事、遊戯、駆け引き、策略などの意味があり、彼らはサッカーもトランプもゲームなので同じような頭脳の使い方をしていたわけだ。プレイにも競技する、勝敗を争う、遊ぶ、自由に動くという意味があり、彼らのサッカーがどんなに真剣でもゲーム(遊び)なのだという事が良くわかった。
 明治時代、欧州サッカーは世界中に伝えられ、南米では欧州同様遊びで民間に広まり選手が作り出して楽しむ南米サッカーになったが、日本は渡来した英国サッカーが学校教育の中で武道精神サッカー芸的に日本化され独自のチーム原理主義的サッカーになったので、スポーツは楽しむもの、サッカーはゲーム(遊び)だ!という本質は伝わらなかった。
 だから今でも教育者やマスコミがよくスポーツを誇らしげに文武両道の武になぞらえる。武とは軍事、戦闘、武道の事でサッカーという球技まで、武、つまり戦争の戦いになぞらえているわけだが、
文武両道と言われるとまんざらでもないのか、否定も抗議もいっさいない。現に外見は欧米スタイルになってきたが、武道的な精神主義もあるし、欧米人が愚行と見るゴールへの直行反復に至っては日
本人なら誰でもできる伝統的突撃戦法で玉砕美学だ。メノッティの指摘どおりゲームではないのである。

[日本の大組織は軍隊と同じ型だ!山本七平]
 昔は先生は指導しなかったが、戦後、熱心な指導者が増えて勝利至上で厳しく教え込み鍛えて指令で行動させ、戦うチームの典型である軍隊のようになっていった。指令違反やミスした選手が殴られるのを何度も見た。強チームでは練習前に数キロ走らせたり最後に100 米走を数十本やってビリを竹刀でたたく。倒れる者もでるが、耐えないと一軍になれない。それでも保護者は感謝しているそうだ。
 皆さんはご存じないが、そうして鍛えに鍛え苦しめて耐えさせるのは、指揮官の意のままに動く強い兵士を作る日本古来の伝統的訓練法なのである、頭を使ってチームを動かすのは指揮官で、兵士は
命令に従うだけだから知能を高めることはしない。
 以前、ブラジルで明大野球部の監督が選手を殴って問題になったが、高校サッカーチームのアルゼンチン遠征で熱血先生がミスした選手を殴ろうとすると、向こうの人が飛んできて、虐待で問題にな
るから!と止めた。欧米人選手は日本の指導者が選手を殴るのを理解できない。サッカーと関係ない。
殴っても上手くならないよ!と言う。
 この根は深い。日本人は頭も悪くないしデリケートなくせに暴力に鈍感だ。相変わらず愛の鞭が好きでTV番組で希望者がプロレスラーに殴られて喜ぶ。かつて日本の軍隊では殴打されて強くなると
公言して下級兵士は連日殴られ、海軍では軍人精神を入れると称して精神注入棒で叩いた。学校でも教師がよく生徒の頬を平手で張り飛ばしたものだ。
 いまだに学校やスポーツで暴力が続いているのを見ると日本人にそういう劣悪な遺伝子があるのだろう。良い事はなかなか覚えないし伝えられないが、悪い事はすぐに覚えて伝えられていく。暴力を
絶滅しないと真のスポーツとは言えない。同質同調でない者へのいじめが続いているのに、いまだにコミュニケーション(人間関係)教育がない事も問題だ。

☆ 日本の教育は日本の軍隊と同じ、失敗を分析して二度と同じミスを冒さないようにしようとする発想がそもそも無い!中津遼子

☆ 日本人は集団主義!グループ主義!群れて安心して異質を認めず皆で排除する。欧米と違ってもともとコミュニケーション、人間関係の教育が無いのだ!ヤンソン由美子

◎昭和44 年(1969)から20 年間、枚方フットボールクラブで独自の少年サッカー育成で成果をあげて、長沼、川渕前日本協会々長にもパイオニアとして認められました。故松木さんにすすめられて始めたこの連載も既に4 年、魅力的で優しかった松木さんが今でもグラウンドに立っておられるような気がします。小生の方は馬齢を重ねて81 歳、いまだに下手なプレーをさせてもらって暁の皆さんに感謝しています。幸い識者諸氏に今でも新鮮だと言われて書き続けてきましたが、次回から皆様のお役に立つように練習法などまとめて、来年いっぱいで終わりたいと思います。今暫くお読み頂いて少しでも参考になれば幸甚です。
posted by HFC at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記